蜜餐〜一途な狼騎士は塩対応の妖精娼婦を堪能する〜

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4 potageースープー

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「オウ……ベッドに仰向けになってもらえますか?」
「っ! あ、ああ」

 名前を呼んだだけなのに、なぜか頬を赤く染めた男がぎこちない動きでベッドに横たわる。
 エレノアは男の両脚を跨いで立膝をつくと、一気に羽を広げた。

(驚いた顔してる……妖精族とセックスするのは初めてかな?)

 自慢の羽は、数少ない常連客からの評判もいい。一見の客も初めは驚いて喜んでくれるので、最初は畳んでおいて、ベッドに上がったタイミングで広げるようにしている。そうすることで、薄暗い照明との相乗効果が生まれて幻想的な雰囲気を演出できるのだ。
 なるべく優美に見えるように羽を動かしながら身体を浮かせ、壁の少し高い所に備え付けられた棚から媚薬成分の入ったローションの小瓶を取る。
 男の目はまだエレノアの羽に釘付けだ。このまま主導権を握ることができれば、男の手練手管に翻弄されることはないだろう。

 トロリとした液体を片手で受け止めて、瓶を元の位置に戻す。両手を擦り合わせてローションを体温で温めながら、男の両脚を跨ぐようにして座り込む。
 目の前に鎮座するのは大柄な男に相応しく、とても立派な陰茎だ。シャワーを浴びた時は半勃ちくらいだったものが、今では竿の部分から血管が浮き出て、天辺から透明な液体が溢れ出している。
 今まで見た中でも一二を争うくらいの大きさにひっそりと息を呑むが、怖気付いている暇はない。幸い、ウマ族のように信じられないほどの長さはないので、挿入時にそこまで秘所が痛むことは無いだろう。

(手でするのは得意だし、ここでどうにか満足度を上げておきたい)

 滑ぬめった両手で陰茎を包み込もうとして指先が触れた瞬間、大げさなくらい男の身体が震えた。目線だけ上げて様子を伺うと、男は両腕を大きく交差させるようにして目元を覆っている。

(どうしたんだろう? さっきまであれだけこっち見てたのに……)

「あの……大丈夫ですか? もしかして手が冷たいですか?」
「う、いや、その……大丈夫だ……何でもない」
「そうですか? 何かあれば仰ってくださいね」
「あ、ああ」

(何でもないって感じじゃないけど……まぁ、様子見しつつ進めよ)

 とりあえず両手でそっと陰茎を包み込んで全体にローションを馴染ませると、左手全体で根本部分を握る。少し力を込めて大きく上下させると、早くも両脚が軽く痙攣し始めた。頑張って声を抑えようとしているのか、くぐもった呻き声まで聞こえてきて少し驚いてしまう。

(もしや早漏……?)

 このまま終わってしまえば確かに楽だが、あまりに早すぎては男の沽券に関わるだろう。
 上下に扱きつつも左手の力を少しだけ弱め、右手で陰嚢いんのうを包んで優しく揉んでみる。脚の痙攣は治おさまったようだが、今度は荒く息を吐いている。それでも先ほどより刺激が弱いためか、男の身体から力が抜けていくのを感じる。
 そのままずっしりと大きな膨らみをゆるゆるマッサージしていると、男の顔を覆っていた手が徐々に緩んでいった。

(めちゃくちゃ気持ち良さそうだなぁ……)

 すっかり上気した頬に潤んだ目。無防備に晒された男の緩み切った顔が視界に入り、そのあまりの蕩けっぷりに感心する。女性経験自体は豊富でも、責められた経験はあまりないのかもしれない。
 先程エレノアに向けた捕食者の目と、責められて快感に潤んだ目。どちらも同じ男のものだとは思えないほど異なる種類の色気を孕んでいる。流石のエレノアも頭がクラクラしそうだ。

(すごいギャップ……そりゃあモテるよね)

 見た目と性格だけでなく、性的な面でもこれだけのギャップを兼ね備えているとなると、エレノアが今まで相手にしてきた客の中でも断トツの危険度と言えるだろう。
 エレノアにも人並みの、いやそれより少しだけ強い性欲があるので、油断するとこの男の色気に当てられてしまいそうになる。魅力を感じない相手なら問題ないのだが、心惹かれた相手と体の関係を持って無関心を貫く自信はない。
 でも仕事に支障はきたしたくないし、実際に好きになるなら地味な男性の方がいい。エレノアには、他の女性との争奪戦や浮気などの心配がない、一途で穏やかな人と安定した関係を築きたいというささやかな夢があるのだ。
 だからこそ、こんなところでこんな危険な男にうっかりときめいている場合ではない。

(そろそろ大丈夫かな?)

