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5. 森の恵み
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リュシーがアオ鷹の爪をもらってからなぜか、〝危ない森〟へ行くと野生動物がリュシーに手土産を持ってくる事が多くなった。
この頃には危ない森はリュシーにとって、特段花畑などへ行くのと変わらない、危険ではない場所となっていた。〝襲いかかってくる〟と言われる野生動物達は皆、リュシーに好意的だからだ。
気兼ねなく散策も出来、動物達とも遊んだり話したり、森の恵みを持って帰ったりもしていた。
《あ、リュシーだわ!どこへ行くの?特に用事がないならそこに居てちょうだいな。さっきね、いいもの見つけたのよ!持ってくるわ!》
リュシーが、森へ入るとすぐにたいていそう言われるのだ。
《今日はね、クルミがあったんだよ。リュシーにもおすそ分けしてあげるよ!はい、どうぞ!》
「ヤチネズミさん、いいの?」
《うん。私はそこまで好きじゃないし。でも、リュシーなら食べるかと思って!》
「ありがとう!私なにもお返しの物持ってきていないの。今度持ってくるわ。」
《要らないよ!リュシーとお話出来るだけで楽しくなっちゃうから、また来てくれるだけで。》
《リュシー、いいもの持ってきたよ!》
「アナウサギさん、こんにちは!あら?それはなぁに?」
《うーん、何て名前かよく分からないんだけど、たまに人間が取って行くんだよ。クスリの材料、らしいよ。根っこなんだけどね、高く売れるらしいから、はいどうぞ!》
「え!そんなの、もらってもいいの?」
《リュシーが喜んでくれるかと思って持ってきたのだから、もらってくれないと逆に困るわ!》
「そう?じゃあいただくわね!でも…お返しのものなにも持ってないわ。今度来たときにでもいいかしら?」
《そんなの要らないわ!私が勝手にリュシーが喜ぶかと思って持ってきたのだもの。リュシーが来てくれるだけでいいのよ。この森にいるみんなは、リュシーからお返しをもらおうだなんて思っているやつらは居ないわ。だから気にしないで、もらってくれる?その方がみんな喜ぶのよ。》
「そうなの?じゃあいただくわね。ありがとう!」
《リュシー、僕たち栗の実を見つけたんだ!リュシーが食べるかと思って、持ってきたよ、はいどうぞ!》
「まぁ!ホッキョクウサギさんたち、ありがとう!いいの?」
《当たり前だよ!リュシーが喜ぶと思って持ってきたんだからね!》
《ねー!》
《おれも、リュシーが喜ぶかと思って持ってきたよ!ほら!》
「ギンギツネさんこんにちは!ってそれは…きゃー!か、カエル!?」
《ん?どうした?美味いぞ~!おれ、リュシーが喜んでくれるかと思ってよ!》
「ありがとう…でも、カエル、ちょっと苦手なのよね…」
《え!マジ!?す、すまない…カエル苦手なやついるんだ……》
《バカね、ギンギツネったら。リュシーが喜ぶもの持ってこなくてどうするのよ!》
《そうよ!…ん?そのカエル、人間がよく生け捕りにしていたわね。そういえばそれもクスリの材料になるらしいけど…持って帰れないんじゃ意味ないわね!》
《うるさいな、お前ら!食べちまうぞ!!おれはリュシーが喜ぶと思って…ごめんな、リュシー!あとでおれ食べるからちょっと埋めてくるわ。で、何か代わりに違うもん捕ってくる!》
《ギンギツネ-!あんた、人間に見つかると毛皮が高値で売れるらしいから、さっさと逃げなきゃダメよー!》
《うるせー!お前らウサギ達に言われなくても分かってら!》
「ギンギツネさん、そんなわざわざ、行かなくていいのよ。気持ちだけで十分だわ。ありがとう。」
《くー!リュシーは本当、イイヤツだな!でもよ、おれだって役に立ちたいんだ!うーん今度はそうだなー、タマムシでも捕まえてきてやるよ!》
「ムシ!?ギンギツネさん、本当に、気持ちだけで結構よー!」
リュシーは今日も、山盛りの手土産をもらって屋敷に帰った。
「おや!お帰りなさいませ、リュシー様。これまたたくさん取ってきて下さいました。」
「オーバン、ただいま!え、ええ…ねぇ、これ、どうすればいいかしら?これはクルミで、これは栗だから食べられるでしょ?これは…根っこ?クスリの材料になる?んだっけ?」
「ユリの根ですね。はい。じゃあちょっと売ってきましょう。これらは本当に助かりますね。…今度近くを散策される時は、焼き菓子を持って行けるようにしましょう。」
狩人が泊まる宿屋には、狩人が捕ってきたものをその場で売れるように近くの街に本店を構える出張商人がいる。そこに、リュシーの手土産を売ってくるとオーバンは言ったのだ。
「え!焼き菓子?本当!?オーバン、ありがとう!」
オーバンがなぜだかそう言ってくれたので、リュシーは野生動物達にお返しが出来ると思った。
それでもリュシーは、今度からはお土産はたまにくれるだけでいいと言わないとなと思った。
(持ってくるのは大変だったかもしれないもの。野生動物さん達は、食料を私におすそ分けしてくれてるのかもしれないし。)
