55 / 61
帝国・教国編
帝国の聖女の話ーⅡ(リーゼロッテ視点)
しおりを挟む
見送りにも来てくれたラファエリエに両手を握られ惜しまれつつも、帝国に戻ったわたしは旅の疲れを癒やす意味もあってのんびり過ごした。その内に報告がてら、皇帝に会いに行かないといけないけど書類などの優先すべき物は先に届いてるだろうし、あくまでわたしの所属は帝都の教会。
急に行っても会えないこともあるから、呼ばれるまで行くつもりはなかった。
だから、なのかわからないけど。ぼーっとすることが増えたような気がする。
ふと、窓の外を見つめていると夜で。ふとまばたきをすると、昼になっていて。
気づいたら、時間が経っているのだ。
写していた、聖書のページが増えている。何を自慢しようか、続きを考えていたはずのラファエリエへの手紙も封がされている。目の前にあったはずの食事の皿が、片づけられている。
なのに――その間の“記憶”が、ぽっかり抜け落ちているのだ。
「はぁ・・・」
帝都にある教会の部屋の化粧台、高級品である鏡の前に映る笑顔が――少しだけ、自分のものではない気がした。ラファエリエみたいに、整って見えるのだ。
背に流れる銀髪が淡く輝き、唇の色が薄く、スカイブルーの瞳がどこか霞んでいた。でも、毎日世話を焼いてくれる専属侍女は何も言わない。むしろ誇らしげに髪を整えている。
「さすが聖女様、聖地からお戻りになってから、お顔色がよろしいですね・・・大聖女様へのお手紙も、書き終わっておりましたらお預かりします」
「ええ、速達で出して」
銀髪を丁寧に撫で付ける侍女に手紙を渡せば、一礼して微笑んで去っていく。鏡の中を覗きながら思い出すのは、帝都に戻って2日後の午後のことだった。
**
ー灰色の空の下、軍施設の最奥。
部屋の中央に鎮座していたそれは、直径が人の腰ほどもある黒の金属でできた球だった。
――外のとは違う。これなら、うまくいく。
前に立ち、自然と両手を組んだ。
「ここに聖女様の祝福を、込めていただければ完成です」
そう言ったのは、白髪交じりの公爵、帝国軍総督オルヴァンだ。
その顔はひどく興奮していて、血走った目でこちらを見つめている。
祝福? でも、これは兵器で・・・
確かにわたしは、聖魔法の中でも結界より魔物討伐をする方が得意。だから、魔物の被害がなく、恩恵を受けていない領地の貴族には血塗れた聖女なんて言われたこともある。
ーそれが、ある意味誇りだった。魔物を討伐して、困っている人達を助ける。安全なところでふんぞりかえって口ばっかりの貴族なんかより、よっぽど国の役に立ってると実感が持てたから。
ためらいが喉まで上がりかけたけど、視界の端が光って霞んだ。目を擦ろうとした掌に熱が宿り、魔力が体の奥底からあふれる。
今まで一度も唱えたことのない祈りの言葉が、口からこぼれ出ていた。
・・・後から思えば、それはあの白い間で聞いた声と同じ響きだったかもしれない。
「――大いなる聖祈、耐えて降り注げ・・・付与」
直後、部屋の中に閃光が走る。眼の前の黒球がわたしの魔力を吸い、輝き始めた。
金属の表面に光の糸が何本も走っては消える。求められる通りに、一つひとつ収まる場所に魔力が勝手に置かれていく。
「素晴らしい・・・!」
次に気がついたときには、周りの兵士たち目を見張っていて、オルヴァンの声は歓喜に震えていた。
その顔が、自分が立っている地面がぐにゃりと歪んだ。意識も、同じように揺れて――わたしが目を閉じて、次に開けたときには自室のベッドの上だった。
**
「聖女様、お祈りのお時間です」
声をかけられて、我に返る。いつの間にか部屋の中にいた聖騎士の無表情な顔が、鏡越しにこちらを覗き込んでいた。
「・・・わかった」
手を降って部屋の外で待つように言い、聖書のページを閉じる。
目を閉じて首を横に振り、本を持つ指先が震えていることに気づかないふりをした。
あの球・・・あれは、どうなったんだろう。何に使われるのだろう。いや、これ以上考えては、知ってはいけない気がする。
だって、いつの間にか出来上がっていたもので、わたしには関係ないんだから。
そう思いながら、窓の外に視線をやる。夕暮れの空は目が痛いほどに赤く、教会の離れにある煙突が黒い影を伸ばしているように見えた。
△▼△
この日、わたしは帝都の中央にある城の玉座の前にいた。
城の大広間――研がれた大理石の床には、聖女の法衣を纏う姿が鮮明に映っている。頭上には巨大な天蓋が輝き、深紅の絨毯は皇帝の座へと続く。
「教国との協議をまとめ、よくあの金属を持ち帰ったな、聖女リーゼロッテ。貴殿の果たした功績は大きい」
玉座にもたれて頬杖をついた皇帝が、低く響く声で言った。その目は獣のように鋭く、しかしどこか愉悦を含んでいる。
え、金属って・・・?
