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㉜ TL小説を書く妻
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「最近、携帯をこそこそ見てるよなぁ」
夫が声を掛けてきたのは午後10時。
夫と向かい合うようにソファーに座り、携帯の画面を100%夫に見えないようにして携帯をポチポチ操作している時だった。
「何してるの?」
「アルファポリスで小説投稿。脱字だの、保健指導の名案を小説の真ん中にメモ書きしたりしててるから修正して時間設定で投稿」
「ふーん。なんで、画面隠すの?」
あぁ。
これは浮気を疑っているのかしら?
「エロ小説書いてるから」
その瞬間、ニヤリっと言うので濡れ場シーンの画面を夫に見せる。
「読んでもいいよ?画面見てもいいよ?けど、口に出さんとってな。それさえ、ダーリンが"おでき"になら堂々とあなたの真横でポチポチ画面を見せながら投稿するけど?」
「別に・・・俺はなんでもいいよぉ~」
明らかにニヤニヤする夫。
「ニヤニヤもあかんよ?その反応も私が恥ずかしいから、ダメ。私にも恥じらいや羞恥心はあるの」
梨乃はそう言うと、画面を隠す。
「ラインを代わりに打ち返しといてっと頼み。携帯がなれば誰からの電話か見させるプライバシーもへったくれもない妻にだって見て欲しくない携帯画面の持ち合わせの1つや2つあるさ」
「ぶっ」
思いっきり噴き出し、ニヤニヤし続ける夫に梨乃は苦笑する。
「エロは世界を救う。人類とは皆、スケベなものよ」
「そりゃ。そうだろう。男も女も9割が好きだ」
確かに男も女も程度が違えどスケベだろう。
なにせ食欲、”性欲”、睡眠欲。
人間として備わっている本能なのだから。
「ニヤニヤはしてしまうなぁ」
総一郎は顔に手を当てる。
「じゃあ、私の携帯画面を隠している時は覗き見みないで」
「・・・心得ました」
それからと言うもの。
「携帯画面を覗きみていないのにニヤニヤしない」
携帯画面を夫に見えないように持つと夫はニヤニヤしだすので注意をするのだが。
「だってさ。夫の隣で官能小説書く妻やんな」
「なんの問題もないでしょ?・・・斬新でいいんじゃないでしょうか」
「あ、うん。斬新。凄く斬新」
「ノーマル。エロ。冒険。ミステリアス。不倫と幅を広げてみようかしら?」
「不倫は需要ない」
総一郎は不倫が嫌いな旦那様。
釣った魚に餌をやりまくり、水を汚し、ぷくぷく魚を太らせる少数派の一途男子。
交際時代、婚約、結婚と段階を踏むごとに精神的な甘やかしはもちろんのこと、金銭的な甘やかしも止まることがない。
「あはははは。やってみないと、私の文才がどの方面にたけているか分からないでしょう」
「不倫は嫌だなぁ」
「私がするんじゃなくて、私の作り出す架空の人物がするんだから」
そう言いつつTL小説を書き綴る。
「梨乃の書く登場人物は子供じゃないの?分身じゃないの?」
「赤毛のアンでお馴染みの作者モンゴメリーの有名な言葉にあったっけ?自分の描く物語の登場人物は、自分の分身であり子ども」
総一郎は頷くが。
「私の小説の登場人物は私の脳内妄想、現実逃避だから。子どもじゃないわ」
「そうか。・・・パートナーの携帯を見るのは良くないな」
総一郎は自身の顔を引っ張りにヘラ笑いを止めようと努力を続けた。
夫が声を掛けてきたのは午後10時。
夫と向かい合うようにソファーに座り、携帯の画面を100%夫に見えないようにして携帯をポチポチ操作している時だった。
「何してるの?」
「アルファポリスで小説投稿。脱字だの、保健指導の名案を小説の真ん中にメモ書きしたりしててるから修正して時間設定で投稿」
「ふーん。なんで、画面隠すの?」
あぁ。
これは浮気を疑っているのかしら?
「エロ小説書いてるから」
その瞬間、ニヤリっと言うので濡れ場シーンの画面を夫に見せる。
「読んでもいいよ?画面見てもいいよ?けど、口に出さんとってな。それさえ、ダーリンが"おでき"になら堂々とあなたの真横でポチポチ画面を見せながら投稿するけど?」
「別に・・・俺はなんでもいいよぉ~」
明らかにニヤニヤする夫。
「ニヤニヤもあかんよ?その反応も私が恥ずかしいから、ダメ。私にも恥じらいや羞恥心はあるの」
梨乃はそう言うと、画面を隠す。
「ラインを代わりに打ち返しといてっと頼み。携帯がなれば誰からの電話か見させるプライバシーもへったくれもない妻にだって見て欲しくない携帯画面の持ち合わせの1つや2つあるさ」
「ぶっ」
思いっきり噴き出し、ニヤニヤし続ける夫に梨乃は苦笑する。
「エロは世界を救う。人類とは皆、スケベなものよ」
「そりゃ。そうだろう。男も女も9割が好きだ」
確かに男も女も程度が違えどスケベだろう。
なにせ食欲、”性欲”、睡眠欲。
人間として備わっている本能なのだから。
「ニヤニヤはしてしまうなぁ」
総一郎は顔に手を当てる。
「じゃあ、私の携帯画面を隠している時は覗き見みないで」
「・・・心得ました」
それからと言うもの。
「携帯画面を覗きみていないのにニヤニヤしない」
携帯画面を夫に見えないように持つと夫はニヤニヤしだすので注意をするのだが。
「だってさ。夫の隣で官能小説書く妻やんな」
「なんの問題もないでしょ?・・・斬新でいいんじゃないでしょうか」
「あ、うん。斬新。凄く斬新」
「ノーマル。エロ。冒険。ミステリアス。不倫と幅を広げてみようかしら?」
「不倫は需要ない」
総一郎は不倫が嫌いな旦那様。
釣った魚に餌をやりまくり、水を汚し、ぷくぷく魚を太らせる少数派の一途男子。
交際時代、婚約、結婚と段階を踏むごとに精神的な甘やかしはもちろんのこと、金銭的な甘やかしも止まることがない。
「あはははは。やってみないと、私の文才がどの方面にたけているか分からないでしょう」
「不倫は嫌だなぁ」
「私がするんじゃなくて、私の作り出す架空の人物がするんだから」
そう言いつつTL小説を書き綴る。
「梨乃の書く登場人物は子供じゃないの?分身じゃないの?」
「赤毛のアンでお馴染みの作者モンゴメリーの有名な言葉にあったっけ?自分の描く物語の登場人物は、自分の分身であり子ども」
総一郎は頷くが。
「私の小説の登場人物は私の脳内妄想、現実逃避だから。子どもじゃないわ」
「そうか。・・・パートナーの携帯を見るのは良くないな」
総一郎は自身の顔を引っ張りにヘラ笑いを止めようと努力を続けた。
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