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「さて、私の妹に求婚してよくもまあ困らせてくれましたね」
「こ、困らせてなど…!」
「カトリーヌは現在、婚約者として定められたブラギ家の令息、スカルド殿と交流を深めている真っ最中。
だというのにこのようなことをして、当家とブラギ家が取り交わした婚約を壊すおつもり?」
笑顔に見えるが迫力があり、次期伯爵家当主として今回のこのはた迷惑な求婚に対して、苦言と苦情、そして相応の対処をすることを決して譲らないというのが、同じような跡継ぎとしての教育を受けている廊下で見ている野次馬たちにはよくわかった。
「で、あなたお名前は?どこの家の令息かしら?」
衆人環視の中で堂々と求婚した割にはグウェンドリンがつらつらと喋り出し、挙句の果てに婚約をなしている家と家の契約をぶち壊す気かと怒気満載の笑顔で言われた令息は、途切れ途切れに自分のフルネームを伝えた。
「ああ、あの伯爵家の…」
令息の家である伯爵家はそれほど付き合いがあるわけではないものの、ぜひ絹の輸送ルートにわが領地をお使いくださいと事業を始めた当初に手紙をもらったところだった。
一部の絹の輸送ルートに使ってはいるものの、現在は某子爵令息をシュヴァルドを通じて輸送に携わらせているので、使用頻度は多くはないし、輸送する量もあまり多くはない。
なので、ぶっちゃけ切ってしまってもいいような輸送ルートの契約であった。
しかも伯爵家の格としても高くはない、むしろ下から数えたほうがいいレベル。
カトリーヌに求婚するにはちょっと無理がある家柄でもあった。
そもそもこの令息は次男坊で跡継ぎでもないので、結婚したところでこちらに旨味が無い。
マジで言うとんのかコイツ、と口は悪いものの内心そんなことをグウェンドリンは思っていた。
多分そのあたりもあってカトリーヌは求婚者に対してすごい顔をしていたのもある。
こいつ正気か?という感情も混じっていたのだろうなと。
ちなみに、「ああ、あの伯爵家」というようなことを言った時のグウェンドリンの顔は、非常にどうでもいいようなものを見る顔だった。
その顔を見た瞬間、目の前のおバカ伯爵令息はともかく、周囲の空気の良く読める、相手の表情を良く読める人間たちは思った。
あれはゴミを見るような眼だと。
ゴミに対して思うことはそう多くはない。
邪魔だな、汚いな、誰か捨ててくれないかな、そんな感じの事だ。
つまり、彼女はその伯爵家の令息を邪魔だと思ったわけである。
そしてそのことをお花畑な伯爵令息が実感したのは、グウェンドリンがとどめの一言だった。
「ひとつ言っておきますけれど、当家のカトリーヌとブラギ家のスカルド殿の婚約に関しては、私の持つ事業に対して王家側が少しでも繋がりを持たせておきたいということで、宰相補佐の家を王家側が選出しているんです。
つまり、あなたは王家が多少なりとも手をまわしている婚約を破談にさせようとしたとも考えられるのですけれど、どうしてくれます?」
ぞっと目の前の令息の顔が青ざめた。
そう、目の前の令嬢は国が最重要と定めているも同然、王妃殿下もお気に入りの絹を取り扱う国内でもとてつもなく人気の事業のオーナー。
流石に王家がその事業に対して王家側の干渉または情報取得のために側近の家の令息を婚約者として選定したというのは初耳の情報だが、それがどう言うことなのか彼は嫌でも分かる。
下手すれば反逆罪に当たる可能性があるのだ。
「こ、困らせてなど…!」
「カトリーヌは現在、婚約者として定められたブラギ家の令息、スカルド殿と交流を深めている真っ最中。
だというのにこのようなことをして、当家とブラギ家が取り交わした婚約を壊すおつもり?」
笑顔に見えるが迫力があり、次期伯爵家当主として今回のこのはた迷惑な求婚に対して、苦言と苦情、そして相応の対処をすることを決して譲らないというのが、同じような跡継ぎとしての教育を受けている廊下で見ている野次馬たちにはよくわかった。
「で、あなたお名前は?どこの家の令息かしら?」
衆人環視の中で堂々と求婚した割にはグウェンドリンがつらつらと喋り出し、挙句の果てに婚約をなしている家と家の契約をぶち壊す気かと怒気満載の笑顔で言われた令息は、途切れ途切れに自分のフルネームを伝えた。
「ああ、あの伯爵家の…」
令息の家である伯爵家はそれほど付き合いがあるわけではないものの、ぜひ絹の輸送ルートにわが領地をお使いくださいと事業を始めた当初に手紙をもらったところだった。
一部の絹の輸送ルートに使ってはいるものの、現在は某子爵令息をシュヴァルドを通じて輸送に携わらせているので、使用頻度は多くはないし、輸送する量もあまり多くはない。
なので、ぶっちゃけ切ってしまってもいいような輸送ルートの契約であった。
しかも伯爵家の格としても高くはない、むしろ下から数えたほうがいいレベル。
カトリーヌに求婚するにはちょっと無理がある家柄でもあった。
そもそもこの令息は次男坊で跡継ぎでもないので、結婚したところでこちらに旨味が無い。
マジで言うとんのかコイツ、と口は悪いものの内心そんなことをグウェンドリンは思っていた。
多分そのあたりもあってカトリーヌは求婚者に対してすごい顔をしていたのもある。
こいつ正気か?という感情も混じっていたのだろうなと。
ちなみに、「ああ、あの伯爵家」というようなことを言った時のグウェンドリンの顔は、非常にどうでもいいようなものを見る顔だった。
その顔を見た瞬間、目の前のおバカ伯爵令息はともかく、周囲の空気の良く読める、相手の表情を良く読める人間たちは思った。
あれはゴミを見るような眼だと。
ゴミに対して思うことはそう多くはない。
邪魔だな、汚いな、誰か捨ててくれないかな、そんな感じの事だ。
つまり、彼女はその伯爵家の令息を邪魔だと思ったわけである。
そしてそのことをお花畑な伯爵令息が実感したのは、グウェンドリンがとどめの一言だった。
「ひとつ言っておきますけれど、当家のカトリーヌとブラギ家のスカルド殿の婚約に関しては、私の持つ事業に対して王家側が少しでも繋がりを持たせておきたいということで、宰相補佐の家を王家側が選出しているんです。
つまり、あなたは王家が多少なりとも手をまわしている婚約を破談にさせようとしたとも考えられるのですけれど、どうしてくれます?」
ぞっと目の前の令息の顔が青ざめた。
そう、目の前の令嬢は国が最重要と定めているも同然、王妃殿下もお気に入りの絹を取り扱う国内でもとてつもなく人気の事業のオーナー。
流石に王家がその事業に対して王家側の干渉または情報取得のために側近の家の令息を婚約者として選定したというのは初耳の情報だが、それがどう言うことなのか彼は嫌でも分かる。
下手すれば反逆罪に当たる可能性があるのだ。
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