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帝国・教国編
皇帝の話(エグバルド視点)
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帝国の皇帝であるエグバルド・ハーケン視点。
ーーーーーーーーーー
俺は普通の家に生まれた。両親は健在で、父は石工、母は縫い物をしていた。2人分の稼ぎで兄弟は他におらず、最低限の衣食は保たれていた。
だが、俺の目にはいつも足りないものばかりが映っていた。隣の家の子が新しい靴を履いていれば、俺の革靴は何度も直した裂けかけ。市に出れば、金貨1枚で買われていく宝石や絹布を、ただ見ているしかなかった。
思い起こせば当時から今に至るまで。俺が欲しかったのは金そのものじゃない。店の中、もしくは奥に隠されている品々を手に取り、選び、やり取りする自由だ。
俺にとってこの世は『与えられるもの』ではなく『自分で掴むもの』に意義があるように見えていた。
15の頃、俺は町一番の商店に弟子入りを願い出た。名のある商人の店で、香辛料から布地、果ては異国から仕入れる薬草まで扱っていた。主人は俺を一瞥し、値踏みするように睨みつけた。
「働きたいのか、それとも盗みたいのか?」
「学びたい。物とヒトの価値を。その上であんたから業を盗みたい」
俺は相手を見据えて、一歩も引かずに答えた。主人は無言で頷き、その日から下働きとして帳場の隅に座らされることになった。
一番最初に教わったのは、『品より人を見ろ』だった。
商人にとって物の値打ちはもちろん大事だが、それ以上に大切なのは買い手と売り手がどれだけ必要だと錯覚するかだそうだ。
売り手の方もか、と疑問に思ったものだが、本心から思わない限り信用されないと頭をはたかれた。
観察を続ければ・・・裕福な貴婦人は布地の産地や手触りなんて分からなくても、流行りだと聞けば金を積む。農夫は塩一袋を命より重く扱うが、彼の妻は同じ袋を針や布に替えようと交渉してくる。
ヒトは面白いほど違い、そして弱い。そのうちに、俺は客を見極めるコツを覚えた。
顔色、声の調子、手の動き。何を欲しがり、どこで譲歩するか。
時には何も売らず、ただ世間話をする。すると後日、その客は『無理に押し売りをしない、あの店なら信用できる』と戻ってくるのだ。
そうして信頼を勝ち得て、来るべき大きな取引に繋げるのだ、と主人は言った。
俺は記憶する。すべての仕草を、癖を・・・そして気づいた。
ヒトは物よりも『期待』を買っている。それを操ることができれば、物の真価などどうでもよかったのだと。
△▼△
年月が経ち、俺は1人で取引を任されるようになった。初めての商いで俺は、相手の目をじっと見て思った。
―こいつは自分を騙してほしがっている。だから俺は少し大げさに塩の質を語り、初めて仕入れた産地だと吹聴した。
机上に、銀貨が積まれる。相手は満足げな表情で、俺の懐にも利益が残る。
俺が初めて、ヒトを動かした瞬間だった。
店の主人から学びと盗みを終えた俺は、町を出る決意をした。
もっと多くの物を、もっと多くの人を動かしたい。町一つを満たすだけでは足りない。もっと大きな舞台があるはずだ、と。
だが、出立の日に見送る者は誰もいなかった。
2,3年前に流行り病が町を襲い、父も母もあっけなく倒れていたからだ。仕入れの仕事で家を空けることが多かった俺は、看病する暇も与えられず、2人ともただ静かに息を引き取った。
泣かなかった。いや、泣くという発想そのものが湧かなかった。
ただ、二人の墓標の前で思った。
――ヒトの命は、時に物よりも軽い。だが、物を動かす力を持った人間はそう簡単に死なない。
そうだ。俺がそうなればいい。
振り返らず町を出ていく背中には、背負う荷物よりも重い欲があった。
もっと多くを見たい。もっと高くに登りたい・・・動かせるものが、この世のすべてになるまで。