思わず問おうとして、口の奥で言葉が溶ける。まるで誰かが舌を掴んで、喉の奥へ押し戻したように。
代わりに、こめかみの奥を針が刺す様な刺激が走った。ツキン、と短い痛み――それだけで、思考が霧に包まれる。
・・・何を、聞こうとしたんだっけ。
気づけば、皇帝は満足げにうなずいていた。
「国のために、よく尽くしてくれた」
「私は、帝国の聖女です。当然のことをしたまでですわ」
反射のように頭を下げる。だけれど、胸の奥にかすかなざらつきが残った。
・・・ただ、あの“後”からずっと、どこかで何かが抜け落ちている。そんなような気がしてならない。
「聖女殿に褒美を取らせよう。何でも望むものを言え」
笑顔とともに告げられた、彼にしては珍しいまでのご機嫌な言葉。
わたしはほんの一瞬、躊躇した。
・・・変、というか、不気味。
煌びやかなホール、褒賞の場にも関わらずなぜかそう思った。
あの日からずっと、落ち着かない。見えないものが背後でざわめいているような、そんな気配がする。
それでも、立ち上がって皇帝に向けた顔には、笑みが浮かんでいた。
「では――わたしのために、小さな聖堂を建ててください。鉱山で祈りを捧げた土地に」
エグバルドの眉が動いた。一瞬の驚き、次いで愉快そうな笑みへと変わる。
「宝石などではなく、国を立て直すきっかけとなった、あの地を記念するか。聖女殿は素晴らしく敬虔だな」
皇帝の指示を受け、玉座の横に控えていた宰相が即座に命令書を記す。それを見届けながら、わたしはほっと息を吐いた。
・・・これで、まだ“聖女”でいられる。そう思うとほんの少し、心が軽くなる。
けれど、その奥底は平穏とは言えなかった。
ラファエリエとの茶会は良かった。大聖女なのに偉ぶらないし、わたしを可愛がってくれたから。
けれど、聖主との謁見。真っ白な部屋に、それ自体が光り輝くような銀の髪と金の目。
軍施設であったことを筆頭に、帰国してから、自分がどこで誰と何をしたのか、鮮明に思い出すことができない。
昨日見た夢は、さらに悲惨だった。ここのところ、同じ悪夢を見ているせいか寝つきも悪いような気もする。
・・・巨大な光柱と、悲鳴。真っ白な光熱に焼かれ、影と灰になって崩れる何か。
そのたびに、わたしは飛び起きて、周囲に変化はないことを確認して、枕を抱いて震えを自覚する。
・・・そして、朝が来るころには忘れてしまう。
「大丈夫・・・わたしには聖主様がついてるんだから」
謁見を終え、城の階段を下りながら唇の端がつぶやく。それに応えるように、通りざまに窓に映り込んだ瞳が黄金に揺らめいた。
それは、ほんの一瞬のことで誰も、リーゼロッテ本人すら気づくことはなかったが・・・その光は確かに、彼と同じ色をしていた。
急に行っても会えないこともあるから、呼ばれるまで行くつもりはなかった。
だから、なのかわからないけど。ぼーっとすることが増えたような気がする。
ふと、窓の外を見つめていると夜で。ふとまばたきをすると、昼になっていて。
気づいたら、時間が経っているのだ。
写していた、聖書のページが増えている。何を自慢しようか、続きを考えていたはずのラファエリエへの手紙も封がされている。目の前にあったはずの食事の皿が、片づけられている。
なのに――その間の“記憶”が、ぽっかり抜け落ちているのだ。
「はぁ・・・」
帝都にある教会の部屋の化粧台、高級品である鏡の前に映る笑顔が――少しだけ、自分のものではない気がした。ラファエリエみたいに、整って見えるのだ。
