二人の転生伯爵令嬢の比較

紅禰

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とはいえ、そんなカトリーヌのグウェンドリンに対しての当てつけを含めた強がりは新年の舞踏会の当日、グウェンドリンを迎えに来た時のシュヴァルドの手を取り、2人で出立する姿を見たその時にあっさりと崩れ去る。

様々な準備を整えて、ようやく新年を迎えた、舞踏会当日。

シュヴァルドが先に口頭でも手紙でも何時に迎えに行くのかというのを知らせておいてくれていたし、それをグウェンドリンがメイドやマーガレットにも周知させておいたからこそ、余裕を持ってすべての準備を終わらせていた。

少し青みのある、けれど薄く美しい色合いの紫色のドレスを身に纏い、洗髪とトリートメントで美しく仕上げた髪をセットし、うっすらとチークを入れたり、リップの色を自分に合わせたりして選んで使用したメイクを施し、アクセサリーを身に纏えば問題なく美しい令嬢の出来上がり。

出来栄えにマーガレットやメイドたちも満足気で、早くシュヴァルド様は来ないかしら、とグウェンドリン以上に楽しみにしていた。

そしてそんなグウェンドリンと同じころに準備を終えたカトリーヌは、プリンセスラインの白のドレスを着ていた。

デビュタントで白のドレスを選ぶ令嬢も当然いるのだが、カトリーヌの場合はこの新年の舞踏会で攻略対象者を見つけ、そして踊っている時にまさに絵になる様に、踊っている2人が結婚式を挙げたかのようなイメージを周りに持たせられるようにという考えからの白である。

ドレスは純白で、色物は別途でつけるアクセサリー類を除いて一切なし。

カトリーヌがこの時救われたのは、この世界においての純白のドレスに忌避感が強い印象がそれほどない事であった。

日本の白無垢もそうだが、その白無垢が一般的になる前は白は死に装束の色としてあまり受けるものではなかったし、中世のヨーロッパなどにおいても結婚の際の白のドレスは華やかではなく染色などにお金をかけられなかったという印象を付けてしまうことと、汚れやすいという風潮からあまり好まれてはいなかった。

富と権力を象徴するのは、やはり豪奢に彩られた着物やドレス。

なので結婚式で真っ赤で豪華なドレスを着るというような、豪華なカラードレスを身に纏うのが一般的であったのである。

もしもこの世界において純白のドレスにこのような背景の風潮があった場合、カトリーヌは伯爵家にいらぬ貧困の疑いをかけるか、カトリーヌだけを一人冷遇しているような素振りがあるという疑いをかけていたことだろう。

その結果、両親を大激怒させていたに違いない。

鼻歌が聞こえそうなくらいに浮かれている隣室をよそに、グウェンドリンの部屋がノックされる。

「グウェンドリン様、シュヴァルド様がいらっしゃいました」

「分かりました、すぐに行きます」

侍従の言葉に応えて、マーガレットを従えて部屋を出る。

出る前に「行ってらっしゃいませ!」と元気に部屋付きメイドたちが送り出す言葉を礼をしながらつたてくれるので、それに手を振って応えて部屋の外へ出る。

部屋に出て階段を降りようかというところで、カトリーヌも待ちくたびれたのか、グウェンドリンを呼ぶ侍従の声が聞こえたのか、部屋の外へ出てくる。

そして、グウェンドリンの姿に息をのんだ。

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