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6. お金を得るには
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リュシーは十八歳となり、弟のカジミールが十三歳になる頃。
リュシーは、カジミールの学費の為、金を稼ごうと思った。
今までもリシューなりに、〝森の恵み〟を取ったりもらったりしては売っていたが、それだけでは足りないからだ。
十三歳になると、王都にある寄宿学校に通う事が出来る。カジミールを通わせたいと思ったのだ。
寄宿学校は、寮生活をしながらさまざまな学問を学ぶ学校であり、貴族であれば通う事が出来る。ただし、それなりのお金を払わないといけない。
リシューは跡取りでもないし、友達が欲しいとは思ったが、自分が動物と話すのを知られて心無い事を言われるのが怖かったのもあり、父親に入学したいかと聞かれた時も首を横に振り、通わなかった。
(カジミールは将来、ここレスキュン領の領主となるのだもの。学校には通った方がいいわよね。私は通っていないから、よく分からないけれど、きっとたくさんの事を学べる、将来の役に立つ場所よね。)
この国には魔力があるものは寄宿学校で魔術を習うことが出来る。そこで、優秀だと認められれば魔術騎士の道や、魔術師にもなれる。そうすれば、安定した高額な給料を得る事が出来る為、目指す者も多い。
また、魔力を持っていなくとも寄宿学校で専門的な事を学び、就職に生かす事も出来る。
少し大きくなるとリュシーも、通えるものなら将来お金を得る為に、寄宿学校に通っておけば良かったと思う事もあった。しかし、入学費用も必要だとマルゴから聞いたし授業料を払うことも出来ないと思ったから、その後も無理して入学したいと言う事はなかった。そもそも魔力を持っていない。不器用でもあったから、刺繍も、裁縫も苦手で、女性に人気の職業であるお針子になる事さえも無理であった。
リュシーは長女ではあるが、オジュレバン国は男性が爵位を継ぐのが常である。だから、弟カジミールがアランブールの家を継ぐのである。その為、貴族ではあっても家を継がない子供は手に職をつけるか、男であれば一人娘の家へ婿養子に入ってそこの家の爵位を継ぐしか道がないのだ。幸いにも、リュシーは女で、どこかの跡取りの貴族に嫁ぐ事も選択肢にはある。
しかしリュシーは空いている土地はあるので結婚しなくとも住む場所はあると思っていた。
(だけど…どうすればお金を得られるかしら。)
危ない森が近くにあるから、狩人のような野生動物を獲る事が出来れば、高額な収入を得る事ができる。動物の毛皮は高値だし、肉や爪だって売れるのだ。
森に入る事は、リュシーなら動物と会話が出来る為にする事が出来る。野生動物も、リュシーが邪な事を考えて近づいてくるわけではないので、危害を加えないからだ。むしろ、会話が出来る柔らかい雰囲気を持ったリュシーに野生動物から近づいてくる。
ただ、動物を獲る事はリュシーは野生動物が可哀想でそんな事は絶対に出来ない。
(それは無理ね。私に出来る事、私に…)
自分をふと見つめると、長い髪が視界を捉える。手入れの行き届いた髪は高く売れる為に、リュシーはマルゴに聞いてみる。
「ねぇ、マルゴ。髪の毛、売りたいのだけど私の髪はどのくらいで売れると思う?」
「え!?り、リュシー様そんな…どうしてですか!?」
「だって、髪の毛が売れればそれなりにならない?カジミールの学費にあてられないかと思って。」
「リュシー様…その案は、最後の最後に取っておきましょう。貴族にとってお髪は、魅力的に見せる為の武器なのですから。」
「そうは言っても…マルゴ。私にはそんな武器必要ないわ。社交にも参加していないし。」
「ご結婚の為には、長い髪でないと。短い髪では庶民のようですから。」
「そうかしら?短い髪も動きやすそうよ。それに、私結婚なんて無理よ。結婚を申し込んでくる人なんていないわ。なんていうか…貧しいじゃない?」
「そんなはっきりと…いいえ!リュシー様は大変綺麗なお顔立ちなのですから、出会いさえあれば引く手あまたでございます!」
「そんなこと…でしたら、カジミールの学費はどうしたらいいのかしら。」
「そうですねぇ…特別制度を利用するとかでしょうか。」
「?なにかしら?」
「はい。出世払いのようなものです。卒業してから、少しずつお支払いするのです。」
「そうなのね。それなら通えるかしら。」
「はい。それしか方法は無いかと。」
(でも、貴族の端くれなのにそんな事して大丈夫かしら?貴族は見栄っぱりで世間体を重きに置くと聞いたわ。私が稼げていたら良かったのに。)