けれども、野生動物達は、リュシーがアオ鷹から爪をもらったのを見て、自分達もリュシーの役に立ちたいと思ったのだった。
この頃には危ない森はリュシーにとって、特段花畑などへ行くのと変わらない、危険ではない場所となっていた。〝襲いかかってくる〟と言われる野生動物達は皆、リュシーに好意的だからだ。
気兼ねなく散策も出来、動物達とも遊んだり話したり、森の恵みを持って帰ったりもしていた。
《あ、リュシーだわ!どこへ行くの?特に用事がないならそこに居てちょうだいな。さっきね、いいもの見つけたのよ!持ってくるわ!》
リュシーが、森へ入るとすぐにたいていそう言われるのだ。
《今日はね、クルミがあったんだよ。リュシーにもおすそ分けしてあげるよ!はい、どうぞ!》
「ヤチネズミさん、いいの?」
《うん。私はそこまで好きじゃないし。でも、リュシーなら食べるかと思って!》
「ありがとう!私なにもお返しの物持ってきていないの。今度持ってくるわ。」
《要らないよ!リュシーとお話出来るだけで楽しくなっちゃうから、また来てくれるだけで。》
《リュシー、いいもの持ってきたよ!》
「アナウサギさん、こんにちは!あら?それはなぁに?」
《うーん、何て名前かよく分からないんだけど、たまに人間が取って行くんだよ。クスリの材料、らしいよ。根っこなんだけどね、高く売れるらしいから、はいどうぞ!》
「え!そんなの、もらってもいいの?」
《リュシーが喜んでくれるかと思って持ってきたのだから、もらってくれないと逆に困るわ!》
「そう?じゃあいただくわね!でも…お返しのものなにも持ってないわ。今度来たときにでもいいかしら?」
《そんなの要らないわ!私が勝手にリュシーが喜ぶかと思って持ってきたのだもの。リュシーが来てくれるだけでいいのよ。この森にいるみんなは、リュシーからお返しをもらおうだなんて思っているやつらは居ないわ。だから気にしないで、もらってくれる?その方がみんな喜ぶのよ。》
「そうなの?じゃあいただくわね。ありがとう!」
《リュシー、僕たち栗の実を見つけたんだ!リュシーが食べるかと思って、持ってきたよ、はいどうぞ!》
「まぁ!ホッキョクウサギさんたち、ありがとう!いいの?」
《当たり前だよ!リュシーが喜ぶと思って持ってきたんだからね!》
《ねー!》
《おれも、リュシーが喜ぶかと思って持ってきたよ!ほら!》
「ギンギツネさんこんにちは!ってそれは…きゃー!か、カエル!?」
《ん?どうした?美味いぞ~!おれ、リュシーが喜んでくれるかと思ってよ!》
「ありがとう…でも、カエル、ちょっと苦手なのよね…」
《え!マジ!?す、すまない…カエル苦手なやついるんだ……》
《バカね、ギンギツネったら。リュシーが喜ぶもの持ってこなくてどうするのよ!》
《そうよ!…ん?そのカエル、人間がよく生け捕りにしていたわね。そういえばそれもクスリの材料になるらしいけど…持って帰れないんじゃ意味ないわね!》
《うるさいな、お前ら!食べちまうぞ!!おれはリュシーが喜ぶと思って…ごめんな、リュシー!あとでおれ食べるからちょっと埋めてくるわ。で、何か代わりに違うもん捕ってくる!》
《ギンギツネ-!あんた、人間に見つかると毛皮が高値で売れるらしいから、さっさと逃げなきゃダメよー!》
《うるせー!お前らウサギ達に言われなくても分かってら!》
「ギンギツネさん、そんなわざわざ、行かなくていいのよ。気持ちだけで十分だわ。ありがとう。」
《くー!リュシーは本当、イイヤツだな!でもよ、おれだって役に立ちたいんだ!うーん今度はそうだなー、タマムシでも捕まえてきてやるよ!》
「ムシ!?ギンギツネさん、本当に、気持ちだけで結構よー!」
リュシーは今日も、山盛りの手土産をもらって屋敷に帰った。
「おや!お帰りなさいませ、リュシー様。これまたたくさん取ってきて下さいました。」
「オーバン、ただいま!え、ええ…ねぇ、これ、どうすればいいかしら?これはクルミで、これは栗だから食べられるでしょ?これは…根っこ?クスリの材料になる?んだっけ?」
「ユリの根ですね。はい。じゃあちょっと売ってきましょう。これらは本当に助かりますね。…今度近くを散策される時は、焼き菓子を持って行けるようにしましょう。」
狩人が泊まる宿屋には、狩人が捕ってきたものをその場で売れるように近くの街に本店を構える出張商人がいる。そこに、リュシーの手土産を売ってくるとオーバンは言ったのだ。
「え!焼き菓子?本当!?オーバン、ありがとう!」
オーバンがなぜだかそう言ってくれたので、リュシーは野生動物達にお返しが出来ると思った。
それでもリュシーは、今度からはお土産はたまにくれるだけでいいと言わないとなと思った。
(持ってくるのは大変だったかもしれないもの。野生動物さん達は、食料を私におすそ分けしてくれてるのかもしれないし。)
けれども、野生動物達は、リュシーがアオ鷹から爪をもらったのを見て、自分達もリュシーの役に立ちたいと思ったのだった。
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