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情報の守り手
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【カリス様とグラス様へ】
お二人が消えてからというものの、毎日が少し褪せて感じます。
お二人に会いたい、それが私の望であるのは変わりません。
けれど、カリス様は国に帰らず。迎えから逃げてください。
今はカリス様が戻られるのは大変危険です。理由は伝える事ができませんが
どうか、どうか、私を信じて国からお逃げください。
近いうちにドワーフ国が魔物のあふれ出る【仮初めの終焉】が始まる前にどこかに戦争を仕掛けるでしょう。
そうなれば、リチェルリットは防衛の為に貴方達の捜索を一旦打ち切るはずです。
それまで、逃げてください。
「……カロネちゃん……私を思って手紙を書いてくれるのとても嬉しい……嬉しいのだけど」
カリスティアが手紙を読んで、後ろを振り向くと凍りついて左目くっきり青たんを作ったあの変態が自分の座って居た椅子に、息を切らしてよだれを垂らしながらこちらをなめ回すように見ている。思わずに変態と反対方向に顔と身体を反らす。
「すーはー。天使さまが、天使様が座った椅子……お召し物から僅かに漏れ出る香しい匂いが椅子からする……そのかぐわしさに酔いながら天使様に虫とばかりに蔑まされて逃げ出されることのなんと甘美な。てんし……あぁ、天使」
(なんで、わざわざコイツに持たせたんだよ!!!畜生)
すぐさまに、こいつから離れたいが為に具現化で急いで紙とペンと出してお返しの手紙を書き出して、この変態に持たせた。犬のごとく、喜びながら店を出て行く姿に恐怖を覚えながらも、この変態が消えたことにほっと安堵する。グラスもウィーンも、怖がる私の為に遠隔瞬間冷凍や、殺人級な重厚パンチを惜しみなく振るってくれて嬉しい。
「助けてくれてありがとう、グラス……ママー」
「いえ、これからもこうやってカリスティアを守ってゆくのですから、気にしないでください。言ってくだされば、後が付かぬよう葬れるので、耐え難いならばいつでも頼ってください」
「カリスティアちゃんのママだもの、あんなのから守るのは当然!!! あと、葬る計画ならママも入れて欲しいな」
葬られたら生き霊になってそれこそ死ぬまで付いてきそうだから、頼まないようにしよう。まだ生きてどうにかできる範囲に置いておこう、害悪すぎてそれしか対処法が思いつかない。グラスの氷魔術もウィーンのパンチも効かないほどの防御力で……寒気がしてくる。もう、あの変態次から這い寄る変態って名付けよう、そうしよう。
カリスティアはそう考えて、ウィーンに抱っこされたままに憐れみを向けてくる周りのギャラリーや従業員さんに騒がしくした謝罪をしてから、二階の皆の部屋に上がった。デブ王は別だけどこの先の話し合いがあるので、一旦三人部屋にスライムとよく分からない魔物と一緒に上がってもらった。
「俺はリチェルリットに行くぞい。俺はこのカワイイ魔物が住みやすければどこでもよい」
「本当に数日間どこをどうしても使えなかったので、どうぞ一人で勝手に輸送されてください」
本当のこととはいえ、直球に言うグラスのなんと容赦の無いことか、とうの言われてる本人は流石に慣れたのか気にせずに魔物と戯れている。三人とも早々に見切りをつけて、今後について話し合う。カリスティアはできれば二人を巻き込みたくないので、国に帰るように言うのだが、それぞれ、カリスティアについて行くと言って聞かないことに困惑する。
「基本、私を一番に友達にしたりとかそこまで身体張られるような人間じゃないから、本当に、ありがたくてどうしていいかわからない」
どれだけ優しくしても、誰かの一番の友達になれた試しがないので、純粋に困惑している。私は相手の求めることや悩みや愚痴を聞いても、一番の友達にしたいと言われるとノーと言われて続けていたのだ。それがここに来て急に命を、危険を冒して守りたいと言われるとやはり困惑しか浮かばない。
