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第5章
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「なんだ、来ていたのか」
何をすることもできずにぼんやりとしていると、玄関のドアが開いてサレナがすっと入ってきた。
「どこ行ってたんだ?」
少し救われたような気持ちになって、俺はサレナに尋ねた。
「狩り、だな」
「狩り? ゲームじゃあるまいし」
「ゲームではないぞ? 私の本分だ。私達はヴァルミンと戦う為に建造されたのだからな」
カタンと音がした。こころが櫛を落としたらしい。慌てて、セラスを抱えたまま、ベッドの下へ手を伸ばしている。
「出たのか? ヴァルミンが」
「ああ、昨晩から何度か」
サレナがすっと櫛をこころへ取ってやりながら答える。
「何度もか?」
「昨日宇宙で派手にやり合ったからな、奴らの目に付いたのかもしれん」
「多少は聞いたけど、結局あいつ等は何なんだ? お前達の宇宙にだけ居るもんじゃないのか?」
「何かはまだ分かっていない。正体であるナノマシンの構成は私達の地球の技術で作られたものに似ているらしいが。宇宙人の作った兵器が地球圏にまで到達してしまったという説もある」
「なんだよ、訳分からん」
「私も分からん。ただ、カルティの言うことが正しければ、この宇宙と私達の宇宙のヴァルミンは同じ存在だ。とすれば、連中は並行宇宙を移動できることになるな・・・しかも奴らは特殊な群体だと推測されている」
「群体?」
「ヴァルミンと呼称されるナノマシン、それら全てが共通の思考を持ち、連携を持ちながら行動しているらしいのだ。目的は分からんが、それがここにあるのなら、もっと集まってくるかもしれんな、それこそ別の宇宙から」
「大丈夫なのか?」
「まあ、心配はいらん。地球のどこに来ても私は探知できるし、千や二千程度なら私一隻で十分殲滅できる。セラスとラナが動けるようになれば万単位の大艦隊が来ても対応できるだろう」
うぅ、セラスには地球の未来が掛かっているのに俺のせいで・・・どうすりゃいいんだよ?
「ただ、な」
「ただ、なんだよ」
「さっきも言ったとおり奴らの目的は分からんが、奴らの地球への降下ポイントはこの街付近に限られているのだ」
この街にだけ? なんでまた?
その時、またこころが櫛を落とした。
「どうした? 支えながらではやりにくいか?」
サレナが櫛を拾って、こころの替わりにセラスを支えた。
どうでも良いけど、サレナって結構優しいお姉さん? 口調は武人っぽいけど。
ちょっと暗い顔をしていたこころも微笑んで、二人でセラスの髪を梳かし始める。瞬く間にセラスの長い銀色の髪はいつものように可愛いツーサイドアップに纏められた。
女子二人は共同作業に楽しさを覚えたのか、隣で寝ていたラナも抱え上げて梳かし始める。
「うぅ?」
その最中、ラナが少し目を開けた。声は初めて聞いたが、アニメ声系の萌えるかんじな声だな。
「あ、ごめん。起こしちゃった?」
髪を梳かしながらこころはラナに微笑む。
ラナは半分寝たような顔だったけど、頭を軽く振って、顔を赤らめながらも少し嬉しそうにうつむいた。
ラナが大丈夫そうだったので作業は続行され、黄色い長髪はツインテールに結いあげられた。
俺は何をするでもなく、それを見ていた。嬉しそうに笑う女子達を見ていると、戦いを義務付けられたり、それに巻き込まれている娘達には見えない。俺が守れるものなら守ってやりたいと思った。
けど、俺はヘタレで変態な、並み以下の高校生だ。どうすりゃ良いんだよ・・・どうしようもないのか・・・悲しい現実に、俺はため息をついた。
「どうした、若い男が。鈍っているなら少し鍛えてやろうか? お前も戦わなくてはいけないことになるだろうしな」
こころと笑っていたサレナがそんなことを言った。
「俺がか?」
「自覚を持て。お前はセラスのマスターなのだろう? 姉妹の中でも最大の力を持つセラスのマスターであるお前がこの宇宙の将来を左右するのだぞ?」
考えてみれば確かにそうなのかもしれない。本当にヴァルミンが押し寄せてくれば。だけど俺がか? 俺なんかがか? 出来るわけないのでは?
