【完結】私の地元の猫って…。

まりぃべる

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3. 駅前

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 最寄り駅に付いた。

 最寄り駅といっても、電車での話。
ここから通常であればバスが出ている。でも今は19時を過ぎてしまった。
もう最寄りのバス停へのバスは最終便が出たあとだ。

 田舎の夜は早い。


(タクシーで実家まで帰ろうか、ここでホテルにでも泊まるか。)


 少し考えて、ホテルを探そうと思った。


 駅から数分、観光客向けのホテルや旅館が立ち並ぶ。

 そこではなく、1本違う道に逸れるとビジネスホテルがある。
そこへ行き、フロントで聞いてみるがどこも満室だった。
三連休だけど、ビジネスホテルならあいていると思ったが目論見が外れた。
どうやら、観光客向けのプランもやり始めたみたいで、ビジネスホテルではあるのに家族連れが結構いたのだ。


(仕方ないか…。)


 駅から近いから泊まろうかと思ったが、ビジネスホテルの金額ならと思っただけで、ホテルや旅館にしてしまうと金額が倍以上になる。
母に会いたくないわけではないからタクシー乗り場へ向かった。



 少しだけれど列が出来ている。都会に比べたら格段に少ない列なので私もそれに習って並んだ。


♪~♪~


と、私のスマホに母から着信が入った。



「はい。ん?今?駅。ビジネスホテル満室だったから、タクシー乗り場で待ってる。そっち帰っていい?え?大丈夫?うん、うん。暗いから気をつけてね。」


 母は、そろそろこちらに付く頃かなと思って電話をくれたらしい。迎えに来てくれると言った。

 車だと実家からはここまで20分前後だろう。私は少し駅前を歩く事にした。



(ずいぶん変わったな…。)



 私が幼い頃は、もう少しホテルや旅館も多かった。
何もないけれど、穏やかな川が流れていて、山に囲まれたそこは、都会からも近く、四季を感じられる場所として昔から観光客が多く訪れていた。

 温泉地でもあるから、癒しを求めに来ていたのかもしれない。



 けれど、私が中学生になる頃から少しずつ客足が減り、廃業するホテルや旅館が出てきた。

 だから、電気が煌々と輝いて賑わっている区画がある一方で、廃れている区画が影を落とし日が落ちた今は真っ暗で、少し哀愁を感じてしまう。



(ん?)



 その、廃れている区画に、街灯もないから分かり辛いが小さな動物が数匹いた。よく見てみると猫のような動物だ。

 横になっている猫、座っている猫、ゆっくり歩いている猫といるが、ここが猫の住処にでもなっているのだろうか。

 そういえば、実家の近くにも猫がいたなぁ。と考えながらその猫たちを飽きることも無く見ていると、その内の一匹がこちらを向いた気がした。距離があるので定かではないが、視線が合ったような気がしたのだ。

 ジッと見られているような気がしたのでなんとなく、手を振ってみた。


(おーい、猫ちゃん達、またこの町に来ちゃったよー。)


 するとそのこちらを向いていたような猫は、また元の姿勢にもどったので、気のせいだったのかな、まぁいいかと思った。


 ふいに、辺りが照らされた。


 車のヘッドライトが近づいてきたのだ。駅のロータリーに車が一台入って来たので、私はそちらの方へ行った。


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