△▼△
俺は、帝都で自分の店を構えて商いを重ねた。
ここでは規模も速度も桁も、何もかもが違う。金貨が動くたびに町一つ分の人間が笑い、あるいは泣く。俺はそこに快感を覚えた。もっと多く、もっと高く・・・その欲は膨らむ一方だった。
そしてある日気づいた。この国で一番大きなものを動かすには、皇帝になればいいと。
当時の皇帝はすでに老いぼれ、政務も満足にこなせず、権力は腐った貴族どもに食い荒らされていた。俺はその隙間に入り込んだのだ。
商人の顔で取り入り、金で取り巻きを囲い込み、貴族同士の争いには仲裁者として立ち回る。誰が何を欲しているかは、すべて顔に書いてあった。俺にとっては帳簿を読むより簡単なことだ。
やがて先代が病に伏し、俺は最も穏便な候補として担ぎ上げられた。
そのとき俺は三十を少し過ぎたばかり。
玉座に座り、玉璽を握った瞬間――これでこの国すべてが俺の商いの机の上に並んだ、と。
・・・だが初めて見る紙の上の国は、見事に腐りきっていた。
ー財政は赤字、軍は形ばかり、貴族どもは脂肪と宝飾で動けもしない。
だから俺はまず、地方にあるハゲ山を掘らせた。草木も生えぬ不毛の山と呼ばれ、地元住民はおろか獣すら近づかない山脈を。
そして出てきたのは、大量の魔石。理由はなんてことのない、過去にその地において国同士の大規模な戦争があり、多くの魔法使いが死んだ。山はその古戦場だったわけだ。
魔石は一夜にして俺の財源となり、国の骨格を変える資源となった。
魔石を用いた武具と魔具、機械を導入し、軍をイチから鍛え直す。特に武家には受け入れられ、実力の無い者は排除されていく。
だが、鉱山はいつか掘り終える。定期収入は、財源はどうする?
簡単だ。国民全員から税を取る・・・ただし、ぶくぶく肥えた豚ども――旧来の貴族には平民とは比べ物にならないほどの贅沢税をむしり取った。
当然、反発した者は粛清した。その血が謁見の間を穢しても、俺の感情は1ミリも動かない。むしろスッとしたものだ。
なぜなら、国全体の動きは確実に軽く、早くなっていたから。ぜい肉を削いだ後の身体のように。
いつの頃からか、民は俺を『改革の皇帝』と呼んだ。
好きに呼べばいい。俺にとっては、ただ自分の手の内を広げただけのことだ。動かすものの規模が、商店や町から国家に広がったにすぎない。
次に欲しくなったのは――『遠距離の力』だった。
帝国は天然の要塞だ。国境はすべて山か森で、守るには良いが攻めるには不向き。
だがもし、帝都にいながら他国を攻めることができるのなら?
侵略の軍勢など出さずとも、存在そのものが威圧となる。
それは兵ではなく、仕組みによる国防だ。
人材に頼る時代は脆い。どれだけ強い力を持った魔法使いも、魔に特攻を持つ聖女も、流転し衰える。
だが兵器は裏切らない。俺は資源と技術こそが、帝国を守る永遠の力だと信じている。
安定化の目処が立ってすぐに、信頼できる部下たちに指示して広域魔導砲の開発を始めた。金と人材を一切惜しまずに。
これさえ完成すれば、俺は戦わずして隣国を従えることができる。こちらの要求を、今よりも高い精度で突きつけることができる。
ヒトも神も必要ない。ただ、それらを動かせるものを持っていればいいのだ。
△▼△
在位から10年が過ぎようとしていたある日、我が国の聖女、リーゼロッテが教国に招かれたと聞いた。そのとき、俺は笑った。
あの教国の連中が、ただ儀式や祝福だけで終わらせるわけがない。ならば利用すればいい。聖女など神の代弁者でも何でもなく、国の資源だ。俺にとってはちょっとわがままを言う、とてつもなくデカい魔石と同じ。
・・・せいぜい、向こうで色々仕入れてこいよ。
旅立つ背を見送りながら、そう独りごちた。聖女の背に期待を背負わせるのではなく、ただ願望と資源を背負わせたのだ。
俺が信じるのはヒトではない。神でもない。仕組みだ。
物を動かし、ヒトを動かし、国を動かす。それが俺の商いであり、俺の生き方だ。