「これは少し揉んでやらないとだめそうだな?」
表情で俺の思考を読んだようでサレナはそんな恐ろしい発言をした。しかもなぜか楽しそうに笑いながら。
え、あ、ちょ? 俺は揉みたいけど揉まれるのは嫌ですよ? そんな俺の心の叫びを無視して、サレナは俺の腕をぐっと掴むと、出現させた空間の歪みの中に、俺を放り投げる。
どさりと落ちた先は、どこかも分からない山の中だった。付いてきたサレナは軽やかに着地する。
「好一君? サレナさーん?」
穴の向こう側でこころの声が聞こえた。だが、歪みはすぐに消え、俺とサレナだけが山の中に取り残される。周囲は巨木が生い茂り、小さな小川が流れて地面は苔むしている。
「まあ、ここなら良いだろう」
サレナはそんなことを言いながら、俺に何かを放ってよこす。ガシャンと金属音を立てたそれは、日本刀と、ルガーP08っぽいのが未来風に進化したような拳銃だった。
「さあ、取れ。相手をしてやるぞ」
サレナは楽しそうに言う。
ちょ、ちょ? ちょっと待って下さい、サレナ姉さん。俺に何をさせる気ですか?
「お前も戦士になるからには、多少は使えた方が良いだろう? まあ、そんなもので実際に戦うことは無いだろうが。度胸づけだ」
俺はおそるおそる刀と銃を取る。あ、意外と軽い。
「重力制御刀と電磁投射銃だ。銃に安全装置は無いから、引き金に指を掛ける時は気を付けろ。あと、刃を自分に当てるなよ?」
サレナはごく大雑把な説明をすると、すごく楽しそうに俺に襲いかかってきた。
回し蹴りが俺の頭をかすめ、背後の大岩を砕く。うぎょっ! あ、当たったら死ぬ!? 俺はサレナの、わざとやっているのだろう大ぶりの攻撃から必死で逃げる。
「どうした? 反撃しないと死ぬぞ?」
サレナは連続してパンチや蹴りを繰り出しながら、さらに嬉しそうに言う。って嬉しそうに言うようなことじゃないぞ!?
俺は無我夢中で銃を構える。二重になっている引き金が一応セイフティなのだろう、それを一気に引いた。
ほとんど反応もなく、小さくカシュッという音を立てて、銃口から閃光が走る。だがサレナは軽々とかわす。そして回し蹴りの反撃。
俺は尻餅をつきながら避け、刀を抜く。陽光にきらめく白銀の刃。こ、こわっ!すげえ切れそうだ。片手に銃を持ちながらだが、刀の軽さに助けられて、俺はそれを横殴りに振る。
それを、当然だがサレナはなんてことなくかわす。目標を失った刀は近くの岩をざっくりとえぐった。うげっ、超切れる! こんなに軽い刀なのに豆腐みたいに岩が切れた?! 切れ味に驚く俺にかまわずサレナは攻撃を続ける。俺は必死で逃げ、銃を打ち、刀を振るう。そんなことをしばらく続けた。
「まあ、こんなものだろう」
弾が尽き、刀を握ることもできなくなってへたり込んだ俺を見て、サレナはそう言った。そして俺にペットボトルの水を投げてよこす。
「どうだ、体を動かすのも気持ちの良いものだろう」
ごくごくとそれを飲む俺にそう言いながら、サレナは岩の上に腰を下ろした。さらりと黒く長い髪が風になびく。
まあ、確かに、もやもやとしたものは吹っ飛んだというか、考える体力が無くなったと言うか・・・
「こんなことして、俺に何をさせたいんだ?」
俺の問いにサレナは、
「特に何も」
と答えた。なんだよ、それは。
「カルティに言わせれば、お前は英雄らしいからな。何をするかはお前が決めることだ」
「俺が? このヘタレな俺が? 今の見たって分かるだろ?」
「別に肉弾戦に強いのが英雄の必須条件ではない。それに生身の体で私に勝てるものなどそうは居ないぞ?」
周囲の岩は主にサレナの攻撃でかなり粉砕されている。確かにまともな人間じゃあ無理そうだ。でもなあ・・・
「こころもこの宇宙の住人では無いようだな」
サレナは突然言った。育子さんもそんなこと言ってたっけ。不思議な銃も持ってるし、様子がへんなことはあったけど、本当にそうなのか?
