3 / 4
まずはイカの話(3)
しおりを挟む
プレアデス星団人とかプレアデス星人とかで検索して欲しい。縄文時代に地球を訪れて文明を授けてくれたとか、今では子孫が沢山いて芸能人にも何人かプレアデス星人がいるとか、心を改造すれば遠く400光年離れたプレアデス星人と交信できるとか、そんな記事やブログにあふれている。
電波受けちゃっている人間の話はまともに受けとると、こっちまでおかしくなってしまう。私は腹がたってきた。
「あんたさあ、催眠術使って変な洗脳するのやめてくれないかなあ」
僕が抗議するとプレアデス星団人(僕には単に生け贄オジサンに見える)とやらは、肩をすくめた。
「現実をまず認識した方がいい。お前は実際電波を交信しているではないか、と言っても実際は電波では無いがな。だが今は色々説明している時間が無い。ただ素直に私の指示に従って欲しい、でないと世界が終わるのだ」
また世界の終わりだ。なんとも判断し難いが、話を聞くくらいはした方がいいかもしれない。
「これから世界の更新を行う。更新が一旦始まったら、お前が拒否した瞬間に世界が終わると考えて行動してくれ。これから更新に伴うパラメーターの変更画面が現れるが、これは私とお前が同時に行う。基本的には知識の乏しいお前は、私が入力したパラメーターに同意チェックを入れてくれればいい。しかし、お前が決めて私がチェックを入れる場合もある。その場合も私の意見を尊重してくれ」
何だか以前、街でアンケートを受けたら変な販売の勧誘だった事があ るのだが、それに似ている。しかしプレアデス星団人は勧誘どころか極めて強制的だ。僕はこれだけは聞いておきたいと思うことを質問してみた。
「1あなたは神ですか、2なぜ僕なんですか、3世界の終わりとはどうなるのですか」
「1神ではないプレアデスにいる一個人だ、2生け贄のそばにたまたまいたからだ、3世界とは宇宙全体の事だ。物理運動が失われて全ての存在は希薄になり消滅する。4質問はそこまでだ直ちに更新を開始する」
目の前に画像が現れた。ウィンドウズの更新場面がそのままだ。雑に流用している気がする。さっきのイカ太郎といい画像イメージが貧弱過ぎる。
「さあ、次へをタップしたまえ。自分の指でタップすれば良い」
僕はとりあえずタップした。
次に出てきたのはパラメーターによる数値変更画面だった。
「これらは物理定数の変更パラメーターだ。チェックますが2つあるうちの最初のは、私が数値変更した後チェックを入れる。そのあと直ちに続いてお前がチェック入れろ」
プレアデス星団人はそう言うと次々と数値変更とチェック入れを開始した。僕は訳もわからずぼおっとしていた。
「さっさと言われた通りチェックを入れろ。世界が終わっていいのか」
プレアデス星団人が急かしてきた。
「物理定数はいじらない方が・・・物理法則が変わって・・・」
「言いたいことはわかるが仕方ないんだ。さっさと言われた通りにしないと世界がお前のせいで終わってしまうぞ」
仕方ないなら仕方がない。僕はプレアデス星団人の後を追ってチェックを入れていった。全部終わると次の画面に出てきたのはアンケートだった。<あなたは更新されたあとに、どのような世界を望みますか?>と書かれてあり、解答欄枠が上下2つあった。上の欄に見慣れぬ文字が記入されていく。記入しながらプレアデス星団人が促してきた。
「時間が無いからお前もさっさと記入しろ。言っておくが、世界が平和になりますようにとか書くなよ。なるたけ世界に影響無さそうな個人的な事を書け。大金が欲しいもダメだ。経済を動かすと世界への影響がお前の考えるより大きいし、過去にそう書き込むヤツが多くて更新で気に入られなかった」
「気に入られなかったって誰に?」
「説明している暇は無い。あと残り60秒だ。55、54、53・・・」
プレアデス星団人がカウントダウンを始めやがった。僕はテキトーな望みを書き入れた。
