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初戦は華やかなものだと誰が言った!
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「さぁ、さぁ、やってまいりました。リチェルリット幹部や他国から自国出身者の冒険者まで、一歳だろうが千歳だろうがお構いなし、腕に自慢があるのならば全員どんっとこいやああああああああ!」
夢であってくれ、そう願い続けても残酷に迎えてしまった大会当日。現実であることを突きつけてくるハイテンションな司会を見て、待合室からため息を飛ばす。どうせ一回戦からグラスとドンパチやらされるのだろうと、カリスティアは思って居たのだがそうではなく、トーナメント式で順調に勝ち続ければグラスとの戦いができる配置にされていた。
(さりげなーくグラスに当たるまで、他の幹部達とかち合わないように絶妙に調整してくれてる……けど大会初戦は私なのね。めんどくさ)
まるでコロッセオのような闘技場に所狭しと敷き詰められた貧富老若男女様々なものが黄色い感性と共に入場者を歓迎してくる。いざ自分が対戦に出てくると幾分か疑問の声と静まる歓声にどんよりと心が曇ってゆく。ギャラリーのことは頭から追い出そうと、観客に囲まれた決闘の場で相手を観察するカリスティア。カリスティアの相手は若い剣士のような出で立ちのザッリア充の陽キャ顔の青年。どこか見たことあるような顔だなぁーっと頭をひねっていると。
「あぁ、あのときの天使じゃないか。あぁ、その美しい黒のお召し物から覗く幼い産毛がとても美しい……。今回こうして会えるなんて……光栄だ」
「ひぃ、気持ちわるッ!」
「ありがとうございます!」
治癒術の時に私を天使と間違えたあの兵士が、大会にエントリーしていたらしい。コイツにとっては幸運だが自分に取っては不幸の組み合わせとなって、カリスティアは一番高くていい席に座ってる国王を(どういうことだ!てめぇ!)っと言う気持ちを存分に込めて睨み付けると王様が慌てて、トーナメントの書類を執事に持ってこさせて見ると、申し訳なさそうにこちらをみて(気づかなかったわい、メンゴ)って言いたげな顔をしてジェスチャーで謝ってきた。一応はエントリーした手前棄権するのは忍びないし、恥ずかしいのでカリスティアは腹をくくって変態と戦うことにした。
「えー……戦いの前に改めまして説明いたします。この大会は武器、道具、魔法、共に使用制限はございません。純粋な戦闘力、判断力、総合力、を試すためのこの大会です。さぁ、簡単に説明いたしましたところで、今大会初戦を飾るのは……。
国王も認める希有な才能を持つ4歳! カリスティア! 反対に居ますのは、元二級兵士のゴザベルグ!
両者……構えてぇー始め!!」
腰に下げている私の愛用の水明の長剣は抜かずに魔法を撃つ構えで迎える。相手は「お前を痛めつけてもらえるなんて光栄だよー! てーんーしー!」っと言いながら、剣を投げ捨てて突撃して来る変態で、そんな奴に愛用の剣を触れさせたくないので、前見たときよりものろのろとして見える元兵士のこいつの足に向かって、想像具現化スキルと水魔法の混合で威力の上がった規格外ウォーターボールを直撃させてやり、カリスティアは思う存分ふっとばした。
「ぷっは……。天使、イイ攻撃だ。もっと、もっと、」
「ひぃぃぃぃぃ! ウォーターボール! 死ね、気持ち悪い! 変態! 失せろ! バーカ! 天使、天使って!お前はそれしか言えんのか!! くるなぁぁぁぁぁ!」
男が四つん這いになって、もっともっとと四歳ににじり寄ってくる光景は一種のホラーのようで、会場は静まりかえる。カリスティアが動かなくなるまで、ウォーターボールを打ち続ける光景を見る観客は哀れみの眼をカリスティアに向けて居た。一節遅れて審判がカリスティアの勝利を高々と宣言するも、哀れみの籠もったなんとも言えない拍手しか上がらなかった。
観客の憐れみの拍手の中で、控え室に戻って精神を落ち着けているとウォーターボールで顔がぼっこぼっこになった状態のまま「俺を治してくれ天使」っとあの変態が控え室に乱入してきたりなど、初戦から踏んだり蹴ったりを晒してしまうカリスティアなのであった。
「じょ、嬢ちゃん強かったねー。そうだ、あんな奴なんて忘れてよ。どうだ、お菓子でもやるよ。元気だせ」
「ありがとう……おじさん」
控え室には勿論、これから戦いへ赴く他の猛者達がわんさかくつろいで今か今かと待っている所で、その中に乱入してきたあの変態を取り押さえてくれて、さらにはお菓子をくれる人も居た。一人が慰め始めると、「俺も」「あたしも」と、それぞれ頭を撫でてくれたり、お菓子くれたりしました。
次の試合の準備が終わる頃には、あの変態はラブちゃんにギタギタのボロボロのズッタンズッタンのボロ雑巾にされていたと、最初にお菓子をくれた筋肉まっちょの爽やか系おじさんが教えてくれました。
(二度と会いたくない……あの変態、馬鹿あほ、自分の頭の上だけ雨ふっちまえ!)
