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◎二年目、八月の章
■二つの勢力が久遠たち襲いかかってくる
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「あなた、どうして初期装備なの?」
頼果は里奈の装備を見て、ドン引きしている。
「精密のパラメーターしかあげらんないのよ」
里奈は口を尖らせながらも答える。
そういえばいい装備をするなら万遍なくパラメーターをあげる必要がある。頼果はそんなこと当たり前すぎて忘れていた。
通常で考えればパラメーター極振りしてるアバターを有しているプレイヤーなど地雷以外何者でもない。
しかし里奈の封印スキルがそれを完全に補っている。何なら唯一あげられる精密のパラメーターとマッチしているまである。
何せ見る限り相手に当てられれば問題がないのだ。
盾で防ごうが、バリアを張ろうが、相手が投げた武器に当てるでもいい。
とにかく当てれば封印スキルは問答無用で発動する。
ダメージ上限を剥がされて、その間に久遠の尋常でない筋力から繰りだされる一撃で漏れなく敵方のアバターは沈んだ。
敵方から投擲武器が投げられてくれば頼果はそれを扇子で跳ね返す。
いまのところ失敗した試しがない。扇子は魅せ装備なんて言われてるが、それはきっと大半の人間が使えこなせないようにできているせいだからだ。
低レベルからプレイスキル次第で高レベルプレイヤーと張り合える唯一の武器だろう。
ただし頼果には致命的な弱点がある。
ノックバックはダメージ量に比例するからだ。
最終ダメージが削減されてしまう頼果の攻撃ではノックバック効果が必然的に低くなる。ということは彼女の攻撃では相手の隙を作りにくいということになる。
相手が固ければ固いほど頼果にとっては不利に働くのだ。
久遠はというと一万越えのダメージを叩きだしているときは角度によって吹き飛ばしているときもある。
ノックバック効果の高い攻撃は相手の隙を作るうえでも有効だ。逆に効果が低いと相手の攻撃をずっと動きまわりながらかわす必要がある。
裏を返せばかわし続けさえすればいいということになる。
頼果はまさしく舞踊というべき振る舞いで相手の視線を引きつけ、里奈へ向かないように振る舞っていた。
そして攻撃をいなされた瞬間を里奈が投擲武器を当ててスキル封印を発動させる。
封印された者は久遠からの一撃か、相手方の攻撃で倒されていく。
両陣営は久遠たちに攻撃を集中させるが、その数はみるみるうちに減っていく。
「恭司くん、君の報告では蔵脇くんはレベリング以外では役立たずだったね?」
同じくすでに倒された恭二に水呉はその肩にポンと手を置く。
恭司には有貴士団メンバーの教育係を任していた。彼は涙目になってびくついた表情で水呉を見ている。
――なるほど。どうやら自分は人選を間違えたようだなと水呉は反省する。
しかし、まあ、とも考える。
「美しい舞いだ」
彼女は――頼果は気がついているだろうか。心底、楽しんでいる自分の表情を。
あれは居場所を見つけた人間の目だ。
自分の判断として、頼果の脱退を認めたこと。これは間違っていなかったと確信する。
そして有貴士団と暁の団はたった三人のパーティーに敗北したのだった。
頼果は里奈の装備を見て、ドン引きしている。
「精密のパラメーターしかあげらんないのよ」
里奈は口を尖らせながらも答える。
そういえばいい装備をするなら万遍なくパラメーターをあげる必要がある。頼果はそんなこと当たり前すぎて忘れていた。
通常で考えればパラメーター極振りしてるアバターを有しているプレイヤーなど地雷以外何者でもない。
しかし里奈の封印スキルがそれを完全に補っている。何なら唯一あげられる精密のパラメーターとマッチしているまである。
何せ見る限り相手に当てられれば問題がないのだ。
盾で防ごうが、バリアを張ろうが、相手が投げた武器に当てるでもいい。
とにかく当てれば封印スキルは問答無用で発動する。
ダメージ上限を剥がされて、その間に久遠の尋常でない筋力から繰りだされる一撃で漏れなく敵方のアバターは沈んだ。
敵方から投擲武器が投げられてくれば頼果はそれを扇子で跳ね返す。
いまのところ失敗した試しがない。扇子は魅せ装備なんて言われてるが、それはきっと大半の人間が使えこなせないようにできているせいだからだ。
低レベルからプレイスキル次第で高レベルプレイヤーと張り合える唯一の武器だろう。
ただし頼果には致命的な弱点がある。
ノックバックはダメージ量に比例するからだ。
最終ダメージが削減されてしまう頼果の攻撃ではノックバック効果が必然的に低くなる。ということは彼女の攻撃では相手の隙を作りにくいということになる。
相手が固ければ固いほど頼果にとっては不利に働くのだ。
久遠はというと一万越えのダメージを叩きだしているときは角度によって吹き飛ばしているときもある。
ノックバック効果の高い攻撃は相手の隙を作るうえでも有効だ。逆に効果が低いと相手の攻撃をずっと動きまわりながらかわす必要がある。
裏を返せばかわし続けさえすればいいということになる。
頼果はまさしく舞踊というべき振る舞いで相手の視線を引きつけ、里奈へ向かないように振る舞っていた。
そして攻撃をいなされた瞬間を里奈が投擲武器を当ててスキル封印を発動させる。
封印された者は久遠からの一撃か、相手方の攻撃で倒されていく。
両陣営は久遠たちに攻撃を集中させるが、その数はみるみるうちに減っていく。
「恭司くん、君の報告では蔵脇くんはレベリング以外では役立たずだったね?」
同じくすでに倒された恭二に水呉はその肩にポンと手を置く。
恭司には有貴士団メンバーの教育係を任していた。彼は涙目になってびくついた表情で水呉を見ている。
――なるほど。どうやら自分は人選を間違えたようだなと水呉は反省する。
しかし、まあ、とも考える。
「美しい舞いだ」
彼女は――頼果は気がついているだろうか。心底、楽しんでいる自分の表情を。
あれは居場所を見つけた人間の目だ。
自分の判断として、頼果の脱退を認めたこと。これは間違っていなかったと確信する。
そして有貴士団と暁の団はたった三人のパーティーに敗北したのだった。
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