魔法学園最弱の俺が英雄に

結城 もみじ

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第二十三話 迷宮

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 教師は班のメンバーに女の子の事情を説明し、なんとか一緒に居ることが出来た。
 セレスら班の生徒達は驚いていたが、まず最初に出てきた言葉が『お金足りるの?』だった。
 カケルは迷宮に居るモンスターがどのくらい強く、どのくらいでドロップアイテムが売れるのかが分かってなかったのだ。

 「これまでの先輩達の最高到達階層は十階なんだぜ?十階でも良い物がドロップしないのにどうするつもりなんだい?」

 「まあギル落ち着けよ。作戦は考えてる。だけどそれは斑の意味が無くなってしまう作戦なんだ」

 この言葉でカケルが考えてる作戦はメンバーに何となく分かってしまった。
 『班を抜けてソロで行く』と。

 はぁこれで班長失格だな。
 皆には悪いことをしたな~。
 カケルは心は申し訳ない気持ちで一面染まっていた。

 「いいよ!だってその行動はこの子を救う為の行動でしょ?なら斑の私たちが邪魔するわけがないよ。それに……カケルさんなら最高到達階層なんて容易く破れるでしょ?」

 セレスはカケル肩に手を置き、力強い眼差しで『後は任せて!』と言っていた。
 セレスが賛同したからなのか、班の皆は作戦に理解してくれた。
 流石セレスだ。

 「ありがとう。作戦は明日から実行するつもりだから。その……班長はセレスさんに譲るよ」

 「了解!任せれました」


 後日カケルは宣言した通り迷宮攻略を開始した。
 女の子は危険なので、教師のところへ預かって貰った。

 さてと!迷宮は階層を飛ばせないから、地道に一階層からやっていくしかないのか。
 力を使えばあっという間か。
 『我覚醒の時、全てを捻じ伏せる力、目覚めよ――マーズ』
 よし!これで大丈夫。
 さぁ!行こうか。

 一階層目は何も問題なく突破。
 二階層目も問題なく突破。
 その後も三、四、五……最高到達階層の十階層も難なく突破した。
 ここまで早く攻略できるのは、カケルが盾を展開し歩くだけでモンスターが死ぬからだ。盾は当たった物を吹き飛ばす効果を使っているため簡単に死ぬのだ。

 死んだモンスターは灰となり、その中からドロップアイテムが出てくる。
 十階層まではコボルトや虫系のモンスターしか出てきてないため、お金になるドロップアイテムは無かったが、各階層ボスモンスターから落ちるドロップアイテムは他と違いそこそこお金になる。

 そして学園生徒が誰も到達したことがない、十一階層。
 ここは迷宮攻略を職業としてる冒険者でも、ここまで到達出来れば三流から二流と呼ばれるぐらい難易度が高いのだ。現在の迷宮最高到達階層は六十一階層だそうだ。

 確か冒険者の話だと、ミノタウロスが出てくる階層なんだっけ。
 今まではクラウソラスで一振りだったけど、どうなのかな?
 まあ盾もあるから負けることはないでしょ。

 そんなことを考えていると、ミノタウロスが目の前に現れた。
 姿は牛が二足歩行した姿で、頭に二本の鋭い角が生えている。
 稀に大剣などを持っていることがあると聞いたが、今回は持っていなかった。

 カケルはミノタウロスの懐へ走り込むと、左下から右上へ剣を薙払った。
 剣はミノタウロスの脇腹から、脇にかけて切り裂かれ灰に変わった。
 灰からは、熱を持ったように赤くなった角がドロップしていた。
 剣を鞘にしまうと、ドロップした角をアイテムを入れるリュックに入れた。

 ここでもワンパンなのか。
 ボスは流石にワンパンではなかったけど、どの階層までがワンパンなのかな。
 気になるけど、今は考えても無駄だな。
 今日は行けるところまで行ってみよう。

 カケルウはどんどん進んでいき、今日は二十階層までたどり着いた。
 受付にドロップしたアイテムを渡し、換金して貰った。

 「合計で三万ワードですね」

 「どうも」

 受付の男性が木の板にお金を載っけてカケルの方に渡した。

 二十階層まで行って三万ワードか。
 少ないのか多いのか分かんないな。
 でもあのミノタウロスからドロップした角は一番高いよな。
 あと二十七万ワードか……遠いな。
 でも、ここからもっと貰えるから大丈夫か。

 その後は斑の皆と合流するために宿に向かった。

 部屋に戻る前に、教師に預かってもらってた女の子を回収して戻った。
 女の子は幼稚園のお迎えに来たママに勢いよくしがみつくように、走ってきた。
 疲れ切っている体にいきなり体当たりのようなぐらいの衝撃が疲労で疲れ切っている体に、伝わった。
 効果音で言えば、『ステテテテテーードーン!』だろう。
 衝撃で倒れそうになるが、なんとか踏ん張った。

 「おかえり!リュックに何か入ってるけど何なの?」

 「うん。ただいま。それは部屋に戻ってからのお楽しみに」

 カケルは女の子の頭を撫でてあげると、もの凄く喜んだ。
 部屋に戻ると、全員迷宮から帰ってきていた。

 「あ!カケルさん。遅いから心配しましたよ」

 「ごめんスーフ。ギリギリまで居たかったから遅くなっちゃった」

 スーフが気付くと、他も帰ったのに気付きカケルの方へ近寄った。
 一番興味津々に聞いてきたのがギルだった。

 「で、で!どこまで行ったんだよ!」

 「お、落ち着けよ。今日は二十階層まで行った」
 次にセレスが聞いてきた。

 「本当ですか?ベータ、ヴォルルフの班でも十五階層で止まったのに、流石です!」

 へーあの二人が居た班も過去の最高到達階層を破ったんだ。
 それはそうか。勇者クラスが一人いるもんな。
 そう考えても、自分って化け物だな……ハハッ。
 おおっとそれより、プレゼントを渡さないと。

 カケルは背負っていたリュックを下ろし、中に入ってる物を取り出した。

 「じゃじゃーん。君にプレゼントの洋服だよ!」

 カケルが遅くなった理由の一つでもある、女の子への洋服を買っていたからだ。
 流石にあのままでは、あまり気分が良くなかったからだ。

 「え?良いの?本当に良いの?」

 「うん。良いよ!」

 「やったー!」

 女の子は着ていた服を脱ごうとしたところ、女子三人が止めに入った。

 「新しいお洋服はお風呂に入った後にしましょうね」

 とディア。

 その意見に二人も同意した。

 「え?お風呂にも入れるの?こんな私なのに……」

 「もちろんだよ。綺麗にしようね」

 「うん!」

 奴隷はお風呂にも入ることが出来ないのか……。
 早く楽にしてあげたいな。
 
 カケルの思いはますます強くなっていった。
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