「書き入れたら、せーので更新ボタンをタップするぞ。せーの!」
僕は最後にあった更新ボタンを急かされるままにタップした。
電波受けちゃっている人間の話はまともに受けとると、こっちまでおかしくなってしまう。私は腹がたってきた。
「あんたさあ、催眠術使って変な洗脳するのやめてくれないかなあ」
僕が抗議するとプレアデス星団人(僕には単に生け贄オジサンに見える)とやらは、肩をすくめた。
「現実をまず認識した方がいい。お前は実際電波を交信しているではないか、と言っても実際は電波では無いがな。だが今は色々説明している時間が無い。ただ素直に私の指示に従って欲しい、でないと世界が終わるのだ」
また世界の終わりだ。なんとも判断し難いが、話を聞くくらいはした方がいいかもしれない。
「これから世界の更新を行う。更新が一旦始まったら、お前が拒否した瞬間に世界が終わると考えて行動してくれ。これから更新に伴うパラメーターの変更画面が現れるが、これは私とお前が同時に行う。基本的には知識の乏しいお前は、私が入力したパラメーターに同意チェックを入れてくれればいい。しかし、お前が決めて私がチェックを入れる場合もある。その場合も私の意見を尊重してくれ」
何だか以前、街でアンケートを受けたら変な販売の勧誘だった事があ るのだが、それに似ている。しかしプレアデス星団人は勧誘どころか極めて強制的だ。僕はこれだけは聞いておきたいと思うことを質問してみた。
「1あなたは神ですか、2なぜ僕なんですか、3世界の終わりとはどうなるのですか」
「1神ではないプレアデスにいる一個人だ、2生け贄のそばにたまたまいたからだ、3世界とは宇宙全体の事だ。物理運動が失われて全ての存在は希薄になり消滅する。4質問はそこまでだ直ちに更新を開始する」
目の前に画像が現れた。ウィンドウズの更新場面がそのままだ。雑に流用している気がする。さっきのイカ太郎といい画像イメージが貧弱過ぎる。
「さあ、次へをタップしたまえ。自分の指でタップすれば良い」
僕はとりあえずタップした。
次に出てきたのはパラメーターによる数値変更画面だった。
「これらは物理定数の変更パラメーターだ。チェックますが2つあるうちの最初のは、私が数値変更した後チェックを入れる。そのあと直ちに続いてお前がチェック入れろ」
プレアデス星団人はそう言うと次々と数値変更とチェック入れを開始した。僕は訳もわからずぼおっとしていた。
「さっさと言われた通りチェックを入れろ。世界が終わっていいのか」
プレアデス星団人が急かしてきた。
「物理定数はいじらない方が・・・物理法則が変わって・・・」
「言いたいことはわかるが仕方ないんだ。さっさと言われた通りにしないと世界がお前のせいで終わってしまうぞ」
仕方ないなら仕方がない。僕はプレアデス星団人の後を追ってチェックを入れていった。全部終わると次の画面に出てきたのはアンケートだった。<あなたは更新されたあとに、どのような世界を望みますか?>と書かれてあり、解答欄枠が上下2つあった。上の欄に見慣れぬ文字が記入されていく。記入しながらプレアデス星団人が促してきた。
「時間が無いからお前もさっさと記入しろ。言っておくが、世界が平和になりますようにとか書くなよ。なるたけ世界に影響無さそうな個人的な事を書け。大金が欲しいもダメだ。経済を動かすと世界への影響がお前の考えるより大きいし、過去にそう書き込むヤツが多くて更新で気に入られなかった」
「気に入られなかったって誰に?」
「説明している暇は無い。あと残り60秒だ。55、54、53・・・」
プレアデス星団人がカウントダウンを始めやがった。僕はテキトーな望みを書き入れた。
「書き入れたら、せーので更新ボタンをタップするぞ。せーの!」
僕は最後にあった更新ボタンを急かされるままにタップした。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる