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日常編
服飾師の独白(トレーシー視点)
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白銀の針先が、黒の織布にそっと触れる。針とよく似た銀糸が滑るように引かれてゆき、静かな月光のように淡く輝いている。糸目は細かく、均等に。元からある刺繍の文様と自然につながるように、わずかに角度を調整しながら一針、また一針と進める。
「・・・最高の、上ってあるのな」
ぽつりと独りごちた言葉に、作業部屋の奥、カーテンサッシにぶら下がっている使い魔が一つ欠伸をして、もぞりと羽繕いを始めた。
わかってないくせに、妙に気取った反応をするやつだ。
普段なら、気にもとめないようなその動きにも過敏に反応するくらい、今の俺は仕上がっていた。
作業台の上、手の中にあるのは宣言前に依頼されて必死に仕立てたウエディングドレス。俺の最高傑作。作った当初は純白だったが、実験に実験を重ねて作った生地は陛下の魔力により反転し、現在は漆黒のイブニングドレスと化している。
布地は深く暗く夜空のようで、そこに浮かぶ銀糸の文様は星々の航路にも似ている。複雑で、それでいてどこか優しく気品に満ちた意匠。これを初めて完成させたときの気持ちは、今でも忘れていない。
だが─今の俺は、それをさらに手直ししている。
「うぉ、っと・・・」
思考に気を取られ、うっかり針が指先をかすめた。針は総オリハルコン製で、先日陛下から下賜されたもの。長年愛用してきたミスリル針から一新されたばかりのその威力たるや、察して余りある。
当然、このドレスに針を通す前に3着は作った。でないと御しきれない、そんなじゃじゃ馬っぽいところも愛おしい。気を抜くと、俺の指の方が勝手に動かされているような錯覚を覚える、素晴らしい一品だ。
ほんと、部下の悦ばせ方をよくわかっている。世間的には孤高の魔王というイメージが付き纏うが、忠臣にまでのぼり詰めさえすれば、狂信者が増える一方なのも納得だ。
「・・・まったく、運がいいのか悪いのか」
絶対に失敗できない俺は、慌ててタオルで手を拭いながら苦笑を漏らしていた。
脳裏に浮かぶのは、数日前。このドレスを試着したミュリエル様が、なかなか更衣室から出てこなかったときのこと。
心配げな侍女に促されても気配は変わらず、珍しく返事もなく。偶然様子を見に来た陛下が、控えめに・・・正直、俺の目にはほぼ踏み込む勢いだったが・・・カーテンを開いた、その瞬間。
びたり、と時が止まった。
・・・俺からしてみれば、ドレスのサイズが合わなくなっていたのは当然だ。数年という時間、そして何より陛下の寵愛により、ミュリエル様は初めて会った時よりずっと健やかになっていたから。身体つきも柔らかく女性らしい丸みが増し、背もまあまあ伸びた。最新の採寸表からもそれは明らかで、それでも小柄なのは彼女の血筋だろう。
とにかく、成長著しいはずなのにドレスは宣言のときのまま。だから当然、丈も足りず、胸元も危うい。
・・・プレゼントボックスの紐を解いたら、絶妙なバランスで弾けんばかりにパンパンに詰まってた。例えるならそんな感じだろう。
そして、中身を見た者に清楚な色気というか、自らの色に染めて穢したくなる願望を抱かせる。紫の大きな垂れ目を持ち、全体的に色味の薄い彼女ゆえなんだろうけど、本当に罪作りな人だ。
けれども本人にその自覚は微塵もなく、ただドレスの裾が足りないので立ち上がることも、カーテンを開けることも、声に応えることもできず目元を潤ませて震えていただろうさ。
・・・言っとくけど、俺はマジで見てないからな。けど、想像に難くない。十中八九、合ってる。
ちなみに、陛下はカーテンを開けてからきっちり3分間。まるで石像のように動かなかった。
「ア、ル・・・?」
最愛の人に呼びかけられて初めて、彼の時が戻る。
その瞬間、陛下は着ていた濃紺の上着で彼女の頭から上半身にかけてを一寸の漏れなく包み込み、胸に抱き留めて部屋を後にする。
ーミュリエル様、素足なんだが。