リュシーは、大きなため息をついて、貴族が後払いってどうなのかしら…と思った。
リュシーは、カジミールの学費の為、金を稼ごうと思った。
今までもリシューなりに、〝森の恵み〟を取ったりもらったりしては売っていたが、それだけでは足りないからだ。
十三歳になると、王都にある寄宿学校に通う事が出来る。カジミールを通わせたいと思ったのだ。
寄宿学校は、寮生活をしながらさまざまな学問を学ぶ学校であり、貴族であれば通う事が出来る。ただし、それなりのお金を払わないといけない。
リシューは跡取りでもないし、友達が欲しいとは思ったが、自分が動物と話すのを知られて心無い事を言われるのが怖かったのもあり、父親に入学したいかと聞かれた時も首を横に振り、通わなかった。
(カジミールは将来、ここレスキュン領の領主となるのだもの。学校には通った方がいいわよね。私は通っていないから、よく分からないけれど、きっとたくさんの事を学べる、将来の役に立つ場所よね。)
この国には魔力があるものは寄宿学校で魔術を習うことが出来る。そこで、優秀だと認められれば魔術騎士の道や、魔術師にもなれる。そうすれば、安定した高額な給料を得る事が出来る為、目指す者も多い。
また、魔力を持っていなくとも寄宿学校で専門的な事を学び、就職に生かす事も出来る。
少し大きくなるとリュシーも、通えるものなら将来お金を得る為に、寄宿学校に通っておけば良かったと思う事もあった。しかし、入学費用も必要だとマルゴから聞いたし授業料を払うことも出来ないと思ったから、その後も無理して入学したいと言う事はなかった。そもそも魔力を持っていない。不器用でもあったから、刺繍も、裁縫も苦手で、女性に人気の職業であるお針子になる事さえも無理であった。
リュシーは長女ではあるが、オジュレバン国は男性が爵位を継ぐのが常である。だから、弟カジミールがアランブールの家を継ぐのである。その為、貴族ではあっても家を継がない子供は手に職をつけるか、男であれば一人娘の家へ婿養子に入ってそこの家の爵位を継ぐしか道がないのだ。幸いにも、リュシーは女で、どこかの跡取りの貴族に嫁ぐ事も選択肢にはある。
しかしリュシーは空いている土地はあるので結婚しなくとも住む場所はあると思っていた。
(だけど…どうすればお金を得られるかしら。)
危ない森が近くにあるから、狩人のような野生動物を獲る事が出来れば、高額な収入を得る事ができる。動物の毛皮は高値だし、肉や爪だって売れるのだ。
森に入る事は、リュシーなら動物と会話が出来る為にする事が出来る。野生動物も、リュシーが邪な事を考えて近づいてくるわけではないので、危害を加えないからだ。むしろ、会話が出来る柔らかい雰囲気を持ったリュシーに野生動物から近づいてくる。
ただ、動物を獲る事はリュシーは野生動物が可哀想でそんな事は絶対に出来ない。
(それは無理ね。私に出来る事、私に…)
自分をふと見つめると、長い髪が視界を捉える。手入れの行き届いた髪は高く売れる為に、リュシーはマルゴに聞いてみる。
「ねぇ、マルゴ。髪の毛、売りたいのだけど私の髪はどのくらいで売れると思う?」
「え!?り、リュシー様そんな…どうしてですか!?」
「だって、髪の毛が売れればそれなりにならない?カジミールの学費にあてられないかと思って。」
「リュシー様…その案は、最後の最後に取っておきましょう。貴族にとってお髪は、魅力的に見せる為の武器なのですから。」
「そうは言っても…マルゴ。私にはそんな武器必要ないわ。社交にも参加していないし。」
「ご結婚の為には、長い髪でないと。短い髪では庶民のようですから。」
「そうかしら?短い髪も動きやすそうよ。それに、私結婚なんて無理よ。結婚を申し込んでくる人なんていないわ。なんていうか…貧しいじゃない?」
「そんなはっきりと…いいえ!リュシー様は大変綺麗なお顔立ちなのですから、出会いさえあれば引く手あまたでございます!」
「そんなこと…でしたら、カジミールの学費はどうしたらいいのかしら。」
「そうですねぇ…特別制度を利用するとかでしょうか。」
「?なにかしら?」
「はい。出世払いのようなものです。卒業してから、少しずつお支払いするのです。」
「そうなのね。それなら通えるかしら。」
「はい。それしか方法は無いかと。」
(でも、貴族の端くれなのにそんな事して大丈夫かしら?貴族は見栄っぱりで世間体を重きに置くと聞いたわ。私が稼げていたら良かったのに。)
リュシーは、大きなため息をついて、貴族が後払いってどうなのかしら…と思った。
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