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4. アドンの想い 〜アドン視点〜
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俺はアドン。父ちゃんはオーバンと言って、アランブール家の家令をしているぜ。家族で住み込みで使用人棟で暮らしているから、俺も物心ついた頃から仕事をしている。まだまだやれる事は少ないが、買い出しに行ったり、洗濯物を干すのを手伝ったり、やる事はたくさんあるぜ!
父ちゃんは、
「お嬢様であるリュシー様は、我々とは違う感性をお持ちだからな。くれぐれも大切に扱うように。」
って言ってきたがよ、違う感性っていうより、変わり者じゃねぇか?動物に向かってブツブツと独り言いってるんだからよ。あれは、寂しいからか?だったら、俺が相手してやるぜ!あんまし覚えてねぇけど、あいつが生まれた頃から見てるから妹みたいなもんだからな!
「これ、アドン!お前とリュシー様じゃあ立場が違うんだぞ?立場を弁えなさい!」
あーまた父ちゃんに言われちまった…。でもよ、リュシー様なんてこそばゆくて言えねーよ!!
…なんでリュシーってば、俺が話しかけるとすぐ逃げるんだよ!恥ずかしがんじゃねぇよ!動物と一緒じゃねぇか!
動物と話すより、俺と話せばいいのによー!
そういやぁ、俺が五歳位の時も〝危ない森〟にリュシーってば一人走って行きやがって、驚いたな…それでも、どうにか帰ってきたから良かったけど、ビビったぜ。俺と話していていきなりだったから、父ちゃんにバレていたらこっぴどく叱られただろうな…危険な目に合わすなって。ま、結果何事もなく帰ってきたからバレずに済んで良かったけどよ。
ーーー
ーー
ー
「おい、また動物にブツブツ独り言言ってんのか?バルテレミー様の体調が悪いから淋しいんだろ?俺が相手してやる。部屋にいこうぜ。」
「…いい。」
「遠慮すんなって!どうせ風邪だからって暖かくしてれば治るからよ。アオ鷹の爪があれば楽になるかもしんねぇけど、ま、二三日もすりゃ、すぐ楽になるさ。…いや、一週間か?まぁなんでもいいか。おい、部屋行くぞ!」
父ちゃんが風邪でうつるかもしれないから俺には部屋に入るなと言う割りに、かなり長い静養が必要だとか言っていたし、朝っぱらから医者を呼びにいかせられて大変だったし、帰り際に何故か毎日通う事になったから呼びに来いとか言われたけど、まぁ、風邪だよな?
「…アオ鷹……?あ!」
そういっていきなり森の方へ走って言っちまったもんなぁ。驚いたぜ。慌てて追いかけようと思ったけど、獰猛な野生動物が出るっていう森だ。子供の俺がなんとか出来るわけがねぇ。
舌打ちした俺は、それでも森のギリギリの所まで行って、早く帰ってこいと願う。日が暮れ始め、そろそろヤバいと思った俺は、仕方なく屋敷に帰る。どう言い訳しようか考えて屋敷の前でウロウロとしていたら、じきにリュシーが帰って来たから俺は、怒られなくて済むってホッとしたっけな。
ただ、不思議な事に、リュシーがアオ鷹の爪を手に握りしめていたのには驚いた。
アオ鷹の爪は、万能薬らしくそれを削って飲ませると悪い風邪だって死にそうな傷だってすぐに治る優れ物だが、ものすごく凶暴な鷹だと言われているから狩人くらいしか取りにいけないだろうし、薬屋でも高値で取り引きされているって父ちゃんが言ってたんだ。
そんなものを手にしてたんだぜ?どうしてだ!?
共に屋敷に入った俺達は、父ちゃんにどこへ行ってたんだと問われ、俺は口をモゴモゴとするばかりで何て答えようか迷っていたら、リュシーが、
「ねぇオーバン。これアオタカのツメよ。これでお父様、治る?」
と言ったから、
「はぁ!?」
と俺は変な声を出しちまった。父ちゃんは俺の方は見ないで、リュシーの目をじっと見つめていてなぜかニッコリと笑って、
「はい。きっと。さぁ、遅くなりましたからね。先にお風呂にしましょう。マルゴの所へ行きますよ。」
と言ってリュシーを抱きかかえ頭を撫でながら連れて行っちまった。
父ちゃんは時折そうやって甘やかすんだよな、自分の娘じゃないのによ。…そういや、バルテレミー様やマリエット様がリュシーを抱っこしているのを見た事、あったっけ?
まぁ、何にせよ俺としては怒られなくて済んだから良かったけどよ、なんで父ちゃんはリュシーがアオ鷹の爪を持って来た事に平然としてたんだろ?てか、あいつ危ない森の方角へ行ったよな!?入ったんだよな?俺よりも小さいのに一人で行って危なくないのか?てか、誰にもらった?
まぁ、リュシーはそういう不思議な所もあるが、俺が守ってやらねぇとなぁ。貴族だかなんだか知らねぇけど、危なっかしいしいつも動物に話しかけてるから変人っぽいし。両親もお貴族様だからか相手にしてもらってねぇ淋しい奴だからよ。俺が守ってやらねえとな。
仕方ねぇから、将来俺が大きくなったら、嫁にもらってやるよ。俺くらいしか相手にしてやれねぇからな!
