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サイゲの森編
0032-1 名無しの意味
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異世界人がこの世界の文明を作るだと?
疑問を覚えるが、今はエルフの事が知りたい・・・。
「ちなみに、皆さんは精霊魔法を使えるのですよね?」
「昔のエルフは森の精霊と共に生きて来ましたが、文明が進むに連れて精霊魔法は廃れて行きました。この里でも精霊魔法を操れるのは、数少ないですよ。」
「では、先程のゴーレムは?」
「あれは通常の魔法です。様々な魔法を組み合わせて動かしていたのです。」
「では、魔法は使えると…?」
「はい。皆、最低、三属性の魔法が使えます。」
「僕たちでも使えるようになりますかね?」
「適正があればですが、魔法は勉学ですので、使えるようになりますよ。」
「長老、他にはエルフの部族はないのですか…?」
「はい。我々の他に2部族、この森に住んでおります。」
「それぞれの部族間でも役割分担があると言うことですか?」
「我々は、肉と衣服を。他部族は野菜と防具を、魚と武器をと別れております。我々はお互いに協力しあって生きているのです。」
「その他の部族の方も、この森に住み込んだのですか?」
「はい。我々は全部で5部族ありました。先の戦争で2部族が全滅、残る我々を含む3部族の生き残りが、この森に逃げ込んだのです。」
中央の火を囲み、エルフ伝統の舞踊や民族楽器の音楽が流れている…。
「あれは800年前の事でした。」
長老は遠い目をしながらポツリ、ポツリと話しだした。
「我々エルフ族が元々住んでいた森を挟んで2つの国がありまして、この国同士は仲が良かったのです。しかし」
「しかし?」
「森の南側の国、エランド王国に異世界人が召喚されました。その異世界人は、頭も良く何より人の心を掴むのが上手かったと聞いております。」
「その異世界人はとても働き者だったと聞いております。ですので、国民の信頼も厚かったのでしょう。」
「ある日、王が自殺をしてしまいます。次期王は異世界人にすると遺言を残してです。」
・・・保険金詐欺みたいなやり口だな。
「王になった異世界人は、「国民に自分は神に選ばれた者だ!よって王国の民達も神の子と思え。この国はこの世界で1番なのだ。」と国民全員に言い含め、他の国を差別するようになって行ったのです。」
それで戦争が、起こった。と言う事か…。
「それは災難でしたね。でも今は落ち着いているんでしょ?」
「はい、この300年は、大きな戦争も起こっていません。」
「そうですか。」それ以上の事を今は聞く気になれなかった。
話題を変えよう・・・。
「この世界に来て不思議に思った事があるのですが。」
「何でございましょうか。」
「何故、名無しの人たちが多いのでしょうか?」
「昔は名前を皆、持っていたのですよ。」と長老が言う。
「でも今は、名無しになってしまいました。」
「どういうことですか?」
「名前は本来、その「物」を現わすための言葉に過ぎません・・・300年前までは。」
「神殿に行けば名前が授かると聞きましたが・・・。」
「いえ、神殿に行くのは女神の加護を受ける為だけです。名前は神殿にある女神像の前で各自で付ける事が許されていたのです。その名前に神の加護が宿るのですよ。」
「何が原因なのですか?」
「例の国王です。」
「自国の民のみが優秀、その為に他国の者全ての名前を魔法で奪ったのです。」
「さらに、女神クリス・サリーナ様の加護をも消したのです。名づけが出来ないようになれば加護を宿せなくなる。そして、その神殿までも消してしまいました。」
「加護を受けることができないのであれば、名前の意味がない。よって、名付けをする習慣がなくなったのですよ。」
「実は、僕はサリーナに頼まれて、この世界にやって来たのです。当然、代わりに名付けや加護を与える権限を持っています。」
「では、我々も名前と女神の加護を頂けるという事ですか?」
