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第二章 至分の試練が終わりません
第16話 まだまだ底が見えません
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ベリーヌと配下達が二回目の試練の参加者達を回っているが、ゼファールの時とは違って誰も大きなダメージは受けていないようだ。
一番大きなダメージを受けたタルカスの大盾は、ハイコボルト六人がかりで砦に運び込まれた。
「で、結局、今のタルカスの試練は何だったの?」
ノゾムはナーヴェに問い、ナーヴェが遠話で答える。
「『鉄壁』タルカス殿の試練は、暗黒十二騎士か、魔軍七本槍への挑戦資格をもらうためのものよ。攻撃型というより防御/迎撃型の戦士だから、最初から、暗黒騎士の候補資格が目的だったんでしょうけど。ライザーム様の見立てが、七本槍候補の方なら違うタイプの試練になったんでしょうけどね」
「最後は、クローチの勝ちに見えたけど」
「勝ち負けより、最後までちゃんと意識を保って自力で立ち上がったことが大事だし、奥の手を出して、最後まで戦う姿勢を崩さなかったところが、きっと評価が高かったのね。だから、魔軍の防衛戦の要たる暗黒十二騎士候補の資格を与えられたのよ」
「じゃあ、准魔将に叙するってどういうこと?」
「あれは、儀礼的な叙勲よ」
「魔人級とか魔将級とかへの昇格は、直接の主が認めるものだけど、それだけでは内部では認められても、外部には認知されてない。だから、何らかの戦いに参加して相応の力量を示すか、他所の魔軍や魔将の下へ武者修行に出されるかして、魔人級・魔将級の実力を示したり、実績を積んで、外で認められる必要があるの。特に手元から自立させるとか、自分の後継ぎにしたいとかの場合は、複数の格上の魔将に認められてることは、必須だから」
「タルカス殿は、『三つ星』ダマヤー閣下の配下だから、正式な魔将級の認定をライザーム閣下はできないけど、ここ『一つ星』の砦では魔将級として待遇しますということ。既に『三つ星』からも魔将と認められていれば、これからはどこでも魔将級として認められるってこと」
なるほど、ゼファールやタルカスの主達は、配下を自分の手元から出す前に、ライザームに魔人/魔将級として認知してもらい、魔王城での何らかの称号獲得への挑戦資格を認定してもらうために送られて来たのか。
では、既に魔将級のクルシアスは、さらに上の称号への挑戦なのか?
魔軍七本槍だけじゃなく、暗黒十二騎士の称号も、ライザームは持っている、ということをさらりと言われ、やっとタルカスの試練の宣言の意味がわかる。
「五芒星将、魔軍七本槍、闇の七賢魔、八龍将に暗黒十二騎士、いったい幾つの魔軍の称号を持ってるんだか」
ノゾムは思わず口に出してしまう。
ナーヴェの笑っている雰囲気が伝わり、ポーシュに笑顔がこぼれる。
「自分の試練にふさわしいライザーム様の称号を選んで、その称号に沿った挑戦を選ぶ。それが基礎の基礎だよ。やっと気付けたようで良かった。ノゾムがまだ気付いてなかったらどうしようかと、少し心配していたんだ」
さすがにそこまで心配されると、ちょっと心外だ、とノゾムは思う。おそらく、ポーシュはからかい半分で言っている、と思いたいが。
掠り傷までもベリーヌ達に治療され、クローチやゼルドが戻って来る。
「みんな、強そうでカッコいい二つ名も持ってるんだね。さっき教えてくれてもよかったのに」
「まぁ、至分の試練では、ライザーム閣下に代わっての出番も、各自多いからな」
「ライザーム様の代理で、試練の相手になってる内に付いた二つ名だから、厳密には実戦で証明された強さからの二つ名じゃないって、クローチは名乗らないのよ」
奥ゆかしいというか武骨と言うべきか、クローチは自称はしていないらしい。