「しかもヴァルミンと係わりがあるとカルティはふんでいる」
「そ、それはどういうことだ?!」
俺は驚いて言った。ヴァルミンと? ・・・確かに普段のあいつからすると信じられないくらい怖がってたけど。さっぱり訳が分らん。
「まあ、本人が話すまでこちらからは何も言うつもりは無いが・・・そんなこころと、建造された本来の意味を見失ってしまったセラス。そんな二人がお前の所に集まった。本来接触することのない三つの宇宙がお前を中心に交わったのだ。とんでもない確率の偶然だな」
そう言われてみれば、こころの話が本当ならだが、すごい偶然だな。
「その偶然を得て何かを成し、偶然を必然にしてしまうのが英雄なのだそうだ。カルティに言わせれば」
「訳分からねえよ」
「まあ、そうだろうな。私も良く分からん」
そう言ってサレナは笑った。
「セラスのことを大分案じているようだが、セラスはそう弱い存在ではない。あいつのことはあいつに任せろ。お前はセラスと共に何を成すべきか考えておけ」
俺はますます分からなくなった。
「ま、がんばれ。英雄かどうかはともかく、男の子、なんだろう?」
サレナはそう言って、くすりと笑った。その顔はとても綺麗だった。
何をすることもできずにぼんやりとしていると、玄関のドアが開いてサレナがすっと入ってきた。
「どこ行ってたんだ?」
少し救われたような気持ちになって、俺はサレナに尋ねた。
「狩り、だな」
「狩り? ゲームじゃあるまいし」
「ゲームではないぞ? 私の本分だ。私達はヴァルミンと戦う為に建造されたのだからな」
カタンと音がした。こころが櫛を落としたらしい。慌てて、セラスを抱えたまま、ベッドの下へ手を伸ばしている。
「出たのか? ヴァルミンが」
「ああ、昨晩から何度か」
サレナがすっと櫛をこころへ取ってやりながら答える。
「何度もか?」
「昨日宇宙で派手にやり合ったからな、奴らの目に付いたのかもしれん」
「多少は聞いたけど、結局あいつ等は何なんだ? お前達の宇宙にだけ居るもんじゃないのか?」
「何かはまだ分かっていない。正体であるナノマシンの構成は私達の地球の技術で作られたものに似ているらしいが。宇宙人の作った兵器が地球圏にまで到達してしまったという説もある」
「なんだよ、訳分からん」
「私も分からん。ただ、カルティの言うことが正しければ、この宇宙と私達の宇宙のヴァルミンは同じ存在だ。とすれば、連中は並行宇宙を移動できることになるな・・・しかも奴らは特殊な群体だと推測されている」
「群体?」
「ヴァルミンと呼称されるナノマシン、それら全てが共通の思考を持ち、連携を持ちながら行動しているらしいのだ。目的は分からんが、それがここにあるのなら、もっと集まってくるかもしれんな、それこそ別の宇宙から」
「大丈夫なのか?」
「まあ、心配はいらん。地球のどこに来ても私は探知できるし、千や二千程度なら私一隻で十分殲滅できる。セラスとラナが動けるようになれば万単位の大艦隊が来ても対応できるだろう」
うぅ、セラスには地球の未来が掛かっているのに俺のせいで・・・どうすりゃいいんだよ?