「ええ。良ければ明日にでも、全部族を集めてください。」
「ありがたき幸せでございます。」
疑問を覚えるが、今はエルフの事が知りたい・・・。
「ちなみに、皆さんは精霊魔法を使えるのですよね?」
「昔のエルフは森の精霊と共に生きて来ましたが、文明が進むに連れて精霊魔法は廃れて行きました。この里でも精霊魔法を操れるのは、数少ないですよ。」
「では、先程のゴーレムは?」
「あれは通常の魔法です。様々な魔法を組み合わせて動かしていたのです。」
「では、魔法は使えると…?」
「はい。皆、最低、三属性の魔法が使えます。」
「僕たちでも使えるようになりますかね?」
「適正があればですが、魔法は勉学ですので、使えるようになりますよ。」
「長老、他にはエルフの部族はないのですか…?」
「はい。我々の他に2部族、この森に住んでおります。」
「それぞれの部族間でも役割分担があると言うことですか?」
「我々は、肉と衣服を。他部族は野菜と防具を、魚と武器をと別れております。我々はお互いに協力しあって生きているのです。」
「その他の部族の方も、この森に住み込んだのですか?」
「はい。我々は全部で5部族ありました。先の戦争で2部族が全滅、残る我々を含む3部族の生き残りが、この森に逃げ込んだのです。」
中央の火を囲み、エルフ伝統の舞踊や民族楽器の音楽が流れている…。
「あれは800年前の事でした。」
長老は遠い目をしながらポツリ、ポツリと話しだした。
「我々エルフ族が元々住んでいた森を挟んで2つの国がありまして、この国同士は仲が良かったのです。しかし」
「しかし?」
「森の南側の国、エランド王国に異世界人が召喚されました。その異世界人は、頭も良く何より人の心を掴むのが上手かったと聞いております。」
「その異世界人はとても働き者だったと聞いております。ですので、国民の信頼も厚かったのでしょう。」
「ある日、王が自殺をしてしまいます。次期王は異世界人にすると遺言を残してです。」
・・・保険金詐欺みたいなやり口だな。
「王になった異世界人は、「国民に自分は神に選ばれた者だ!よって王国の民達も神の子と思え。この国はこの世界で1番なのだ。」と国民全員に言い含め、他の国を差別するようになって行ったのです。」
それで戦争が、起こった。と言う事か…。
「それは災難でしたね。でも今は落ち着いているんでしょ?」
「はい、この300年は、大きな戦争も起こっていません。」
「そうですか。」それ以上の事を今は聞く気になれなかった。
話題を変えよう・・・。
「この世界に来て不思議に思った事があるのですが。」
「何でございましょうか。」
「何故、名無しの人たちが多いのでしょうか?」
「昔は名前を皆、持っていたのですよ。」と長老が言う。
「でも今は、名無しになってしまいました。」
「どういうことですか?」
「名前は本来、その「物」を現わすための言葉に過ぎません・・・300年前までは。」
「神殿に行けば名前が授かると聞きましたが・・・。」
「いえ、神殿に行くのは女神の加護を受ける為だけです。名前は神殿にある女神像の前で各自で付ける事が許されていたのです。その名前に神の加護が宿るのですよ。」
「何が原因なのですか?」
「例の国王です。」
「自国の民のみが優秀、その為に他国の者全ての名前を魔法で奪ったのです。」
「さらに、女神クリス・サリーナ様の加護をも消したのです。名づけが出来ないようになれば加護を宿せなくなる。そして、その神殿までも消してしまいました。」
「加護を受けることができないのであれば、名前の意味がない。よって、名付けをする習慣がなくなったのですよ。」
「実は、僕はサリーナに頼まれて、この世界にやって来たのです。当然、代わりに名付けや加護を与える権限を持っています。」
「では、我々も名前と女神の加護を頂けるという事ですか?」
「ええ。良ければ明日にでも、全部族を集めてください。」
「ありがたき幸せでございます。」
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