土曜日の部室

くねひと

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#12 昇り詰める二人…

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「い、逝かせてください……」
「フフフ、やっと従順になりましたね」

 亨は再び指先でクリームをすくい取った。
「さあ、逝かせて欲しかったら、素直に肢を拡げて下さい」
 亨がぴしゃりと北山のお尻を叩くと、もう北山は反発することなく、命じられるままに両肢を静かに開いていくのであった。

「あ…」
 亨の指なぶられるおぞましさ。しかし同時に感じる妖しい快美感をもう北山は押し止めることはできなかった。ガクンと腰の力が抜ける。ロープに繋がれていなければ、恐らくその場にへたり込んでいただろう。

「相変わらずここは敏感ですね」
 そう、北山にとっては、菊花は一番の性感帯だった。自慰を覚えたときから、北山はいつも片手で急所を握りながら、もう片方の手を菊花に延ばしていたのである。
 あの日、初めて部室で縛られたとき、亨は難無く北山の秘められた弱点を見つけ出していた。亨の指さばきの前に北山は羞ずかしい程の乱れ方をさらけだしたのであった。
 
 ……そして今も……。
「あああ」
 亨が指を1本、北山の菊花に突きたてたのだ。……そして、その指が……ゆっくりと上下する。
「くううう」
 耐え切れずに漏れる嗚咽。北山は完全に亨の術中に落ちていた。
 
 既に黄昏たそがれが辺りを黒いシルエットで縁どり始めている。亨が上着を脱ぎ捨て、全裸になると、そのしなやかな肢体も薄闇の中にぼうっと浮かび上がった。
 あれほど北山を嘲っていたのに、今はもう亨は何も喋らない。静寂が部室の中を満たし始め、ただ無機質なバイブの音だけが響いていた。

 亨が押し黙ったことで、北山には亨が次に何を試みるのか、もう覚悟している。
 ……亨が北山の背後に回った。若い怒張が北山の尻に触れる。……そしてその筒先が北山の菊花に触れた。

「………」
 時が止まったかのような息詰まる何秒かの後に……亨が侵入してきた。焼けつくような痛みが北山の菊門を襲う。初めはゆっくり、そして段々と激しく、亨が腰を使い始め、突き立てられる度に、ロープが繋がれた天井の梁がギシギシときしり、北山は微かに声を上げる。

 ……荒い息遣いの二人。密着した北山の背中と亨の胸には汗が噴き出ていた。
 亨は両手で北山の腰を掴み、痛みに体をくねらそうとする北山の動きを封じながら、ただ黙々と腰を動かしていた。

「はあ…ああ……」
 亨が北山の乳首に据えられたバイブのダイヤルを最大にする。やるせない快感が乳首から全体に拡がっていく。……そして……。
 そして肉筒を締め付けるバイブのダイヤルも……最大にした。

「が……」
 体全体に甘い痺(しび)れが走り、北山の意識が薄れていく。絶頂は近い。
「先輩!」
 亨が一声上げ、一際強く突き立てる。
 ……亨が逝った。そして殆ど同時に北山も部室の床に大量の精を噴き散らしていた……。
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