そして俺が動かしたいと望むものの大きさは、周辺諸国を巻き込むだけでは飽き足らず、際限なく膨れ上がっていくのだった。
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俺は普通の家に生まれた。両親は健在で、父は石工、母は縫い物をしていた。2人分の稼ぎで兄弟は他におらず、最低限の衣食は保たれていた。
だが、俺の目にはいつも足りないものばかりが映っていた。隣の家の子が新しい靴を履いていれば、俺の革靴は何度も直した裂けかけ。市に出れば、金貨1枚で買われていく宝石や絹布を、ただ見ているしかなかった。
思い起こせば当時から今に至るまで。俺が欲しかったのは金そのものじゃない。店の中、もしくは奥に隠されている品々を手に取り、選び、やり取りする自由だ。
俺にとってこの世は『与えられるもの』ではなく『自分で掴むもの』に意義があるように見えていた。
15の頃、俺は町一番の商店に弟子入りを願い出た。名のある商人の店で、香辛料から布地、果ては異国から仕入れる薬草まで扱っていた。主人は俺を一瞥し、値踏みするように睨みつけた。
「働きたいのか、それとも盗みたいのか?」
「学びたい。物とヒトの価値を。その上であんたから業を盗みたい」
俺は相手を見据えて、一歩も引かずに答えた。主人は無言で頷き、その日から下働きとして帳場の隅に座らされることになった。
一番最初に教わったのは、『品より人を見ろ』だった。
商人にとって物の値打ちはもちろん大事だが、それ以上に大切なのは買い手と売り手がどれだけ必要だと錯覚するかだそうだ。
売り手の方もか、と疑問に思ったものだが、本心から思わない限り信用されないと頭をはたかれた。
観察を続ければ・・・裕福な貴婦人は布地の産地や手触りなんて分からなくても、流行りだと聞けば金を積む。農夫は塩一袋を命より重く扱うが、彼の妻は同じ袋を針や布に替えようと交渉してくる。
ヒトは面白いほど違い、そして弱い。そのうちに、俺は客を見極めるコツを覚えた。
顔色、声の調子、手の動き。何を欲しがり、どこで譲歩するか。
時には何も売らず、ただ世間話をする。すると後日、その客は『無理に押し売りをしない、あの店なら信用できる』と戻ってくるのだ。
そうして信頼を勝ち得て、来るべき大きな取引に繋げるのだ、と主人は言った。
俺は記憶する。すべての仕草を、癖を・・・そして気づいた。
ヒトは物よりも『期待』を買っている。それを操ることができれば、物の真価などどうでもよかったのだと。
△▼△
年月が経ち、俺は1人で取引を任されるようになった。初めての商いで俺は、相手の目をじっと見て思った。
―こいつは自分を騙してほしがっている。だから俺は少し大げさに塩の質を語り、初めて仕入れた産地だと吹聴した。
机上に、銀貨が積まれる。相手は満足げな表情で、俺の懐にも利益が残る。
俺が初めて、ヒトを動かした瞬間だった。
店の主人から学びと盗みを終えた俺は、町を出る決意をした。
もっと多くの物を、もっと多くの人を動かしたい。町一つを満たすだけでは足りない。もっと大きな舞台があるはずだ、と。
だが、出立の日に見送る者は誰もいなかった。
2,3年前に流行り病が町を襲い、父も母もあっけなく倒れていたからだ。仕入れの仕事で家を空けることが多かった俺は、看病する暇も与えられず、2人ともただ静かに息を引き取った。
泣かなかった。いや、泣くという発想そのものが湧かなかった。
ただ、二人の墓標の前で思った。
――ヒトの命は、時に物よりも軽い。だが、物を動かす力を持った人間はそう簡単に死なない。
そうだ。俺がそうなればいい。
振り返らず町を出ていく背中には、背負う荷物よりも重い欲があった。
もっと多くを見たい。もっと高くに登りたい・・・動かせるものが、この世のすべてになるまで。
△▼△
俺は、帝都で自分の店を構えて商いを重ねた。