「どうして良いか分からないのなら、素直に受け取りなさい」
「そうそう、貰っておいて損はないわよ」
「うん、ありがとう」
なんか、いつの間にか皆に守られ過ぎてるな……これではいけないと、カリスティアも気合いを入れてお礼を言う。それとも、そう思えるのも経験だからこそなのかな? だとしたら、前の世界で一番になれなくてよかったかもしれない。よし、頑張ろう!と話を始めて逃亡の候補二つ挙がった。
・一つ目この国にに居座りながら逃げること
この町にはもう居れないけど、魔族の国はそれぞれの小さな村や町が沢山あるので、それを転々とするだけで大分追うのが大変だそう。
・二つ目【奥ゆかしい処刑場】をまた渡って悪魔族の国に戻ること。
悪魔族の国はそう簡単に捜査の手を及ばせられないので、引き籠もるだけなら最適なのだけど気候で人間【特に私】は死ぬ可能性がある。
「……一つ目で、もうあの極寒と灼熱のコラボレーションはこりごり、ちゃっかり景色が美しいのも相まってトラウマ」
死ぬほどの吹雪と無駄に綺麗な花の雨から包まれるような春の気候は、神経をぐちゃぐちゃにしてくるほどにデタラメに体力を奪ってくるので、しばらくは吹雪きとお花畑は見たくないと思ってしまうほどだ。
「わかりました。ならば今日にでも近くの村にでも移動しましょう。私の通信水晶は全部停止して壊しましたし」
「カリスティアちゃんは普段から隠密は得意みたいだけど、グラス君はちょっと目立つからどうする?」
「それなら、具現化で姿を変えられたりごまかせるのを作ってみる。多分今ならできそう……だし、なんかリザードマンみたいなかっこいい風貌に見えるようにしてあげるよ」
「普通の人間でお願いします」
「えー、面白くなーい!!! じゃあ、デブ王と同じナリにすれば絶対ばれないから……」
「凍らせますよ?」
「はい、ごめんなさい。だから腕輪を掲げで、張り付いた無表情でこっちこないで怖い」
「無表情なせいで、怖がって見えませんね」
春のような温暖な気候の中で、誰かに聞かれるのを恐れて窓とドアは閉め切り、声が盗聴されないようにウィーンが隠蔽の結界を掛けての話し合い、そのせいで集中しすぎたのか……カリスティアは気づけなかった侵入者に肩に手を置かれた所でドッと汗が噴き出して、頭は【ヤバい】と警鐘を鳴らす。相当隠密が得意なのか、その状況でもグラスとウィーンは気づかないで、考えこんだまま。
「グラ……」
「うんうん、ナイスアイディアだ。けど……国はどれほどカリスティアとグラス、お前らが欲しいかを自覚したほうがいい……」
気づいて!と二人に声を掛ける前に自分の肩に手を掛ける者が先に存在を主張した。グラスもウィーンも反応が遅れて、私の座っている方向とその後ろを見る。肩から手が離れたかと思うと、体重を掛けて両腕で椅子ごと抱きしめられる。自分の顔に垂れ下がる金髪には見覚えがある。
「エピク……ランティッド……様」
何者かを把握したあとに、具現化ストックから水明の剣をだして後ろを薙ぐもののすでに離れてて空振りしてしまった。機密情報管理だから、戦闘は得意ではないと思いたい。そんな願いの中で椅子を飛び越え斬りかかる。狭い部屋だから、リーチは短いながらも十分間合いに入った。勢いのまま上から下に振り下ろすも、消えた。速すぎて目で追えないとかそんなんではなく、文字通りそこに居た所から消えた。
「我が主、国王の命により……カリスティア、およびグラスを捕らえ国に送還する」
「グラス君!!! ここは私が食い止めるからカリスティアちゃんを!!!」
消えたと思ったら、全員の向いていた所とは真逆の方向から声が聞こえて、三人とも一斉に振り向く、カリスティアは振り向きざまに流し目でデブ王はどうしているかと見てみると、デブ王は自分には関係ないと変わらずに魔物と戯れている。心の中でこの野郎と思うカリスティアだったが、構っている暇はないので、すぐに思考を切り替える。ウィーンの指示通りに、逃げるのが得策だと少しずつ窓の方向へ下がる。ドアは開けるのに隙ができすぎる。