父ちゃんは、
「お嬢様であるリュシー様は、我々とは違う感性をお持ちだからな。くれぐれも大切に扱うように。」
って言ってきたがよ、違う感性っていうより、変わり者じゃねぇか?動物に向かってブツブツと独り言いってるんだからよ。あれは、寂しいからか?だったら、俺が相手してやるぜ!あんまし覚えてねぇけど、あいつが生まれた頃から見てるから妹みたいなもんだからな!
「これ、アドン!お前とリュシー様じゃあ立場が違うんだぞ?立場を弁えなさい!」
あーまた父ちゃんに言われちまった…。でもよ、リュシー様なんてこそばゆくて言えねーよ!!
…なんでリュシーってば、俺が話しかけるとすぐ逃げるんだよ!恥ずかしがんじゃねぇよ!動物と一緒じゃねぇか!
動物と話すより、俺と話せばいいのによー!
そういやぁ、俺が五歳位の時も〝危ない森〟にリュシーってば一人走って行きやがって、驚いたな…それでも、どうにか帰ってきたから良かったけど、ビビったぜ。俺と話していていきなりだったから、父ちゃんにバレていたらこっぴどく叱られただろうな…危険な目に合わすなって。ま、結果何事もなく帰ってきたからバレずに済んで良かったけどよ。
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「おい、また動物にブツブツ独り言言ってんのか?バルテレミー様の体調が悪いから淋しいんだろ?俺が相手してやる。部屋にいこうぜ。」
「…いい。」
「遠慮すんなって!どうせ風邪だからって暖かくしてれば治るからよ。アオ鷹の爪があれば楽になるかもしんねぇけど、ま、二三日もすりゃ、すぐ楽になるさ。…いや、一週間か?まぁなんでもいいか。おい、部屋行くぞ!」
父ちゃんが風邪でうつるかもしれないから俺には部屋に入るなと言う割りに、かなり長い静養が必要だとか言っていたし、朝っぱらから医者を呼びにいかせられて大変だったし、帰り際に何故か毎日通う事になったから呼びに来いとか言われたけど、まぁ、風邪だよな?
「…アオ鷹……?あ!」
そういっていきなり森の方へ走って言っちまったもんなぁ。驚いたぜ。慌てて追いかけようと思ったけど、獰猛な野生動物が出るっていう森だ。子供の俺がなんとか出来るわけがねぇ。
舌打ちした俺は、それでも森のギリギリの所まで行って、早く帰ってこいと願う。日が暮れ始め、そろそろヤバいと思った俺は、仕方なく屋敷に帰る。どう言い訳しようか考えて屋敷の前でウロウロとしていたら、じきにリュシーが帰って来たから俺は、怒られなくて済むってホッとしたっけな。
ただ、不思議な事に、リュシーがアオ鷹の爪を手に握りしめていたのには驚いた。
アオ鷹の爪は、万能薬らしくそれを削って飲ませると悪い風邪だって死にそうな傷だってすぐに治る優れ物だが、ものすごく凶暴な鷹だと言われているから狩人くらいしか取りにいけないだろうし、薬屋でも高値で取り引きされているって父ちゃんが言ってたんだ。
そんなものを手にしてたんだぜ?どうしてだ!?
共に屋敷に入った俺達は、父ちゃんにどこへ行ってたんだと問われ、俺は口をモゴモゴとするばかりで何て答えようか迷っていたら、リュシーが、
「ねぇオーバン。これアオタカのツメよ。これでお父様、治る?」
と言ったから、
「はぁ!?」
と俺は変な声を出しちまった。父ちゃんは俺の方は見ないで、リュシーの目をじっと見つめていてなぜかニッコリと笑って、
「はい。きっと。さぁ、遅くなりましたからね。先にお風呂にしましょう。マルゴの所へ行きますよ。」
と言ってリュシーを抱きかかえ頭を撫でながら連れて行っちまった。
父ちゃんは時折そうやって甘やかすんだよな、自分の娘じゃないのによ。…そういや、バルテレミー様やマリエット様がリュシーを抱っこしているのを見た事、あったっけ?
まぁ、何にせよ俺としては怒られなくて済んだから良かったけどよ、なんで父ちゃんはリュシーがアオ鷹の爪を持って来た事に平然としてたんだろ?てか、あいつ危ない森の方角へ行ったよな!?入ったんだよな?俺よりも小さいのに一人で行って危なくないのか?てか、誰にもらった?
まぁ、リュシーはそういう不思議な所もあるが、俺が守ってやらねぇとなぁ。貴族だかなんだか知らねぇけど、危なっかしいしいつも動物に話しかけてるから変人っぽいし。両親もお貴族様だからか相手にしてもらってねぇ淋しい奴だからよ。俺が守ってやらねえとな。
仕方ねぇから、将来俺が大きくなったら、嫁にもらってやるよ。俺くらいしか相手にしてやれねぇからな!
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