背に流れる銀髪が淡く輝き、唇の色が薄く、スカイブルーの瞳がどこか霞んでいた。でも、毎日世話を焼いてくれる専属侍女は何も言わない。むしろ誇らしげに髪を整えている。
「さすが聖女様、聖地からお戻りになってから、お顔色がよろしいですね・・・大聖女様へのお手紙も、書き終わっておりましたらお預かりします」
「ええ、速達で出して」
銀髪を丁寧に撫で付ける侍女に手紙を渡せば、一礼して微笑んで去っていく。鏡の中を覗きながら思い出すのは、帝都に戻って2日後の午後のことだった。
**
ー灰色の空の下、軍施設の最奥。
部屋の中央に鎮座していたそれは、直径が人の腰ほどもある黒の金属でできた球だった。
――外のとは違う。これなら、うまくいく。
前に立ち、自然と両手を組んだ。
「ここに聖女様の祝福を、込めていただければ完成です」
そう言ったのは、白髪交じりの公爵、帝国軍総督オルヴァンだ。
その顔はひどく興奮していて、血走った目でこちらを見つめている。
祝福? でも、これは兵器で・・・
確かにわたしは、聖魔法の中でも結界より魔物討伐をする方が得意。だから、魔物の被害がなく、恩恵を受けていない領地の貴族には血塗れた聖女なんて言われたこともある。
ーそれが、ある意味誇りだった。魔物を討伐して、困っている人達を助ける。安全なところでふんぞりかえって口ばっかりの貴族なんかより、よっぽど国の役に立ってると実感が持てたから。
ためらいが喉まで上がりかけたけど、視界の端が光って霞んだ。目を擦ろうとした掌に熱が宿り、魔力が体の奥底からあふれる。
今まで一度も唱えたことのない祈りの言葉が、口からこぼれ出ていた。
・・・後から思えば、それはあの白い間で聞いた声と同じ響きだったかもしれない。
「――大いなる聖祈、耐えて降り注げ・・・付与」
直後、部屋の中に閃光が走る。眼の前の黒球がわたしの魔力を吸い、輝き始めた。
金属の表面に光の糸が何本も走っては消える。求められる通りに、一つひとつ収まる場所に魔力が勝手に置かれていく。
「素晴らしい・・・!」
次に気がついたときには、周りの兵士たち目を見張っていて、オルヴァンの声は歓喜に震えていた。
その顔が、自分が立っている地面がぐにゃりと歪んだ。意識も、同じように揺れて――わたしが目を閉じて、次に開けたときには自室のベッドの上だった。
**
「聖女様、お祈りのお時間です」
声をかけられて、我に返る。いつの間にか部屋の中にいた聖騎士の無表情な顔が、鏡越しにこちらを覗き込んでいた。
「・・・わかった」
手を降って部屋の外で待つように言い、聖書のページを閉じる。
目を閉じて首を横に振り、本を持つ指先が震えていることに気づかないふりをした。
あの球・・・あれは、どうなったんだろう。何に使われるのだろう。いや、これ以上考えては、知ってはいけない気がする。
だって、いつの間にか出来上がっていたもので、わたしには関係ないんだから。
そう思いながら、窓の外に視線をやる。夕暮れの空は目が痛いほどに赤く、教会の離れにある煙突が黒い影を伸ばしているように見えた。
△▼△
この日、わたしは帝都の中央にある城の玉座の前にいた。
城の大広間――研がれた大理石の床には、聖女の法衣を纏う姿が鮮明に映っている。頭上には巨大な天蓋が輝き、深紅の絨毯は皇帝の座へと続く。
「教国との協議をまとめ、よくあの金属を持ち帰ったな、聖女リーゼロッテ。貴殿の果たした功績は大きい」
玉座にもたれて頬杖をついた皇帝が、低く響く声で言った。その目は獣のように鋭く、しかしどこか愉悦を含んでいる。
え、金属って・・・?