スカートの裾からちらちら見えているそれを、親切心で部屋を出る前に指摘しようとしたその直前。
踵を返され古語で発された声は、一瞬だけ向けられた視線は、背筋を凍らせるような迫力を帯びていて。
『・・・何も、見ていないな?』
『はい、我が王』
もちろん、俺はすぐさま平伏して答えた。
やべぇよマジで地雷踏むとこだった。久しぶりに感じた生命の危機。あれは冗談抜きで魂が飛ぶかと思ったわ。
それでも、魔王としての責務から色々言われがちなアルディオスが情に溢れる所も、ただ1人を際限なく大切に想う在り方も、微笑ましくてたまらない。
だからこそ、ここで俺は針を握っている。
2人の思い出(と1人の重い想い)が詰まったこのドレスを、今のミュリエル様にふさわしい姿へと仕立て直すために。
まずは裾だ。以前の丈ではもう短すぎる。スカートの足りない部分には、折り返してあった裾を下ろすと同時に、かつてこのドレスに合わせて織らせた薄手のレースを選んだ。
数年前の俺、グッジョブ。備えあれば嬉しいな、なんつって。
レースは職人の手作りで、細かな模様があしらわれていて照明の柔らかな光を受けている。もちろん、刺繍の糸は銀色。みなまで言わせんな。
今やっているのは、既存の文様に馴染むよう新たな装飾を継ぎ足す作業。織りのリズムを乱さぬよう、滑らかに、優雅に。布地と糸とが、まるで新しい音楽を奏でるように。
「これはこれでいい・・・むしろ、良すぎる・・・」
思わず独り言が漏れた。こうしていると、いつの間にか作業に没頭して下手すりゃ寝食を忘れる。
ああ、やっぱり俺は服飾師なんだ、これこそが天職なんだと改めて思う。また、この在り方を認めてくれた陛下に敬愛を1つ。
ティアラには手を加えない。数少ない女性のハイドワーフに作らせただけあって、あれは完璧だ。小さく控えめで、それでいて可憐な存在感を放っている。まさにミュリエル様のための品。
だが、ベールは少々調整が必要だった。背も髪も伸びた分、既存の長さではバランスが悪い。数センチだけ裾を伸ばし、その先端に黒糸で新たに縁飾りを施す。控えめで、しかし確実に『見えにくい神秘』を感じさせる一手。
針を進めながら、俺の中には不思議な熱が宿っていた。いつぶりだろう、こんなにも心躍る仕事は。
それこそ、彼女が城に来てから何着も作った。陛下とミュリエル様の、限られし者しか気づけない揃いのものも全部楽しかった。
だけれど今、俺は過去一で高揚を感じている。
「・・・また、笑ってくれるといいなぁ」
宣言のとき、最高に幸せだったはずのミュリエル様は、ほんの少しの戸惑いも持っていた。微笑んでいても、どこか自信が足りないように見えた。
ー俺は、城に来るまでの彼女の過去は知らない。予想はできても、知る必要はない。彼女の全ては、陛下だけのものだから。
それでも城に来て数年、ミュリエル様は自然であたたかな笑顔が増え、優しい声もはっきりと届くようになった。ああいうのが、魅力ってやつだろう。老若男女を虜にしてやまない、人の良さがにじみ出ている。
好きな刺繍に取り組むとき、自ら考えた図案をおずおずと差し出すとき。彼女らしさを知るたびにその技量に、思慮深さに惚れ込み、服飾師として尊敬を覚える。
あれは、間違いなく陛下のおかげだ。そして・・・何より、ミュリエル様自身の努力の賜物だ。
「ふぅ・・・陛下御用達のプライドにかけて、抜かりはないようにしないとな」
再び銀糸をすくい上げながら、作業机に広げられたドレスを見つめる。黒い生地に浮かぶ銀の刺繍は、まるで星座だ。ミュリエル様がこの空を纏い、陛下の隣に立つ。その姿はきっと、誰の目にも『2人で1つ』だと映るに違いない。
瞬間、俺は頭を抱えた。くしゃりと、ポニーテールを崩す。
「う、わー・・・なんで今なんだよ」
ふと我に返る。やべぇ思いついちまった・・・今朝返したばかりの陛下の正装、どうにかバレずに預かってこられねぇかな。最悪上着だけでも。
・・・しゃーない。普段睨まれてる宰相に、頭でも下げてみるか。
ノックの音がして、扉の向こうからドレスを持ってきたお付きの侍女の声が聞こえた。進捗状況と、受け渡しの確認だろう。もうすぐ仕上がると伝えて、最後の一針を手に取る。