「じゃあ実際には幹部全員が、既に魔将級で、二つ名持ちなんだね?」
「チャロとハイトは、まだ正式には魔将に叙されていないけどね」
実質的には二人もそうだ、という回答と考えていいだろう。
魔王領の五つの防衛拠点の一つを任されているのだから、配下に一軍を指揮できる者が複数居て、何の不思議もない。
むしろ、五芒星将の最下位だからと、その辺の想像力を欠いていた自分が情けないとノゾムは素直に反省する。
結果的に、ここを訪れる前にした一行での会話を思い出す。
魔将級が何人もいた場合、どうするのか。
それが四人なら、十分に戦えると思っていた。
しかし、幹部九人が全員魔将級で、その魔将達が心酔する統括者がその上に居るとは、全く想像すらしていなかった。
「ナーヴェとカイトの二つ名ってどんなの?」
「私は『炎狼の魔女』って呼ばれてるらしいわね。カイトは『灰影』。ちなみに、チャロとハイトは、なぜだか二人合わせて『双影牙』って呼ばれてて、一人だと『双影牙』の片割れとか言われてるの、笑えるでしょ?」
「さっき、タルカスとかいう他所の魔将が、クローチやツランを指して言ってた二つ名の話か?」
ゼルドが途中から話に入って来る。
「うん、ゼルドが来る前には、ポーシュ隊長に『見えない壁』とか『東の大楯』とかの二つ名が付いてるって話が、出てたんだけどね」
「やっぱりなぁ。普通に考えれば、長い間この砦の主におさまってる上級魔将の、配下の層がそんなに薄いわけがないよなぁ。王国側に、魔軍との摩擦みたいな緊迫感が無いから、普段から魔軍相手の情報収集が疎かになってるってことだな」
「で、ゼルドの戻りが早過ぎる気がするんだけど、何かあったの?」
「逆だ。何も無いというか、足りない。壊れた魔法の武器防具の数に対して、直せる魔道鍛冶師の数が足りないんだよ。任せられるだけの腕の鍛冶師が二人しか居なくて、二つは預けて来たが、残りを直す目途が立たない。で、思いついたんだ。クローチの黒魔槍・写しは、多分ここで作られたんだから、ここに来れば黒魔槍を扱うのに必要な技量を持った魔道鍛冶師が、最低一人は居る。下手すると、二人以上居るかもしれない」
クローチもツランも沈黙しているし、ノゾムも自分のことは棚に上げて、それは図々しいんじゃないか、と言う思いが頭を過る。
「できますよ。ただし、修理のための魔法金属とか媒介とかの素材は、自分で集めて持って来てもらう必要がありますが」
ポーシュは、事もなげに答える。
「そんなことまで頼んでいいの?」
「ゼルド殿の壊れた武器防具の内、試練に挑んでいる間に壊れた物なら、ライザーム様に申し出れば、お許しが出るでしょう。それ以外の修理は、修理の材料に加えて魔道鍛冶師の工賃が加わります。最近は素材が少ないと言っていたので、修理用の各種素材とか魔法金属を、使用する量の倍くらい提供してもらえば、鍛治師達も満足するかと思いますよ。」
ポーシュは、意味ありげに微笑む。
「ただし、ニー・デ・モアールとの交易の暗黙の了解である、『軍需物資は除く』と言うルールに、抵触スレスレかもしれませんが」
確かに、武器・兵器になる魔法の物品や素材、大量の食糧など軍需物資は、交易品としては禁止されている、と商人達が言っていた気がする。
いや、ちょっと待てよ、とノゾムは何か引っかかる。
「素材の取引は問題ないんですよね? そうでないと、ガーディアンベリーの実こそ上級や最上級のポーションの材料だし、砦から持ち帰った魔物の素材で作った武器防具は、ニー・デ・モアールで冒険者向けの商店で普通に売られているはずだし、両方とも有事になれば、王国軍が軍需品に指定できるわけだし」
「はい、今は戦争状態じゃありませんからね」
仮想敵国ならば、平時でも交易に制限があるはずだが、それも名ばかりで、実質的に無制限となると、一地方都市とは言え魔軍と魔王領を、魔軍の砦の一つだけとは言え人類側の国の一つを、仮想敵国扱いさえしてないということになってしまう。
