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何度でもざまぁ
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ロベルタは両頬を赤らめて涙を浮かべた。
嬉しさと愛情がこみ上げて、イケメン以外の景色が色あせて見えていた。
何気なく髪を揺らす風も、大地の良い香りを発する草々も、祝福しているように思える。
自分たちの愛は不滅だと思っていたが、他でもないイケメンが愛を語ると全てが報われる。
ざまぁに明け暮れた日々はよりいっそう輝きを放っているように思えた。
暗雲が羊皮紙を届けると、イケメンはさっそく結婚届を書こうとする。
しかし、ネクラの『絶対離婚』に阻まれているのか、イケメンの握る羽ペンの先は宙を泳ぐ。
離婚調停が記された羊皮紙が、イケメンとロベルタの周囲を禍々しい雰囲気を帯びて飛んでいた。
イケメンは苦悶の表情を浮かべる。
「ロベルタ、一か八か羽ペンにざまぁをしてみて」
「はい! 『ざまぁ』行使」
ロベルタは涙をぬぐってチートスキルを発動させた。
今ほどざまぁを成功させたいと思った瞬間はない。
その想いに打ち震えるように、羽ペンはブルブルした。
イケメンの腕力に対する抵抗は明らかに減っていた。
羽ペンはイケメンから逃れようとするが、イケメンが強引に結婚届にサインをする。
イえメン・オウぢデース
微妙に誤字っていた。
「軽く恥ずかしいね」
「うう……どうしてもイケメン様もざまぁされてしまいますわ」
「チートスキルから嫉妬されているのだろう。美しさは罪だね」
イケメンは髪をかきあげた。
「さぁ、離婚に備えてもっともっと結婚届を書こう」
「はい!」
ロベルタは元気に返事をして、羽ペンに何度もざまぁを行使する。
永遠の愛を確信していた。
そんな二人をネクラは忌々し気に見ていた。
「腹が立ちますね。僕が命がけで手に入れたチートスキル『絶対離婚』を破るなんて」
数羽のカラスと格闘しながら呪文を唱えている。
「あなたたちには意地でも絶望を味わっていただきます。ここはまだ『絶対離婚』のフィールドである事をお忘れなく」
ネクラが呪文を完成させると、宙に現れた黒い魔法陣から一人の男が出現した。
整った顔立ちの茶髪の青年であった。
ロベルタの前世で、婚約破棄を宣言した男と瓜二つであった。
嬉しさと愛情がこみ上げて、イケメン以外の景色が色あせて見えていた。
何気なく髪を揺らす風も、大地の良い香りを発する草々も、祝福しているように思える。
自分たちの愛は不滅だと思っていたが、他でもないイケメンが愛を語ると全てが報われる。
ざまぁに明け暮れた日々はよりいっそう輝きを放っているように思えた。
暗雲が羊皮紙を届けると、イケメンはさっそく結婚届を書こうとする。
しかし、ネクラの『絶対離婚』に阻まれているのか、イケメンの握る羽ペンの先は宙を泳ぐ。
離婚調停が記された羊皮紙が、イケメンとロベルタの周囲を禍々しい雰囲気を帯びて飛んでいた。
イケメンは苦悶の表情を浮かべる。
「ロベルタ、一か八か羽ペンにざまぁをしてみて」
「はい! 『ざまぁ』行使」
ロベルタは涙をぬぐってチートスキルを発動させた。
今ほどざまぁを成功させたいと思った瞬間はない。
その想いに打ち震えるように、羽ペンはブルブルした。
イケメンの腕力に対する抵抗は明らかに減っていた。
羽ペンはイケメンから逃れようとするが、イケメンが強引に結婚届にサインをする。
イえメン・オウぢデース
微妙に誤字っていた。
「軽く恥ずかしいね」
「うう……どうしてもイケメン様もざまぁされてしまいますわ」
「チートスキルから嫉妬されているのだろう。美しさは罪だね」
イケメンは髪をかきあげた。
「さぁ、離婚に備えてもっともっと結婚届を書こう」
「はい!」
ロベルタは元気に返事をして、羽ペンに何度もざまぁを行使する。
永遠の愛を確信していた。
そんな二人をネクラは忌々し気に見ていた。
「腹が立ちますね。僕が命がけで手に入れたチートスキル『絶対離婚』を破るなんて」
数羽のカラスと格闘しながら呪文を唱えている。
「あなたたちには意地でも絶望を味わっていただきます。ここはまだ『絶対離婚』のフィールドである事をお忘れなく」
ネクラが呪文を完成させると、宙に現れた黒い魔法陣から一人の男が出現した。
整った顔立ちの茶髪の青年であった。
ロベルタの前世で、婚約破棄を宣言した男と瓜二つであった。
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