「逃がさねぇーよ。【ル デキャラージュ オレール】」
そうやって、素朴で虫も殺せないような顔で悪戯に笑って、手を叩くと一瞬で景色が変わる。綺麗な青空とでこぼこした小さな岩山と地面しか周りにない場所……一体どういうことだと頭が混乱する中で、水明の剣を構える。幻覚かと思って自分に治癒術を掛けて見ても景色に変化はないことから、幻覚ではない。ならば……転移? それも違うそんな一瞬でできるならば、とっとと国に送還すればいい。
ウィーンもグラスもいつでも戦う準備はできている、それぞれ魔力を循環させる。エピクは……素手で応戦するつもりなのか、何やら武器を構えるそぶりはなし。カリスティアは空っぽのMPを回復させるためにHPを僅かに削ってストックからMP全回復ポーションを出して飲む。
(普段余ったMPを回復ポーションにしたりしててよかった……。さて、お相手さんは……どうする)
飲む終わるのを待っていたとばかりに、エピクがチリチリとあたりの魔力を震わせる。虫の殺せないような顔をしているのに、この背筋に這い上る感覚は確かな殺気を纏ってゆっくりとこちらに歩いてくる。
「ちなみにカリスティアは知らないままだから、自分が教えるさ……リチェルリットの幹部にはいくつか条件があるけど……共通の絶対条件は……一人で1000人を相手できるくらいの強さであること……情報管理してるっていっても……自分は非戦闘要員じゃないよ」
その言葉に、最近はマシになった表情が恐怖で色を無くす感覚がした。尋常ではない魔力がこの空間とエピクから吹き出しはじめて、魔力の圧で喉から心臓が押し出されそうだ。過ぎた魔力の流れは身体を蝕む毒となり枷となる力が身体を圧縮してくる。
「全ての時と空間に存在する情報は我が手に……時と空間の情報管理者、それが自分の称号さ……。これで、今どういう状況か少しはわかっただろ? もう一度言う、嫌でも無理でも国に帰って貰う……それが国王の命令だ」
お二人が消えてからというものの、毎日が少し褪せて感じます。
お二人に会いたい、それが私の望であるのは変わりません。
けれど、カリス様は国に帰らず。迎えから逃げてください。
今はカリス様が戻られるのは大変危険です。理由は伝える事ができませんが
どうか、どうか、私を信じて国からお逃げください。
近いうちにドワーフ国が魔物のあふれ出る【仮初めの終焉】が始まる前にどこかに戦争を仕掛けるでしょう。
そうなれば、リチェルリットは防衛の為に貴方達の捜索を一旦打ち切るはずです。
それまで、逃げてください。
「……カロネちゃん……私を思って手紙を書いてくれるのとても嬉しい……嬉しいのだけど」
カリスティアが手紙を読んで、後ろを振り向くと凍りついて左目くっきり青たんを作ったあの変態が自分の座って居た椅子に、息を切らしてよだれを垂らしながらこちらをなめ回すように見ている。思わずに変態と反対方向に顔と身体を反らす。
「すーはー。天使さまが、天使様が座った椅子……お召し物から僅かに漏れ出る香しい匂いが椅子からする……そのかぐわしさに酔いながら天使様に虫とばかりに蔑まされて逃げ出されることのなんと甘美な。てんし……あぁ、天使」
(なんで、わざわざコイツに持たせたんだよ!!!畜生)
すぐさまに、こいつから離れたいが為に具現化で急いで紙とペンと出してお返しの手紙を書き出して、この変態に持たせた。犬のごとく、喜びながら店を出て行く姿に恐怖を覚えながらも、この変態が消えたことにほっと安堵する。グラスもウィーンも、怖がる私の為に遠隔瞬間冷凍や、殺人級な重厚パンチを惜しみなく振るってくれて嬉しい。
「助けてくれてありがとう、グラス……ママー」
「いえ、これからもこうやってカリスティアを守ってゆくのですから、気にしないでください。言ってくだされば、後が付かぬよう葬れるので、耐え難いならばいつでも頼ってください」
