転生幼女具現化スキルでハードな異世界生活

高梨

文字の大きさ
10 / 175

リチェルリット王国幹部 治癒専門部隊団長 ラブマルージュ 乙女に推参。

しおりを挟む
 馬車に乗り迎えにグラスとオカマが座っている。ため息一つに自己紹介でもするかと、オカマと目線を合わせる。

「改めて紹介するわ、あたしはリチェルリット王国幹部治癒専門部隊団長 ラブマルージュ。可愛いお嬢ちゃんのお名前はなにかしらぁん?」

「名前もってない」

 護衛といいながら、大層な肩書きをもつオカマと馬車を動かす兵士だけしかいない。この中で結局グラス守れるの私しかいないんじゃないか?っと不安に思う。それに拍車を掛けているのは緊張感も欠片も感じない口調と表情に余計に不安を煽られる。名前を持っていないとの日本だと重くなる言葉でも動じずに「あら~なら、私が可愛いの考えちゃおうかしら♪」と逆に名前を付ける気満々にされた。

「可愛いのがいいわよね~シャルル・メンドッチーノとか?あーでも、やっぱ女の子はラブリーがいいわよね~ラブリー・コシクラッシャーとか可愛くて強そうじゃないかしらぁん うっふん」

「そんな名前になるくらいなら私はここで死んでやる!」

「ぷっふふ、失礼しました」

「わらったなぁぁぁ!私の名前の危機にわ・ら・いやがったなぁぁぁぁ!」

 自分でも感じられるくらい拗ねた顔になっていく私の顔を見て、あの鉄面皮グラスが吹き出したのをきっかけに私は精神はいい歳だけどこの世界では子供なので、盛大に頬をくるらませてグラスを睨みつけるも、クスクスと綺麗にグラスは笑い続ける。初めて見た笑い顔がすごく綺麗なのがさらに恨めしい。


(……貴族と同じ王子に蔑まれ、産まれてから心が凍てつき、氷魔術の才も相まって永遠に氷解しない王子と呼ばれた子を……ね。面白いじゃないの、んふふ)

 ラブマルージュは柔らかくその光景を見て眼を細めた。彼とは自分や他の幹部を含め王すらも完全には心を開いてはくれなかった。未来自分の国の民としてやってくる王子の楽しんでいる姿は確かに感慨深いものがある。これは彼女がどう思おうが、国として見過ごすことのできない少女だ。それとなにより、多少ふざけて隠してはいるが僅かに透けて見える歳不相応の知性……。んふふ、面白いわ。ラブマルージュはやはり柔らかく笑った。

「ハイハイ、二人のラブリーキャワイイ話を聞いていたいところだけどね。これからのことを話すわよん」

「誰のせいだと……むぅ。それで、王子はともかく私はどんな立場にされるの」

「話が早くて助かるわ♪ 少なくとも城に属して貰うのは確かよ」

「そう」

 兵士にされるとかならまだしも、王子の恩人として飼い慣らされるはゴメン願いたい。日本人感覚で申し訳ないが必要悪の町を作る程度の王だからボンクラかもしれない、会うなら一対一の対話に持ち込んで色々丸め込んで飼い殺しだけは避けなければならない。私はせっかく異世界なのだから冒険したいし色々食べて着て自由に暮らしたい。もし、王には会えずに交渉の得意なやつにあてられたら、望み薄だけど一旦受け入れ時間をかけて都合のいい状況に持って行こう。

 そうと決まればと、意識を現実に引き上げられると、グラスの手が目の、前に


ー少し、お休みになられてくださいー




 


 



しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結】憧れのスローライフを異世界で?

さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。 日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。

『身長185cmの私が異世界転移したら、「ちっちゃくて可愛い」って言われました!? 〜女神ルミエール様の気まぐれ〜』

透子(とおるこ)
恋愛
身長185cmの女子大生・三浦ヨウコ。 「ちっちゃくて可愛い女の子に、私もなってみたい……」 そんな密かな願望を抱えながら、今日もバイト帰りにクタクタになっていた――はずが! 突然現れたテンションMAXの女神ルミエールに「今度はこの子に決〜めた☆」と宣言され、理由もなく異世界に強制転移!? 気づけば、森の中で虫に囲まれ、何もわからずパニック状態! けれど、そこは“3メートル超えの巨人たち”が暮らす世界で―― 「なんて可憐な子なんだ……!」 ……え、私が“ちっちゃくて可愛い”枠!? これは、背が高すぎて自信が持てなかった女子大生が、異世界でまさかのモテ無双(?)!? ちょっと変わった視点で描く、逆転系・異世界ラブコメ、ここに開幕☆

【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……

buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。 みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……

侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました

下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。 ご都合主義のSS。 お父様、キャラチェンジが激しくないですか。 小説家になろう様でも投稿しています。 突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。

BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。 辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん?? 私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?

お兄様、冷血貴公子じゃなかったんですか?~7歳から始める第二の聖女人生~

みつまめ つぼみ
ファンタジー
 17歳で偽りの聖女として処刑された記憶を持つ7歳の女の子が、今度こそ世界を救うためにエルメーテ公爵家に引き取られて人生をやり直します。  記憶では冷血貴公子と呼ばれていた公爵令息は、義妹である主人公一筋。  そんな義兄に戸惑いながらも甘える日々。 「お兄様? シスコンもほどほどにしてくださいね?」  恋愛ポンコツと冷血貴公子の、コミカルでシリアスな救世物語開幕!

美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ 

さら
恋愛
 会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。  ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。  けれど、測定された“能力値”は最低。  「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。  そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。  優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。  彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。  人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。  やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。  不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。

処理中です...