夢であってくれ、そう願い続けても残酷に迎えてしまった大会当日。現実であることを突きつけてくるハイテンションな司会を見て、待合室からため息を飛ばす。どうせ一回戦からグラスとドンパチやらされるのだろうと、カリスティアは思って居たのだがそうではなく、トーナメント式で順調に勝ち続ければグラスとの戦いができる配置にされていた。
(さりげなーくグラスに当たるまで、他の幹部達とかち合わないように絶妙に調整してくれてる……けど大会初戦は私なのね。めんどくさ)
まるでコロッセオのような闘技場に所狭しと敷き詰められた貧富老若男女様々なものが黄色い感性と共に入場者を歓迎してくる。いざ自分が対戦に出てくると幾分か疑問の声と静まる歓声にどんよりと心が曇ってゆく。ギャラリーのことは頭から追い出そうと、観客に囲まれた決闘の場で相手を観察するカリスティア。カリスティアの相手は若い剣士のような出で立ちのザッリア充の陽キャ顔の青年。どこか見たことあるような顔だなぁーっと頭をひねっていると。
「あぁ、あのときの天使じゃないか。あぁ、その美しい黒のお召し物から覗く幼い産毛がとても美しい……。今回こうして会えるなんて……光栄だ」
「ひぃ、気持ちわるッ!」
「ありがとうございます!」
治癒術の時に私を天使と間違えたあの兵士が、大会にエントリーしていたらしい。コイツにとっては幸運だが自分に取っては不幸の組み合わせとなって、カリスティアは一番高くていい席に座ってる国王を(どういうことだ!てめぇ!)っと言う気持ちを存分に込めて睨み付けると王様が慌てて、トーナメントの書類を執事に持ってこさせて見ると、申し訳なさそうにこちらをみて(気づかなかったわい、メンゴ)って言いたげな顔をしてジェスチャーで謝ってきた。一応はエントリーした手前棄権するのは忍びないし、恥ずかしいのでカリスティアは腹をくくって変態と戦うことにした。
「えー……戦いの前に改めまして説明いたします。この大会は武器、道具、魔法、共に使用制限はございません。純粋な戦闘力、判断力、総合力、を試すためのこの大会です。さぁ、簡単に説明いたしましたところで、今大会初戦を飾るのは……。
国王も認める希有な才能を持つ4歳! カリスティア! 反対に居ますのは、元二級兵士のゴザベルグ!
両者……構えてぇー始め!!」
腰に下げている私の愛用の水明の長剣は抜かずに魔法を撃つ構えで迎える。相手は「お前を痛めつけてもらえるなんて光栄だよー! てーんーしー!」っと言いながら、剣を投げ捨てて突撃して来る変態で、そんな奴に愛用の剣を触れさせたくないので、前見たときよりものろのろとして見える元兵士のこいつの足に向かって、想像具現化スキルと水魔法の混合で威力の上がった規格外ウォーターボールを直撃させてやり、カリスティアは思う存分ふっとばした。
「ぷっは……。天使、イイ攻撃だ。もっと、もっと、」
「ひぃぃぃぃぃ! ウォーターボール! 死ね、気持ち悪い! 変態! 失せろ! バーカ! 天使、天使って!お前はそれしか言えんのか!! くるなぁぁぁぁぁ!」
男が四つん這いになって、もっともっとと四歳ににじり寄ってくる光景は一種のホラーのようで、会場は静まりかえる。カリスティアが動かなくなるまで、ウォーターボールを打ち続ける光景を見る観客は哀れみの眼をカリスティアに向けて居た。一節遅れて審判がカリスティアの勝利を高々と宣言するも、哀れみの籠もったなんとも言えない拍手しか上がらなかった。
観客の憐れみの拍手の中で、控え室に戻って精神を落ち着けているとウォーターボールで顔がぼっこぼっこになった状態のまま「俺を治してくれ天使」っとあの変態が控え室に乱入してきたりなど、初戦から踏んだり蹴ったりを晒してしまうカリスティアなのであった。
「じょ、嬢ちゃん強かったねー。そうだ、あんな奴なんて忘れてよ。どうだ、お菓子でもやるよ。元気だせ」
「ありがとう……おじさん」
控え室には勿論、これから戦いへ赴く他の猛者達がわんさかくつろいで今か今かと待っている所で、その中に乱入してきたあの変態を取り押さえてくれて、さらにはお菓子をくれる人も居た。一人が慰め始めると、「俺も」「あたしも」と、それぞれ頭を撫でてくれたり、お菓子くれたりしました。
次の試合の準備が終わる頃には、あの変態はラブちゃんにギタギタのボロボロのズッタンズッタンのボロ雑巾にされていたと、最初にお菓子をくれた筋肉まっちょの爽やか系おじさんが教えてくれました。
(二度と会いたくない……あの変態、馬鹿あほ、自分の頭の上だけ雨ふっちまえ!)
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