服飾師として、2人のファンとして。俺は腕を振う。この1着が、再び幸せの象徴となるように願って。
ーーーーーーーーーー
ちなみに、宰相との交渉は彼のフォーマルベストへの刺繍と引き換えで通ったそうです。
「・・・最高の、上ってあるのな」
ぽつりと独りごちた言葉に、作業部屋の奥、カーテンサッシにぶら下がっている使い魔が一つ欠伸をして、もぞりと羽繕いを始めた。
わかってないくせに、妙に気取った反応をするやつだ。
普段なら、気にもとめないようなその動きにも過敏に反応するくらい、今の俺は仕上がっていた。
作業台の上、手の中にあるのは宣言前に依頼されて必死に仕立てたウエディングドレス。俺の最高傑作。作った当初は純白だったが、実験に実験を重ねて作った生地は陛下の魔力により反転し、現在は漆黒のイブニングドレスと化している。
布地は深く暗く夜空のようで、そこに浮かぶ銀糸の文様は星々の航路にも似ている。複雑で、それでいてどこか優しく気品に満ちた意匠。これを初めて完成させたときの気持ちは、今でも忘れていない。
だが─今の俺は、それをさらに手直ししている。
「うぉ、っと・・・」
思考に気を取られ、うっかり針が指先をかすめた。針は総オリハルコン製で、先日陛下から下賜されたもの。長年愛用してきたミスリル針から一新されたばかりのその威力たるや、察して余りある。
当然、このドレスに針を通す前に3着は作った。でないと御しきれない、そんなじゃじゃ馬っぽいところも愛おしい。気を抜くと、俺の指の方が勝手に動かされているような錯覚を覚える、素晴らしい一品だ。
ほんと、部下の悦ばせ方をよくわかっている。世間的には孤高の魔王というイメージが付き纏うが、忠臣にまでのぼり詰めさえすれば、狂信者が増える一方なのも納得だ。
「・・・まったく、運がいいのか悪いのか」
絶対に失敗できない俺は、慌ててタオルで手を拭いながら苦笑を漏らしていた。
脳裏に浮かぶのは、数日前。このドレスを試着したミュリエル様が、なかなか更衣室から出てこなかったときのこと。
心配げな侍女に促されても気配は変わらず、珍しく返事もなく。偶然様子を見に来た陛下が、控えめに・・・正直、俺の目にはほぼ踏み込む勢いだったが・・・カーテンを開いた、その瞬間。
びたり、と時が止まった。
・・・俺からしてみれば、ドレスのサイズが合わなくなっていたのは当然だ。数年という時間、そして何より陛下の寵愛により、ミュリエル様は初めて会った時よりずっと健やかになっていたから。身体つきも柔らかく女性らしい丸みが増し、背もまあまあ伸びた。最新の採寸表からもそれは明らかで、それでも小柄なのは彼女の血筋だろう。
とにかく、成長著しいはずなのにドレスは宣言のときのまま。だから当然、丈も足りず、胸元も危うい。
・・・プレゼントボックスの紐を解いたら、絶妙なバランスで弾けんばかりにパンパンに詰まってた。例えるならそんな感じだろう。
そして、中身を見た者に清楚な色気というか、自らの色に染めて穢したくなる願望を抱かせる。紫の大きな垂れ目を持ち、全体的に色味の薄い彼女ゆえなんだろうけど、本当に罪作りな人だ。
けれども本人にその自覚は微塵もなく、ただドレスの裾が足りないので立ち上がることも、カーテンを開けることも、声に応えることもできず目元を潤ませて震えていただろうさ。
・・・言っとくけど、俺はマジで見てないからな。けど、想像に難くない。十中八九、合ってる。
ちなみに、陛下はカーテンを開けてからきっちり3分間。まるで石像のように動かなかった。
「ア、ル・・・?」
最愛の人に呼びかけられて初めて、彼の時が戻る。
その瞬間、陛下は着ていた濃紺の上着で彼女の頭から上半身にかけてを一寸の漏れなく包み込み、胸に抱き留めて部屋を後にする。
ーミュリエル様、素足なんだが。
スカートの裾からちらちら見えているそれを、親切心で部屋を出る前に指摘しようとしたその直前。
踵を返され古語で発された声は、一瞬だけ向けられた視線は、背筋を凍らせるような迫力を帯びていて。
『・・・何も、見ていないな?』
『はい、我が王』