 刺激を緩めて扱いていた左手の動きを止め、陰茎の根元を掴む。そして右手の手のひらを裏筋に当てると、擦り付けるように動かす。

「ぐっ、あぁっ……!」

 男の身体が跳ねた。ベッドが大きな音を立てて軋む。

(すっご……今、体ちょっと浮いたよね?)

 とても気持ち良さそうなので、このまま射精してもらおうと手のひらの動きを少しだけ速める。

「はぁ、ぁっ! ぁ”っ! ぅっ、で、る……!」

 間一髪、手のひらで射精を受け止めた。そうしなければ辺り一面大惨事だったかもしれないと思うほど、勢いよく大量の精液が溢れ出している。

(わっ、すごいな……! えっと……流石にちょっと休ませてあげた方がいいかな? でもこの人、体力ありそうだし……放心状態のとこ悪いけどもう一回しようか)

 荒く息をつく男を尻目に、手のひらに飛び散った精液を陰茎に絡ませて、左手で竿を扱く。更に右手で敏感な亀頭とカリを優しく刺激していると、また陰茎が復活した。

(もっと時間かかると思ってたけど……やっぱ絶倫か)

 流石に二回射精させればある程度収まるだろうと信じながら、エレノアは両手を動かし続ける。

「はっ、ふぅ、ふぅ……ぁっ、ダメだ、今は……あっ!」

 涙目で懇願されても止めるわけにはいかない。
 一度絶倫の客を相手にしたことがあるのだが、文字通り朝まで寝ることができなかった。しかも、翌日の筋肉痛が凄まじかったので、それ以来絶倫っぽい客にはある程度手コキで対応し、体力を削る様にしているのだ。
 それに、この男に夜通し抱かれてしまったら筋肉痛だけでは済まない気がする。

「っ、はぁっ、……はぁっ、ぅっ、エリー……っ!」

(うっ、そんな色っぽい声で名前呼ばないでほしい……)

「何ですか?」
「ぁっ、はぁ……、っ、すごく、いい……っ、ぐっ! はぁ、ぁっ……!」
「そうですか。よかったです」

 まさか自己申告されるとは思わなかったので驚いた。それほどまでに気持ちいいのだろうか。
 喜んでもらえて嬉しい様な、あまり喜ばせすぎるとまずい様な、何とも言えない気持ちが胸に渦巻く。

(とりあえずイかせよう)

 気を取り直して両手に集中する。射精しそうなのか、男の腰がひくついているので、竿を扱いている左手にもう少し力を込める。なるべく一定の力とスピードで扱くように意識しながら、男の様子を伺う。

「ぅ”あ”っ、はぁ、ぅ”ぅ”……! ぅっ……、……ん”ぅ”っ!!」

(嘘!? 二度目でこの量……?)

 手のひらで受け止めた精液のあまりの多さに呆然としながら、目を閉じて全身で息をしている男を見つめる。

(流石に疲れたよね? もういっそこれで終わりでもいいよね……?)

 なぜだか身の危険を感じ、手を清めるためと内心で言い訳しながら背を向けて身体を浮かせた瞬間。

「どこにいくんだ?」

 背後から伸びてきた男の逞しい腕に捕らえられていた。

「あ、その……手を洗おうと思いまして」
「ああ、汚してしまったな、すまない」

(謝らなくていいから早く離して……!)

 エレノアの願いも虚しく、腰に纏わりついた男の腕は弱まらない。それどころか、身を捩れば捩るほど強く抱きしめられてしまい、中途半端に身体を浮かせた体勢のまま身動きが取れなくなった。

「はぁ……こんなに気持ち良いのは初めてだ」
「そ、そうですか……」
「エリーの手が俺に触れているだけでも出そうだったのに、あれだけ情熱的に愛してくれるとは」
「は?」
(情熱的に愛すって何……?)

「今度は俺がエリーを気持ちよくする番だな」

 男の言葉を聞いた瞬間、一気に血の気が引く。

(ま、まずくない!? なんか危険度増してない!?) 
「い、いえ、その、私は大丈夫、」
「遠慮するな。全力で愛してやる」

(だから愛すって何ーーー!?)


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