「ただ、な」
「ただ、なんだよ」
「さっきも言ったとおり奴らの目的は分からんが、奴らの地球への降下ポイントはこの街付近に限られているのだ」
この街にだけ? なんでまた?
その時、またこころが櫛を落とした。
「どうした? 支えながらではやりにくいか?」
サレナが櫛を拾って、こころの替わりにセラスを支えた。
どうでも良いけど、サレナって結構優しいお姉さん? 口調は武人っぽいけど。
ちょっと暗い顔をしていたこころも微笑んで、二人でセラスの髪を梳かし始める。瞬く間にセラスの長い銀色の髪はいつものように可愛いツーサイドアップに纏められた。
女子二人は共同作業に楽しさを覚えたのか、隣で寝ていたラナも抱え上げて梳かし始める。
「うぅ?」
その最中、ラナが少し目を開けた。声は初めて聞いたが、アニメ声系の萌えるかんじな声だな。
「あ、ごめん。起こしちゃった?」
髪を梳かしながらこころはラナに微笑む。
ラナは半分寝たような顔だったけど、頭を軽く振って、顔を赤らめながらも少し嬉しそうにうつむいた。
ラナが大丈夫そうだったので作業は続行され、黄色い長髪はツインテールに結いあげられた。
俺は何をするでもなく、それを見ていた。嬉しそうに笑う女子達を見ていると、戦いを義務付けられたり、それに巻き込まれている娘達には見えない。俺が守れるものなら守ってやりたいと思った。
けど、俺はヘタレで変態な、並み以下の高校生だ。どうすりゃ良いんだよ・・・どうしようもないのか・・・悲しい現実に、俺はため息をついた。
「どうした、若い男が。鈍っているなら少し鍛えてやろうか? お前も戦わなくてはいけないことになるだろうしな」
こころと笑っていたサレナがそんなことを言った。
「俺がか?」
「自覚を持て。お前はセラスのマスターなのだろう? 姉妹の中でも最大の力を持つセラスのマスターであるお前がこの宇宙の将来を左右するのだぞ?」
考えてみれば確かにそうなのかもしれない。本当にヴァルミンが押し寄せてくれば。だけど俺がか? 俺なんかがか? 出来るわけないのでは?
「これは少し揉んでやらないとだめそうだな?」
表情で俺の思考を読んだようでサレナはそんな恐ろしい発言をした。しかもなぜか楽しそうに笑いながら。
え、あ、ちょ? 俺は揉みたいけど揉まれるのは嫌ですよ? そんな俺の心の叫びを無視して、サレナは俺の腕をぐっと掴むと、出現させた空間の歪みの中に、俺を放り投げる。
どさりと落ちた先は、どこかも分からない山の中だった。付いてきたサレナは軽やかに着地する。
「好一君? サレナさーん?」
穴の向こう側でこころの声が聞こえた。だが、歪みはすぐに消え、俺とサレナだけが山の中に取り残される。周囲は巨木が生い茂り、小さな小川が流れて地面は苔むしている。
「まあ、ここなら良いだろう」
サレナはそんなことを言いながら、俺に何かを放ってよこす。ガシャンと金属音を立てたそれは、日本刀と、ルガーP08っぽいのが未来風に進化したような拳銃だった。
「さあ、取れ。相手をしてやるぞ」
サレナは楽しそうに言う。
ちょ、ちょ? ちょっと待って下さい、サレナ姉さん。俺に何をさせる気ですか?
