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アンカサにて
アンカサ到着
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夕方ごろに、アンカサにたどり着いた。
堅牢な長方形の建物が並んでいる。背の高い建物は王城のみであったが、威圧感のある街並みであった。
王城にはいくつもの砲弾が整備されている。
軍事に資金を惜しみなく投入しているのだろう。
「変わったわね。昔はもっと森林が多かったのに」
馬車を降りて、マリアが呟いた。
木々が並ぶ場所はごくわずかだ。
「虫を取って遊んでいたけど、今はできないわね」
「いつか戦争をするつもりなのかもしれません」
「そうね、ミカエル。気をつけて話をするわ」
マリアと近衛兵を先頭に歩き始める。
マリアたちを見かけた住民たちが、口々に噂話をする。マリアたちには聞こえないような小声だ。
「あれがグローリア王国の魔女?」
「可愛らしいけど、怖いわね」
噂話は続く。
「オネットと組んだらしいな。どいつだ?」
「近衛兵と騎士団長と侍従以外となると……あの派手なシャツの奴か?」
「目立ちすぎるだろ。本当に暗殺者なのか?」
住民たちは互いに顔を見合わせたが、関わり合いを持ちたくないといわんばかりにその場は解散した。
王城に続く跳ね橋の前に、がたいのいい衛兵が二人立っていた。
「ここより先は王族以外の入城は認めぬ。マリア王女と近衛兵と世話役以外は速やかに立ち去れ」
威圧的な態度であった。
世話役とは侍従たちの事だろう。
「なぜ!?」
ミカエルは衛兵に詰め寄った。
「ガルーダ様の命令だ。立ち去れ」
「僕にはマリア王女を守る使命がある!」
「近衛兵がいれば充分である」
マリアが割って入る。
「ミカエルは騎士団長で、いつも私と共にいるべき存在なの。通してあげて」
「ガルーダ様のご命令に逆らうわけにはいきません」
「そう……私からガルーダに直接言うしかなさそうね。絶対に説得するわ!」
マリアは決意を新たにしたようだ。
その様子が、ミカエルにとって不安で仕方ない。
「根拠のない過信は抱かない方がいいのに」
「陰口は聞こえないところでしなさい!」
「失礼しました」
ミカエルは軽く一礼した。
跳ね橋が降ろされる。その先には堅牢な城門がある。
「じゃあね、行ってくるわ。待っててね」
マリアが近衛兵と侍従をつれて入城すると、城門は固く閉ざされた。
ミカエルはオネットに耳打ちする。
「ここだけの話だ。一度しか言わない。よく聞いてほしい。衛兵に化ければ行けると思うのだが、変装はどうすればいいと思う?」
「服装と人相を変えるだけで騙される人間は多いが……ミカエルには無理だと思う」
「無理かどうかは試さないと分からないだろう! マリア王女を守るためならなんだってする!」
「衛兵が聞いているだろう場所で、そんな力説をする時点で場の空気が読めていない」
「場の空気が読めないなど、貴様に言われるとは思わなかった」
ミカエルはこめかみに四つ角が立ったが、怒鳴るのはこらえた。
オネットはアンカサ城とは反対方向に歩き始めた。
「場所を変えてゆっくり話そう」
ミカエルは舌打ちをしてついていく。
「何か考えがあるんだろうな?」
「深い考えはない」
オネットの返答はそっけない。
しばらく歩いたところで突然足を止めた。
「嫌な感じはする」
照りつける太陽は凶暴なほど熱を発している。
風は湿気を帯びてむわっとしていた。
しかし、ミカエルの額に汗が浮かぶ原因は暑い事だけではないだろう。
ミカエルの胸騒ぎは止まらない。
堅牢な長方形の建物が並んでいる。背の高い建物は王城のみであったが、威圧感のある街並みであった。
王城にはいくつもの砲弾が整備されている。
軍事に資金を惜しみなく投入しているのだろう。
「変わったわね。昔はもっと森林が多かったのに」
馬車を降りて、マリアが呟いた。
木々が並ぶ場所はごくわずかだ。
「虫を取って遊んでいたけど、今はできないわね」
「いつか戦争をするつもりなのかもしれません」
「そうね、ミカエル。気をつけて話をするわ」
マリアと近衛兵を先頭に歩き始める。
マリアたちを見かけた住民たちが、口々に噂話をする。マリアたちには聞こえないような小声だ。
「あれがグローリア王国の魔女?」
「可愛らしいけど、怖いわね」
噂話は続く。
「オネットと組んだらしいな。どいつだ?」
「近衛兵と騎士団長と侍従以外となると……あの派手なシャツの奴か?」
「目立ちすぎるだろ。本当に暗殺者なのか?」
住民たちは互いに顔を見合わせたが、関わり合いを持ちたくないといわんばかりにその場は解散した。
王城に続く跳ね橋の前に、がたいのいい衛兵が二人立っていた。
「ここより先は王族以外の入城は認めぬ。マリア王女と近衛兵と世話役以外は速やかに立ち去れ」
威圧的な態度であった。
世話役とは侍従たちの事だろう。
「なぜ!?」
ミカエルは衛兵に詰め寄った。
「ガルーダ様の命令だ。立ち去れ」
「僕にはマリア王女を守る使命がある!」
「近衛兵がいれば充分である」
マリアが割って入る。
「ミカエルは騎士団長で、いつも私と共にいるべき存在なの。通してあげて」
「ガルーダ様のご命令に逆らうわけにはいきません」
「そう……私からガルーダに直接言うしかなさそうね。絶対に説得するわ!」
マリアは決意を新たにしたようだ。
その様子が、ミカエルにとって不安で仕方ない。
「根拠のない過信は抱かない方がいいのに」
「陰口は聞こえないところでしなさい!」
「失礼しました」
ミカエルは軽く一礼した。
跳ね橋が降ろされる。その先には堅牢な城門がある。
「じゃあね、行ってくるわ。待っててね」
マリアが近衛兵と侍従をつれて入城すると、城門は固く閉ざされた。
ミカエルはオネットに耳打ちする。
「ここだけの話だ。一度しか言わない。よく聞いてほしい。衛兵に化ければ行けると思うのだが、変装はどうすればいいと思う?」
「服装と人相を変えるだけで騙される人間は多いが……ミカエルには無理だと思う」
「無理かどうかは試さないと分からないだろう! マリア王女を守るためならなんだってする!」
「衛兵が聞いているだろう場所で、そんな力説をする時点で場の空気が読めていない」
「場の空気が読めないなど、貴様に言われるとは思わなかった」
ミカエルはこめかみに四つ角が立ったが、怒鳴るのはこらえた。
オネットはアンカサ城とは反対方向に歩き始めた。
「場所を変えてゆっくり話そう」
ミカエルは舌打ちをしてついていく。
「何か考えがあるんだろうな?」
「深い考えはない」
オネットの返答はそっけない。
しばらく歩いたところで突然足を止めた。
「嫌な感じはする」
照りつける太陽は凶暴なほど熱を発している。
風は湿気を帯びてむわっとしていた。
しかし、ミカエルの額に汗が浮かぶ原因は暑い事だけではないだろう。
ミカエルの胸騒ぎは止まらない。
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