「リドア王国がノゾムを召喚したと言う事実が、東の砦にとってどういう意味を持つか想像できましたか?」
一番大きなダメージを受けたタルカスの大盾は、ハイコボルト六人がかりで砦に運び込まれた。
「で、結局、今のタルカスの試練は何だったの?」
ノゾムはナーヴェに問い、ナーヴェが遠話で答える。
「『鉄壁』タルカス殿の試練は、暗黒十二騎士か、魔軍七本槍への挑戦資格をもらうためのものよ。攻撃型というより防御/迎撃型の戦士だから、最初から、暗黒騎士の候補資格が目的だったんでしょうけど。ライザーム様の見立てが、七本槍候補の方なら違うタイプの試練になったんでしょうけどね」
「最後は、クローチの勝ちに見えたけど」
「勝ち負けより、最後までちゃんと意識を保って自力で立ち上がったことが大事だし、奥の手を出して、最後まで戦う姿勢を崩さなかったところが、きっと評価が高かったのね。だから、魔軍の防衛戦の要たる暗黒十二騎士候補の資格を与えられたのよ」
「じゃあ、准魔将に叙するってどういうこと?」
「あれは、儀礼的な叙勲よ」
「魔人級とか魔将級とかへの昇格は、直接の主が認めるものだけど、それだけでは内部では認められても、外部には認知されてない。だから、何らかの戦いに参加して相応の力量を示すか、他所の魔軍や魔将の下へ武者修行に出されるかして、魔人級・魔将級の実力を示したり、実績を積んで、外で認められる必要があるの。特に手元から自立させるとか、自分の後継ぎにしたいとかの場合は、複数の格上の魔将に認められてることは、必須だから」
「タルカス殿は、『三つ星』ダマヤー閣下の配下だから、正式な魔将級の認定をライザーム閣下はできないけど、ここ『一つ星』の砦では魔将級として待遇しますということ。既に『三つ星』からも魔将と認められていれば、これからはどこでも魔将級として認められるってこと」
なるほど、ゼファールやタルカスの主達は、配下を自分の手元から出す前に、ライザームに魔人/魔将級として認知してもらい、魔王城での何らかの称号獲得への挑戦資格を認定してもらうために送られて来たのか。
では、既に魔将級のクルシアスは、さらに上の称号への挑戦なのか?
魔軍七本槍だけじゃなく、暗黒十二騎士の称号も、ライザームは持っている、ということをさらりと言われ、やっとタルカスの試練の宣言の意味がわかる。
「五芒星将、魔軍七本槍、闇の七賢魔、八龍将に暗黒十二騎士、いったい幾つの魔軍の称号を持ってるんだか」
ノゾムは思わず口に出してしまう。
ナーヴェの笑っている雰囲気が伝わり、ポーシュに笑顔がこぼれる。
「自分の試練にふさわしいライザーム様の称号を選んで、その称号に沿った挑戦を選ぶ。それが基礎の基礎だよ。やっと気付けたようで良かった。ノゾムがまだ気付いてなかったらどうしようかと、少し心配していたんだ」
さすがにそこまで心配されると、ちょっと心外だ、とノゾムは思う。おそらく、ポーシュはからかい半分で言っている、と思いたいが。
掠り傷までもベリーヌ達に治療され、クローチやゼルドが戻って来る。
「みんな、強そうでカッコいい二つ名も持ってるんだね。さっき教えてくれてもよかったのに」
「まぁ、至分の試練では、ライザーム閣下に代わっての出番も、各自多いからな」
「ライザーム様の代理で、試練の相手になってる内に付いた二つ名だから、厳密には実戦で証明された強さからの二つ名じゃないって、クローチは名乗らないのよ」
奥ゆかしいというか武骨と言うべきか、クローチは自称はしていないらしい。
「じゃあ実際には幹部全員が、既に魔将級で、二つ名持ちなんだね?」
「チャロとハイトは、まだ正式には魔将に叙されていないけどね」
実質的には二人もそうだ、という回答と考えていいだろう。