もちろん、俺はすぐさま平伏して答えた。
やべぇよマジで地雷踏むとこだった。久しぶりに感じた生命の危機。あれは冗談抜きで魂が飛ぶかと思ったわ。
それでも、魔王としての責務から色々言われがちなアルディオスが情に溢れる所も、ただ1人を際限なく大切に想う在り方も、微笑ましくてたまらない。
だからこそ、ここで俺は針を握っている。
2人の思い出(と1人の重い想い)が詰まったこのドレスを、今のミュリエル様にふさわしい姿へと仕立て直すために。
まずは裾だ。以前の丈ではもう短すぎる。スカートの足りない部分には、折り返してあった裾を下ろすと同時に、かつてこのドレスに合わせて織らせた薄手のレースを選んだ。
数年前の俺、グッジョブ。備えあれば嬉しいな、なんつって。
レースは職人の手作りで、細かな模様があしらわれていて照明の柔らかな光を受けている。もちろん、刺繍の糸は銀色。みなまで言わせんな。
今やっているのは、既存の文様に馴染むよう新たな装飾を継ぎ足す作業。織りのリズムを乱さぬよう、滑らかに、優雅に。布地と糸とが、まるで新しい音楽を奏でるように。
「これはこれでいい・・・むしろ、良すぎる・・・」
思わず独り言が漏れた。こうしていると、いつの間にか作業に没頭して下手すりゃ寝食を忘れる。
ああ、やっぱり俺は服飾師なんだ、これこそが天職なんだと改めて思う。また、この在り方を認めてくれた陛下に敬愛を1つ。
ティアラには手を加えない。数少ない女性のハイドワーフに作らせただけあって、あれは完璧だ。小さく控えめで、それでいて可憐な存在感を放っている。まさにミュリエル様のための品。
だが、ベールは少々調整が必要だった。背も髪も伸びた分、既存の長さではバランスが悪い。数センチだけ裾を伸ばし、その先端に黒糸で新たに縁飾りを施す。控えめで、しかし確実に『見えにくい神秘』を感じさせる一手。
針を進めながら、俺の中には不思議な熱が宿っていた。いつぶりだろう、こんなにも心躍る仕事は。
それこそ、彼女が城に来てから何着も作った。陛下とミュリエル様の、限られし者しか気づけない揃いのものも全部楽しかった。
だけれど今、俺は過去一で高揚を感じている。
「・・・また、笑ってくれるといいなぁ」
宣言のとき、最高に幸せだったはずのミュリエル様は、ほんの少しの戸惑いも持っていた。微笑んでいても、どこか自信が足りないように見えた。
ー俺は、城に来るまでの彼女の過去は知らない。予想はできても、知る必要はない。彼女の全ては、陛下だけのものだから。
それでも城に来て数年、ミュリエル様は自然であたたかな笑顔が増え、優しい声もはっきりと届くようになった。ああいうのが、魅力ってやつだろう。老若男女を虜にしてやまない、人の良さがにじみ出ている。
好きな刺繍に取り組むとき、自ら考えた図案をおずおずと差し出すとき。彼女らしさを知るたびにその技量に、思慮深さに惚れ込み、服飾師として尊敬を覚える。
あれは、間違いなく陛下のおかげだ。そして・・・何より、ミュリエル様自身の努力の賜物だ。
「ふぅ・・・陛下御用達のプライドにかけて、抜かりはないようにしないとな」
再び銀糸をすくい上げながら、作業机に広げられたドレスを見つめる。黒い生地に浮かぶ銀の刺繍は、まるで星座だ。ミュリエル様がこの空を纏い、陛下の隣に立つ。その姿はきっと、誰の目にも『2人で1つ』だと映るに違いない。
瞬間、俺は頭を抱えた。くしゃりと、ポニーテールを崩す。
「う、わー・・・なんで今なんだよ」
ふと我に返る。やべぇ思いついちまった・・・今朝返したばかりの陛下の正装、どうにかバレずに預かってこられねぇかな。最悪上着だけでも。
・・・しゃーない。普段睨まれてる宰相に、頭でも下げてみるか。
ノックの音がして、扉の向こうからドレスを持ってきたお付きの侍女の声が聞こえた。進捗状況と、受け渡しの確認だろう。もうすぐ仕上がると伝えて、最後の一針を手に取る。
服飾師として、2人のファンとして。俺は腕を振う。この1着が、再び幸せの象徴となるように願って。
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