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嵯峨野 樹悠

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「なんで教えてくれないっすか!」

「大樹」

「あいつもなんで勝手な行動を」

「勝手な行動じゃないよ。俺が許可した」

【えっ?】

「詳しくは俺も聞いてはいない。あいつも言わなかったからな。俺も聞かなかった。」

「なんでですか?」

「強制して聞いたって、答えるわけないだろ?」

「そうですけど」

「だから、俺は待つことにした。言いたくなったら、ちゃんと言ってくれるって思うから。」

少し冷静になった大樹が言った。
「どこにいるかは分かってるんですか?」

「あぁ。ひとつだけ約束したからな。どこで何やってるかだけは連絡するようにと。でも、誰にも言わないと約束した。俺とあいつの約束。」

「そうですか」

「俺達が見つければ、連れ戻してもいいんですか?」

「良騎?」

「見つけれるの?」

「分かりません。俺は、俺達にはあいつが必要だと思うから、探しに行きたいです。」

「分かった。俺は何も手助けはしない。お前らの仕事もキャンセルしない。これが条件。それが出来るならいいよ。」
良騎の真剣な目を見て、俺は許可した。

「もし見つかったら、逃げも隠れもしないって言ってたよ(笑)でも、嫌がるのを強制して連れては帰ってくるな。本人が帰るって言ったら連れて帰ってこい」

「分かりました。ありがとうございます」
そして、二人は出ていった。


二人は、仕事場に戻りながら
「勝手言ってすみませんでした」

「いや、冷静じゃなかったから。助かったよ(苦笑)でも、なんで急にいなくなったりなんかしたんだろうな」

「俺にも分からないです。なんでこうなったのかずっと考えてるんですけど。」

二人が出ていったあと、部屋はしーんとしていた。
すると、1通のLINEが来た音がした。
見ると、あの娘からだった。
俺とあの娘との約束。
でも、こんなに豆に送ってくるとは思わなかった(苦笑)
本当に逃げ出したかったら、一通も送ってこなかっただろう。
でも、たまにどころか毎日くれる。
毎日何やったかって、送ってくるだけなんだけど(苦笑)

俺は、何通かに一通しか返さないけど今日は返してみた。
大樹と良騎が来たからな(苦笑)一応報告しておかないと。

「(あいつらから、聞いてきたよ。俺は、どこで何やってるか喋らなかったけど、探しに行くって言ってたぞ。とりあえず報告しておく)」
手短に、LINEを返信した。
すると、まだ何かしていたのかすぐに返事が返ってきた。

『分かった。でも、探すならどこ探していいかなんて分かんないよね。こっちにいるって伝えていいよ。それだけなら。まだ、今は会えないけど(苦笑)逃げはしないから。』

「了解。でも無理すんな?無理ならちゃんと言えよ?」
そう言って、LINE返信した。
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