魔王領の五つの防衛拠点の一つを任されているのだから、配下に一軍を指揮できる者が複数居て、何の不思議もない。
むしろ、五芒星将の最下位だからと、その辺の想像力を欠いていた自分が情けないとノゾムは素直に反省する。
結果的に、ここを訪れる前にした一行での会話を思い出す。
魔将級が何人もいた場合、どうするのか。
それが四人なら、十分に戦えると思っていた。
しかし、幹部九人が全員魔将級で、その魔将達が心酔する統括者がその上に居るとは、全く想像すらしていなかった。
「ナーヴェとカイトの二つ名ってどんなの?」
「私は『炎狼の魔女』って呼ばれてるらしいわね。カイトは『灰影』。ちなみに、チャロとハイトは、なぜだか二人合わせて『双影牙』って呼ばれてて、一人だと『双影牙』の片割れとか言われてるの、笑えるでしょ?」
「さっき、タルカスとかいう他所の魔将が、クローチやツランを指して言ってた二つ名の話か?」
ゼルドが途中から話に入って来る。
「うん、ゼルドが来る前には、ポーシュ隊長に『見えない壁』とか『東の大楯』とかの二つ名が付いてるって話が、出てたんだけどね」
「やっぱりなぁ。普通に考えれば、長い間この砦の主におさまってる上級魔将の、配下の層がそんなに薄いわけがないよなぁ。王国側に、魔軍との摩擦みたいな緊迫感が無いから、普段から魔軍相手の情報収集が疎かになってるってことだな」
「で、ゼルドの戻りが早過ぎる気がするんだけど、何かあったの?」
「逆だ。何も無いというか、足りない。壊れた魔法の武器防具の数に対して、直せる魔道鍛冶師の数が足りないんだよ。任せられるだけの腕の鍛冶師が二人しか居なくて、二つは預けて来たが、残りを直す目途が立たない。で、思いついたんだ。クローチの黒魔槍・写しは、多分ここで作られたんだから、ここに来れば黒魔槍を扱うのに必要な技量を持った魔道鍛冶師が、最低一人は居る。下手すると、二人以上居るかもしれない」
クローチもツランも沈黙しているし、ノゾムも自分のことは棚に上げて、それは図々しいんじゃないか、と言う思いが頭を過る。
「できますよ。ただし、修理のための魔法金属とか媒介とかの素材は、自分で集めて持って来てもらう必要がありますが」
ポーシュは、事もなげに答える。
「そんなことまで頼んでいいの?」
「ゼルド殿の壊れた武器防具の内、試練に挑んでいる間に壊れた物なら、ライザーム様に申し出れば、お許しが出るでしょう。それ以外の修理は、修理の材料に加えて魔道鍛冶師の工賃が加わります。最近は素材が少ないと言っていたので、修理用の各種素材とか魔法金属を、使用する量の倍くらい提供してもらえば、鍛治師達も満足するかと思いますよ。」
ポーシュは、意味ありげに微笑む。
「ただし、ニー・デ・モアールとの交易の暗黙の了解である、『軍需物資は除く』と言うルールに、抵触スレスレかもしれませんが」
確かに、武器・兵器になる魔法の物品や素材、大量の食糧など軍需物資は、交易品としては禁止されている、と商人達が言っていた気がする。
いや、ちょっと待てよ、とノゾムは何か引っかかる。
「素材の取引は問題ないんですよね? そうでないと、ガーディアンベリーの実こそ上級や最上級のポーションの材料だし、砦から持ち帰った魔物の素材で作った武器防具は、ニー・デ・モアールで冒険者向けの商店で普通に売られているはずだし、両方とも有事になれば、王国軍が軍需品に指定できるわけだし」
「はい、今は戦争状態じゃありませんからね」
仮想敵国ならば、平時でも交易に制限があるはずだが、それも名ばかりで、実質的に無制限となると、一地方都市とは言え魔軍と魔王領を、魔軍の砦の一つだけとは言え人類側の国の一つを、仮想敵国扱いさえしてないということになってしまう。
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