転生幼女具現化スキルでハードな異世界生活

エピク・ランティッドとリュピア【小話見なくてもOK】

「僕が……そんな凄いことできるの？」

「できるさ。できるから自分は君を引き取ったんだ……リュピア君。君を助けた彼女……カリスティアは、奔放で予測が付きにくいからさ、いくら情報の取り扱いがメインの自分でも、ある程度噂が立ってから動くことになるのさ、そこでだ！　君は彼女に恩を感じてるだろ？　だから君が彼女の身辺で起きたことを即座に連絡するついでに彼女の身の回りの世話をある程度頼みたいんだ！　ただ、この仕事は女装して貰いたいんだよ。元王子が彼女にゾッコンラブラブでね。要らぬ嫉妬をされると面倒だし、【年下の女の子】だったらある程度グイグイいっても許してくれるだろうしさ」

　自分がカリスティアに救われた彼を引き入れた理由は、彼女の行動の情報操作をよりやりやすくするために彼を引き取った。彼は子供独自の性別不詳さでカリスティアに女と間違えているのだ、これを使わぬ手はないだろう。情報を操作して取り扱う我らにとって、自己の情報が少しでも特定されにくい見た目はとても貴重な才能だ、性別認識をずらせるなら尚更だ。　
　
　カリスティアとグラスの特例によって、才能があるならばその歳である程度の仕事などは容認しても良いのではないか？　っという雰囲気が流れている今なら、自分もその流れに乗って彼を引き取って働かせても問題は無い。まぁ、彼が嫌だといえば、普通に別の手を考えるし引き取ったのだから責任もって成人まで育てるけどね。少なくとも育ててもいいと思うくらいには彼を自分は気に入っている。

「わかりました……僕がんばります」

　自分を拒絶して虐め倒した親元を離れた後で、自分の輝いた未来を思う眼がこの穢れた心には眩し過ぎてとても心が軋んだが、この仕事……この国と王と民の為に汚れることは決意したはずなんだが……やっぱり希望に満ちあふれて磨きがいのある子供を放ってはおけない、この子供好きはどうにもできないな。そう思って自分の愚かさに嘲笑しそうになる。見た目が気さくでも中身はこんなドロドロで、国のためにはどんな真実もねじ曲げて有利な物へと改造して広める大嘘つきな女なんて目の前のこの子供も思わないだろうな……。カリスティアはどうかわからんが。


「よしきた。じゃあ早速メイド長に話を通すのと、君は君で彼女がやらかしたときにはうまい言い訳できるくらいには舌が回るようにはしてやるさ。ついてこーい」

「はい！」

　あぁ、ちなみに彼が恋愛彼女に恋心を抱くのは好きにすれば良い……抱くのは勝手だけれども。いつになるかは、わからない隣国のペルマネンテが大人しくなるまではできれば、男であることはカミングアウトしないで貰いた所だ。

「……さて、次はヴィスの町の諜報に回るか、隣のスコープ村の村長が挙動がおかしいと、言っていたが……」

　必要悪の町の通りにあの町は全ての犯罪行動を、この町とこの町の土地のみ全てを認めるというもの……そしてヴィスの町からの脱却は、スコープ村の更生施設に任せているが、挙動がおかしいと……。元から癖の強い連中だがそれでもおかしいとは……そして、ヴィスの町に不自然に出入りの目撃がある、知識の国【アダムス】の人間……。

「どいつも、こいつもそれぞれ好き勝手やってくれるな」