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グローリア王国内にて
最高の”マリオネット”
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「それじゃあみんな注目して! 改めてグローリア王国の新しい住民を紹介するわ!」
マリアが元気よく両手を広げた。
「オネット、自己紹介をして」
「え?」
オネットは両目を白黒させた。
「……マルドゥクの手下だったとしか言えないのだが」
「じゃあ、あなたの特技を見せてあげて。”マリオネット”だっけ?」
「暗殺用に磨いたスキルだが、披露していいのか?」
「暗殺に使わなければいいのよ」
マリアはウインクをした。
「人形劇とかやってみて」
「人形劇……人形が見当たらない。生身の人間を使っていいのか?」
「おぅおぅ妙な事を言ってないで俺様に任せな!」
ジャックが割って入った。
「野郎ども、心の準備はいいな! 昔々あるところにミカエルというダンスが大好きな騎士団長がいた。おら、ミカエルを踊らせろ!」
「なんで僕が踊る!?」
ミカエルはその場で激しいステップを踏みながら両手を叩きだした。カルメンを踊っていた。見えない力に両腕と両足を無理やり動かされていた。
「こんなに動かなくてもいいだろ!?」
「ミカエルが楽しそうに踊るのを見ていた犬や猫どもがはしゃぎだしたぜ。おら、適当な動物どもを楽しそうに動かせ! 犬や猫だけじゃなくていいぜ。小石やミカンも忘れるなよ!」
ジャックの指示に従うように、その場にいた犬や猫、大量の小石やミカンがひとりでに宙に浮かび上がった。空中でせわしなく上下する。
ありえない動きに周囲の人間がどよめいた。
「すごい!」
「これが”マリオネット”!?」
ジャックが得意げに胸を張る。
「まだまだこんなもんじゃねぇ! 虹と花火が感動的なフィナーレを飾るんだ。やってみろ、オネット!」
「こうすればいいのか?」
オネットは戸惑いながら色の付いた糸を操った。
細い糸が幾重にも折り重なり、やがて七色に輝く太い弧を描く。
弧の上空では色鮮やかな糸の束が円を描き、キラキラと光りながら儚く散っていく。
美しく、幻想的な景色になっていた。
ジャックは満足そうに頷いた。
「完璧だぜ。夜の方が映えたがな。騎士団長は倒れてもいいぜ」
「いいかげん”マリオネット”をやめろ!」
「みんなが楽しんでいるんだ。もう少し頑張れ」
「きさまぁあああ!」
ミカエルの咆哮はグローリア王国中に響き渡った。
「すごいよ、どうやっているの!?」
無邪気な子供がオネットに話しかける。両目を輝かせる男の子だ。
オネットは気まずそうに視線をそらす。
「俺もここまでできたのは初めてだ」
「どうしてできたの!?」
「なんとなくかな」
オネットがしどろもどろに答えていると、ジャックが親指を立てた。
「何でもできると思えばできるんだ。つまり、ノリだ」
「ノリなんだね、ありがとう!」
男の子は手を振って走り去った。
オネットが苦笑する。
「なんだかとんでもない間違いを犯した気分だ」
「ああ、そうだ。とんでもない間違いをしている。早く僕を止めろ!」
ミカエルが怒鳴るが、ジャックは大笑いをしていた。
「お似合いだぜ、騎士団長」
「僕は業務があるんだ! オネット、珍獣に惑わされずに止めろ!」
オネットは頷いて”マリオネット”を解除した。
辺りは拍手に包まれた。
オネットは両頬を赤らめて軽く礼をした。気恥ずかしそうに頭をかく。
そんなオネットの背中をジャックが叩く。
「最高の”マリオネット”だったぜ。やっぱりてめぇは人を幸せにする力がある。大事にしろよ!」
「ありがとう」
オネットは温かな拍手に包まれながら、照れくさそうに微笑んだ。
マリアが元気よく両手を広げた。
「オネット、自己紹介をして」
「え?」
オネットは両目を白黒させた。
「……マルドゥクの手下だったとしか言えないのだが」
「じゃあ、あなたの特技を見せてあげて。”マリオネット”だっけ?」
「暗殺用に磨いたスキルだが、披露していいのか?」
「暗殺に使わなければいいのよ」
マリアはウインクをした。
「人形劇とかやってみて」
「人形劇……人形が見当たらない。生身の人間を使っていいのか?」
「おぅおぅ妙な事を言ってないで俺様に任せな!」
ジャックが割って入った。
「野郎ども、心の準備はいいな! 昔々あるところにミカエルというダンスが大好きな騎士団長がいた。おら、ミカエルを踊らせろ!」
「なんで僕が踊る!?」
ミカエルはその場で激しいステップを踏みながら両手を叩きだした。カルメンを踊っていた。見えない力に両腕と両足を無理やり動かされていた。
「こんなに動かなくてもいいだろ!?」
「ミカエルが楽しそうに踊るのを見ていた犬や猫どもがはしゃぎだしたぜ。おら、適当な動物どもを楽しそうに動かせ! 犬や猫だけじゃなくていいぜ。小石やミカンも忘れるなよ!」
ジャックの指示に従うように、その場にいた犬や猫、大量の小石やミカンがひとりでに宙に浮かび上がった。空中でせわしなく上下する。
ありえない動きに周囲の人間がどよめいた。
「すごい!」
「これが”マリオネット”!?」
ジャックが得意げに胸を張る。
「まだまだこんなもんじゃねぇ! 虹と花火が感動的なフィナーレを飾るんだ。やってみろ、オネット!」
「こうすればいいのか?」
オネットは戸惑いながら色の付いた糸を操った。
細い糸が幾重にも折り重なり、やがて七色に輝く太い弧を描く。
弧の上空では色鮮やかな糸の束が円を描き、キラキラと光りながら儚く散っていく。
美しく、幻想的な景色になっていた。
ジャックは満足そうに頷いた。
「完璧だぜ。夜の方が映えたがな。騎士団長は倒れてもいいぜ」
「いいかげん”マリオネット”をやめろ!」
「みんなが楽しんでいるんだ。もう少し頑張れ」
「きさまぁあああ!」
ミカエルの咆哮はグローリア王国中に響き渡った。
「すごいよ、どうやっているの!?」
無邪気な子供がオネットに話しかける。両目を輝かせる男の子だ。
オネットは気まずそうに視線をそらす。
「俺もここまでできたのは初めてだ」
「どうしてできたの!?」
「なんとなくかな」
オネットがしどろもどろに答えていると、ジャックが親指を立てた。
「何でもできると思えばできるんだ。つまり、ノリだ」
「ノリなんだね、ありがとう!」
男の子は手を振って走り去った。
オネットが苦笑する。
「なんだかとんでもない間違いを犯した気分だ」
「ああ、そうだ。とんでもない間違いをしている。早く僕を止めろ!」
ミカエルが怒鳴るが、ジャックは大笑いをしていた。
「お似合いだぜ、騎士団長」
「僕は業務があるんだ! オネット、珍獣に惑わされずに止めろ!」
オネットは頷いて”マリオネット”を解除した。
辺りは拍手に包まれた。
オネットは両頬を赤らめて軽く礼をした。気恥ずかしそうに頭をかく。
そんなオネットの背中をジャックが叩く。
「最高の”マリオネット”だったぜ。やっぱりてめぇは人を幸せにする力がある。大事にしろよ!」
「ありがとう」
オネットは温かな拍手に包まれながら、照れくさそうに微笑んだ。
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