「カリスティアちゃんのママだもの、あんなのから守るのは当然!!! あと、葬る計画ならママも入れて欲しいな」
葬られたら生き霊になってそれこそ死ぬまで付いてきそうだから、頼まないようにしよう。まだ生きてどうにかできる範囲に置いておこう、害悪すぎてそれしか対処法が思いつかない。グラスの氷魔術もウィーンのパンチも効かないほどの防御力で……寒気がしてくる。もう、あの変態次から這い寄る変態って名付けよう、そうしよう。
カリスティアはそう考えて、ウィーンに抱っこされたままに憐れみを向けてくる周りのギャラリーや従業員さんに騒がしくした謝罪をしてから、二階の皆の部屋に上がった。デブ王は別だけどこの先の話し合いがあるので、一旦三人部屋にスライムとよく分からない魔物と一緒に上がってもらった。
「俺はリチェルリットに行くぞい。俺はこのカワイイ魔物が住みやすければどこでもよい」
「本当に数日間どこをどうしても使えなかったので、どうぞ一人で勝手に輸送されてください」
本当のこととはいえ、直球に言うグラスのなんと容赦の無いことか、とうの言われてる本人は流石に慣れたのか気にせずに魔物と戯れている。三人とも早々に見切りをつけて、今後について話し合う。カリスティアはできれば二人を巻き込みたくないので、国に帰るように言うのだが、それぞれ、カリスティアについて行くと言って聞かないことに困惑する。
「基本、私を一番に友達にしたりとかそこまで身体張られるような人間じゃないから、本当に、ありがたくてどうしていいかわからない」
どれだけ優しくしても、誰かの一番の友達になれた試しがないので、純粋に困惑している。私は相手の求めることや悩みや愚痴を聞いても、一番の友達にしたいと言われるとノーと言われて続けていたのだ。それがここに来て急に命を、危険を冒して守りたいと言われるとやはり困惑しか浮かばない。
「どうして良いか分からないのなら、素直に受け取りなさい」
「そうそう、貰っておいて損はないわよ」
「うん、ありがとう」
なんか、いつの間にか皆に守られ過ぎてるな……これではいけないと、カリスティアも気合いを入れてお礼を言う。それとも、そう思えるのも経験だからこそなのかな? だとしたら、前の世界で一番になれなくてよかったかもしれない。よし、頑張ろう!と話を始めて逃亡の候補二つ挙がった。
・一つ目この国にに居座りながら逃げること
この町にはもう居れないけど、魔族の国はそれぞれの小さな村や町が沢山あるので、それを転々とするだけで大分追うのが大変だそう。
・二つ目【奥ゆかしい処刑場】をまた渡って悪魔族の国に戻ること。
悪魔族の国はそう簡単に捜査の手を及ばせられないので、引き籠もるだけなら最適なのだけど気候で人間【特に私】は死ぬ可能性がある。
「……一つ目で、もうあの極寒と灼熱のコラボレーションはこりごり、ちゃっかり景色が美しいのも相まってトラウマ」
死ぬほどの吹雪と無駄に綺麗な花の雨から包まれるような春の気候は、神経をぐちゃぐちゃにしてくるほどにデタラメに体力を奪ってくるので、しばらくは吹雪きとお花畑は見たくないと思ってしまうほどだ。
「わかりました。ならば今日にでも近くの村にでも移動しましょう。私の通信水晶は全部停止して壊しましたし」
「カリスティアちゃんは普段から隠密は得意みたいだけど、グラス君はちょっと目立つからどうする?」
「それなら、具現化で姿を変えられたりごまかせるのを作ってみる。多分今ならできそう……だし、なんかリザードマンみたいなかっこいい風貌に見えるようにしてあげるよ」
「普通の人間でお願いします」
「えー、面白くなーい!!! じゃあ、デブ王と同じナリにすれば絶対ばれないから……」
「凍らせますよ?」
「はい、ごめんなさい。だから腕輪を掲げで、張り付いた無表情でこっちこないで怖い」
「無表情なせいで、怖がって見えませんね」