「お前も戦士になるからには、多少は使えた方が良いだろう? まあ、そんなもので実際に戦うことは無いだろうが。度胸づけだ」
俺はおそるおそる刀と銃を取る。あ、意外と軽い。
「重力制御刀と電磁投射銃だ。銃に安全装置は無いから、引き金に指を掛ける時は気を付けろ。あと、刃を自分に当てるなよ?」
サレナはごく大雑把な説明をすると、すごく楽しそうに俺に襲いかかってきた。
回し蹴りが俺の頭をかすめ、背後の大岩を砕く。うぎょっ! あ、当たったら死ぬ!? 俺はサレナの、わざとやっているのだろう大ぶりの攻撃から必死で逃げる。
「どうした? 反撃しないと死ぬぞ?」
サレナは連続してパンチや蹴りを繰り出しながら、さらに嬉しそうに言う。って嬉しそうに言うようなことじゃないぞ!?
俺は無我夢中で銃を構える。二重になっている引き金が一応セイフティなのだろう、それを一気に引いた。
ほとんど反応もなく、小さくカシュッという音を立てて、銃口から閃光が走る。だがサレナは軽々とかわす。そして回し蹴りの反撃。
俺は尻餅をつきながら避け、刀を抜く。陽光にきらめく白銀の刃。こ、こわっ!すげえ切れそうだ。片手に銃を持ちながらだが、刀の軽さに助けられて、俺はそれを横殴りに振る。
それを、当然だがサレナはなんてことなくかわす。目標を失った刀は近くの岩をざっくりとえぐった。うげっ、超切れる! こんなに軽い刀なのに豆腐みたいに岩が切れた?! 切れ味に驚く俺にかまわずサレナは攻撃を続ける。俺は必死で逃げ、銃を打ち、刀を振るう。そんなことをしばらく続けた。
「まあ、こんなものだろう」
弾が尽き、刀を握ることもできなくなってへたり込んだ俺を見て、サレナはそう言った。そして俺にペットボトルの水を投げてよこす。
「どうだ、体を動かすのも気持ちの良いものだろう」
ごくごくとそれを飲む俺にそう言いながら、サレナは岩の上に腰を下ろした。さらりと黒く長い髪が風になびく。
まあ、確かに、もやもやとしたものは吹っ飛んだというか、考える体力が無くなったと言うか・・・
「こんなことして、俺に何をさせたいんだ?」
俺の問いにサレナは、
「特に何も」
と答えた。なんだよ、それは。
「カルティに言わせれば、お前は英雄らしいからな。何をするかはお前が決めることだ」
「俺が? このヘタレな俺が? 今の見たって分かるだろ?」
「別に肉弾戦に強いのが英雄の必須条件ではない。それに生身の体で私に勝てるものなどそうは居ないぞ?」
周囲の岩は主にサレナの攻撃でかなり粉砕されている。確かにまともな人間じゃあ無理そうだ。でもなあ・・・
「こころもこの宇宙の住人では無いようだな」
サレナは突然言った。育子さんもそんなこと言ってたっけ。不思議な銃も持ってるし、様子がへんなことはあったけど、本当にそうなのか?
「しかもヴァルミンと係わりがあるとカルティはふんでいる」
「そ、それはどういうことだ?!」
俺は驚いて言った。ヴァルミンと? ・・・確かに普段のあいつからすると信じられないくらい怖がってたけど。さっぱり訳が分らん。
「まあ、本人が話すまでこちらからは何も言うつもりは無いが・・・そんなこころと、建造された本来の意味を見失ってしまったセラス。そんな二人がお前の所に集まった。本来接触することのない三つの宇宙がお前を中心に交わったのだ。とんでもない確率の偶然だな」
そう言われてみれば、こころの話が本当ならだが、すごい偶然だな。
「その偶然を得て何かを成し、偶然を必然にしてしまうのが英雄なのだそうだ。カルティに言わせれば」
「訳分からねえよ」
「まあ、そうだろうな。私も良く分からん」
そう言ってサレナは笑った。
「セラスのことを大分案じているようだが、セラスはそう弱い存在ではない。あいつのことはあいつに任せろ。お前はセラスと共に何を成すべきか考えておけ」
俺はますます分からなくなった。
「ま、がんばれ。英雄かどうかはともかく、男の子、なんだろう?」
サレナはそう言って、くすりと笑った。その顔はとても綺麗だった。
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