ここでは規模も速度も桁も、何もかもが違う。金貨が動くたびに町一つ分の人間が笑い、あるいは泣く。俺はそこに快感を覚えた。もっと多く、もっと高く・・・その欲は膨らむ一方だった。
そしてある日気づいた。この国で一番大きなものを動かすには、皇帝になればいいと。
当時の皇帝はすでに老いぼれ、政務も満足にこなせず、権力は腐った貴族どもに食い荒らされていた。俺はその隙間に入り込んだのだ。
商人の顔で取り入り、金で取り巻きを囲い込み、貴族同士の争いには仲裁者として立ち回る。誰が何を欲しているかは、すべて顔に書いてあった。俺にとっては帳簿を読むより簡単なことだ。
やがて先代が病に伏し、俺は最も穏便な候補として担ぎ上げられた。
そのとき俺は三十を少し過ぎたばかり。
玉座に座り、玉璽を握った瞬間――これでこの国すべてが俺の商いの机の上に並んだ、と。
・・・だが初めて見る紙の上の国は、見事に腐りきっていた。
ー財政は赤字、軍は形ばかり、貴族どもは脂肪と宝飾で動けもしない。
だから俺はまず、地方にあるハゲ山を掘らせた。草木も生えぬ不毛の山と呼ばれ、地元住民はおろか獣すら近づかない山脈を。
そして出てきたのは、大量の魔石。理由はなんてことのない、過去にその地において国同士の大規模な戦争があり、多くの魔法使いが死んだ。山はその古戦場だったわけだ。
魔石は一夜にして俺の財源となり、国の骨格を変える資源となった。
魔石を用いた武具と魔具、機械を導入し、軍をイチから鍛え直す。特に武家には受け入れられ、実力の無い者は排除されていく。
だが、鉱山はいつか掘り終える。定期収入は、財源はどうする?
簡単だ。国民全員から税を取る・・・ただし、ぶくぶく肥えた豚ども――旧来の貴族には平民とは比べ物にならないほどの贅沢税をむしり取った。
当然、反発した者は粛清した。その血が謁見の間を穢しても、俺の感情は1ミリも動かない。むしろスッとしたものだ。
なぜなら、国全体の動きは確実に軽く、早くなっていたから。ぜい肉を削いだ後の身体のように。
いつの頃からか、民は俺を『改革の皇帝』と呼んだ。
好きに呼べばいい。俺にとっては、ただ自分の手の内を広げただけのことだ。動かすものの規模が、商店や町から国家に広がったにすぎない。
次に欲しくなったのは――『遠距離の力』だった。
帝国は天然の要塞だ。国境はすべて山か森で、守るには良いが攻めるには不向き。
だがもし、帝都にいながら他国を攻めることができるのなら?
侵略の軍勢など出さずとも、存在そのものが威圧となる。
それは兵ではなく、仕組みによる国防だ。
人材に頼る時代は脆い。どれだけ強い力を持った魔法使いも、魔に特攻を持つ聖女も、流転し衰える。
だが兵器は裏切らない。俺は資源と技術こそが、帝国を守る永遠の力だと信じている。
安定化の目処が立ってすぐに、信頼できる部下たちに指示して広域魔導砲の開発を始めた。金と人材を一切惜しまずに。
これさえ完成すれば、俺は戦わずして隣国を従えることができる。こちらの要求を、今よりも高い精度で突きつけることができる。
ヒトも神も必要ない。ただ、それらを動かせるものを持っていればいいのだ。
△▼△
在位から10年が過ぎようとしていたある日、我が国の聖女、リーゼロッテが教国に招かれたと聞いた。そのとき、俺は笑った。
あの教国の連中が、ただ儀式や祝福だけで終わらせるわけがない。ならば利用すればいい。聖女など神の代弁者でも何でもなく、国の資源だ。俺にとってはちょっとわがままを言う、とてつもなくデカい魔石と同じ。
・・・せいぜい、向こうで色々仕入れてこいよ。
旅立つ背を見送りながら、そう独りごちた。聖女の背に期待を背負わせるのではなく、ただ願望と資源を背負わせたのだ。
俺が信じるのはヒトではない。神でもない。仕組みだ。
物を動かし、ヒトを動かし、国を動かす。それが俺の商いであり、俺の生き方だ。
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