春のような温暖な気候の中で、誰かに聞かれるのを恐れて窓とドアは閉め切り、声が盗聴されないようにウィーンが隠蔽の結界を掛けての話し合い、そのせいで集中しすぎたのか……カリスティアは気づけなかった侵入者に肩に手を置かれた所でドッと汗が噴き出して、頭は【ヤバい】と警鐘を鳴らす。相当隠密が得意なのか、その状況でもグラスとウィーンは気づかないで、考えこんだまま。
「グラ……」
「うんうん、ナイスアイディアだ。けど……国はどれほどカリスティアとグラス、お前らが欲しいかを自覚したほうがいい……」
気づいて!と二人に声を掛ける前に自分の肩に手を掛ける者が先に存在を主張した。グラスもウィーンも反応が遅れて、私の座っている方向とその後ろを見る。肩から手が離れたかと思うと、体重を掛けて両腕で椅子ごと抱きしめられる。自分の顔に垂れ下がる金髪には見覚えがある。
「エピク……ランティッド……様」
何者かを把握したあとに、具現化ストックから水明の剣をだして後ろを薙ぐもののすでに離れてて空振りしてしまった。機密情報管理だから、戦闘は得意ではないと思いたい。そんな願いの中で椅子を飛び越え斬りかかる。狭い部屋だから、リーチは短いながらも十分間合いに入った。勢いのまま上から下に振り下ろすも、消えた。速すぎて目で追えないとかそんなんではなく、文字通りそこに居た所から消えた。
「我が主、国王の命により……カリスティア、およびグラスを捕らえ国に送還する」
「グラス君!!! ここは私が食い止めるからカリスティアちゃんを!!!」
消えたと思ったら、全員の向いていた所とは真逆の方向から声が聞こえて、三人とも一斉に振り向く、カリスティアは振り向きざまに流し目でデブ王はどうしているかと見てみると、デブ王は自分には関係ないと変わらずに魔物と戯れている。心の中でこの野郎と思うカリスティアだったが、構っている暇はないので、すぐに思考を切り替える。ウィーンの指示通りに、逃げるのが得策だと少しずつ窓の方向へ下がる。ドアは開けるのに隙ができすぎる。
「逃がさねぇーよ。【ル デキャラージュ オレール】」
そうやって、素朴で虫も殺せないような顔で悪戯に笑って、手を叩くと一瞬で景色が変わる。綺麗な青空とでこぼこした小さな岩山と地面しか周りにない場所……一体どういうことだと頭が混乱する中で、水明の剣を構える。幻覚かと思って自分に治癒術を掛けて見ても景色に変化はないことから、幻覚ではない。ならば……転移? それも違うそんな一瞬でできるならば、とっとと国に送還すればいい。
ウィーンもグラスもいつでも戦う準備はできている、それぞれ魔力を循環させる。エピクは……素手で応戦するつもりなのか、何やら武器を構えるそぶりはなし。カリスティアは空っぽのMPを回復させるためにHPを僅かに削ってストックからMP全回復ポーションを出して飲む。
(普段余ったMPを回復ポーションにしたりしててよかった……。さて、お相手さんは……どうする)
飲む終わるのを待っていたとばかりに、エピクがチリチリとあたりの魔力を震わせる。虫の殺せないような顔をしているのに、この背筋に這い上る感覚は確かな殺気を纏ってゆっくりとこちらに歩いてくる。
「ちなみにカリスティアは知らないままだから、自分が教えるさ……リチェルリットの幹部にはいくつか条件があるけど……共通の絶対条件は……一人で1000人を相手できるくらいの強さであること……情報管理してるっていっても……自分は非戦闘要員じゃないよ」
その言葉に、最近はマシになった表情が恐怖で色を無くす感覚がした。尋常ではない魔力がこの空間とエピクから吹き出しはじめて、魔力の圧で喉から心臓が押し出されそうだ。過ぎた魔力の流れは身体を蝕む毒となり枷となる力が身体を圧縮してくる。
「全ての時と空間に存在する情報は我が手に……時と空間の情報管理者、それが自分の称号さ……。これで、今どういう状況か少しはわかっただろ? もう一度言う、嫌でも無理でも国に帰って貰う……それが国王の命令だ」
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