思わず問おうとして、口の奥で言葉が溶ける。まるで誰かが舌を掴んで、喉の奥へ押し戻したように。
代わりに、こめかみの奥を針が刺す様な刺激が走った。ツキン、と短い痛み――それだけで、思考が霧に包まれる。
・・・何を、聞こうとしたんだっけ。
気づけば、皇帝は満足げにうなずいていた。
「国のために、よく尽くしてくれた」
「私は、帝国の聖女です。当然のことをしたまでですわ」
反射のように頭を下げる。だけれど、胸の奥にかすかなざらつきが残った。
・・・ただ、あの“後”からずっと、どこかで何かが抜け落ちている。そんなような気がしてならない。
「聖女殿に褒美を取らせよう。何でも望むものを言え」
笑顔とともに告げられた、彼にしては珍しいまでのご機嫌な言葉。
わたしはほんの一瞬、躊躇した。
・・・変、というか、不気味。
煌びやかなホール、褒賞の場にも関わらずなぜかそう思った。
あの日からずっと、落ち着かない。見えないものが背後でざわめいているような、そんな気配がする。
それでも、立ち上がって皇帝に向けた顔には、笑みが浮かんでいた。
「では――わたしのために、小さな聖堂を建ててください。鉱山で祈りを捧げた土地に」
エグバルドの眉が動いた。一瞬の驚き、次いで愉快そうな笑みへと変わる。
「宝石などではなく、国を立て直すきっかけとなった、あの地を記念するか。聖女殿は素晴らしく敬虔だな」
皇帝の指示を受け、玉座の横に控えていた宰相が即座に命令書を記す。それを見届けながら、わたしはほっと息を吐いた。
・・・これで、まだ“聖女”でいられる。そう思うとほんの少し、心が軽くなる。
けれど、その奥底は平穏とは言えなかった。
ラファエリエとの茶会は良かった。大聖女なのに偉ぶらないし、わたしを可愛がってくれたから。
けれど、聖主との謁見。真っ白な部屋に、それ自体が光り輝くような銀の髪と金の目。
軍施設であったことを筆頭に、帰国してから、自分がどこで誰と何をしたのか、鮮明に思い出すことができない。
昨日見た夢は、さらに悲惨だった。ここのところ、同じ悪夢を見ているせいか寝つきも悪いような気もする。
・・・巨大な光柱と、悲鳴。真っ白な光熱に焼かれ、影と灰になって崩れる何か。
そのたびに、わたしは飛び起きて、周囲に変化はないことを確認して、枕を抱いて震えを自覚する。
・・・そして、朝が来るころには忘れてしまう。
「大丈夫・・・わたしには聖主様がついてるんだから」
謁見を終え、城の階段を下りながら唇の端がつぶやく。それに応えるように、通りざまに窓に映り込んだ瞳が黄金に揺らめいた。
それは、ほんの一瞬のことで誰も、リーゼロッテ本人すら気づくことはなかったが・・・その光は確かに、彼と同じ色をしていた。
11
あなたにおすすめの小説
一条さん結婚したんですか⁉︎
あさとよる
恋愛
みんなの憧れハイスペックエリートサラリーマン『一条 美郷(※超イケメン)』が、結婚してしまった⁉︎
嫁ラブの旦那様と毒舌地味嫁(花ちゃん)....とっ!その他大勢でお送りしますっ♡
((残念なイケメンの一途過ぎる溺愛♡))のはじまりはじまり〜
⭐︎本編は完結しております⭐︎
⭐︎番外編更新中⭐︎
旦那様の愛が重い
おきょう
恋愛
マリーナの旦那様は愛情表現がはげしい。
毎朝毎晩「愛してる」と耳元でささやき、隣にいれば腰を抱き寄せてくる。
他人は大切にされていて羨ましいと言うけれど、マリーナには怖いばかり。
甘いばかりの言葉も、優しい視線も、どうにも嘘くさいと思ってしまう。
本心の分からない人の心を、一体どうやって信じればいいのだろう。
独占欲全開の肉食ドクターに溺愛されて極甘懐妊しました
せいとも
恋愛
旧題:ドクターと救急救命士は天敵⁈~最悪の出会いは最高の出逢い~
救急救命士として働く雫石月は、勤務明けに乗っていたバスで事故に遭う。
どうやら、バスの運転手が体調不良になったようだ。
乗客にAEDを探してきてもらうように頼み、救助活動をしているとボサボサ頭のマスク姿の男がAEDを持ってバスに乗り込んできた。
受け取ろうとすると邪魔だと言われる。
そして、月のことを『チビ団子』と呼んだのだ。
医療従事者と思われるボサボサマスク男は運転手の処置をして、月が文句を言う間もなく、救急車に同乗して去ってしまった。
最悪の出会いをし、二度と会いたくない相手の正体は⁇
作品はフィクションです。
本来の仕事内容とは異なる描写があると思います。
溺愛彼氏は消防士!?
すずなり。
恋愛
彼氏から突然言われた言葉。
「別れよう。」
その言葉はちゃんと受け取ったけど、飲み込むことができない私は友達を呼び出してやけ酒を飲んだ。
飲み過ぎた帰り、イケメン消防士さんに助けられて・・・新しい恋が始まっていく。
「男ならキスの先をは期待させないとな。」
「俺とこの先・・・してみない?」
「もっと・・・甘い声を聞かせて・・?」
私の身は持つの!?
※お話は全て想像の世界になります。現実世界と何ら関係はありません。
※コメントや乾燥を受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる