絶対に笑える作者の日常・爆笑した話集

湯川仁美

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㉝日本語教師ボランティア①

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前途ある、意欲ある学生は素敵。
こちらの向上心を指摘させる。

―――土曜日
水曜日の19時から、いつもはボランティア教師をしているのだが。
今日はお休みをするボランティア指導員仲間に変わり土曜の9時からイレギュラー出動。

何の日本語を教えようかしら~?
梨乃は鏡の前でマスカラを塗り、口紅の上からグロスを塗る。
18歳から22歳の男子学生は化粧をしたほうが出席率がいい。
「梨乃ちゃんのボランティア終わりは11時だから、首都駅に11時30分でいい?」
「うん」
夫は妻が土日、不在にするのがあまり面白くない。
行くなとはいわないが・・・。
「俺も梨乃に日本語を教えてもらいに行こうかなぁ~」
「いいよ。おいで」
「・・・家で個別学習お願いするからいいかな」
「そう?言語はベッドの上の方がいいもんね。OK」
なんて冗談を朝っぱらから、飛ばしていると。

”こんにちは。僕の生理周期がおかしく、20分遅刻します。ごめんなさい”

グループラインに入った一件のバングラデシュの男の子のラインに梨乃はあははははっと笑いだした。
「どうしたの?」
「男の子から、こんなラインが来たわ」

総一郎はラインを見ると、目を見開く。
「おぉぉぉ。男の子の日か」
なんていいつつ、梨乃はクスクス笑いながらラインを打つ。

”【ちこく】OKです。
 れんらく ありがとう。
 ×  生理 
 〇  体内時計
 生理現象#x9AF;় ঘটনা とまちがいです”

「要するに。この男の子は今起きたんやな」
「だと思うよ~。偉いよね。留学に来て平日は学校で勉強、日本語教室で土日も勉強。なんと意欲ある、前途ある若者なんだろう」
「それは言えてる」

「睡眠欲も生理現象といえば、生理現象か。排泄、排尿と同じく睡眠も我慢できないもんね」
「それはいえてる。日本語って面白いな」

人間大好きな梨乃はクスクス笑うと鞄を持ちピンヒールを履くと出かけて行った。
生理や性的表現を避ける宗教だった彼は赤面していたのだが。

「何が恥ずかしいの?何も恥ずかしくないよ」
ボランティア指導員達はあっけらかんっとしているし、最近の小学校の性教育では生理は深くは教えないが隠さないという動きも一部ある。

フォローをしたのは言うまでもない。
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