転生幼女具現化スキルでハードな異世界生活

高梨

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一時のお休み

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 残飯処理を済ませて一日の朝に、常温で置いておいても大丈夫な果物や野菜類をキッチンに置いて置いたからソレで料理をしようと眠い目をこすって、しょぼしょぼとキッチンに向かうとドロウ君が早速その材料で料理していた。自分も私も体調はあまりよろしくないので、朝も胃に優しいスープだ。ドロウ君のは私と違ってちゃんとした技術の元のあっさりとコクのあるスープで、美味しさのあまり口に入れた瞬間にジリリとしびれるような錯覚が起こるほどに美味しかった。

 ある程度食べ終わった後に、食器を片付けるのを手伝いながらこれまでの事を説明した。ヴィスの町のこととか話せることの範囲を全て、4歳とかそっちの方面は信じて貰えるか怪しいが、釈然としないように天井をみて何かを考えたドロウ君は「よし、信じた」っと笑った。あっさり信じて良いのかと苦笑いしながら食器の片付けを終えてお互いに席に座る。何だかんだ対話とかそういうのは出来てないから良い機会だろう。

「カリスティアちゃん……本当に大人びてるな、俺も見習おう」

「説明の通りにそれなりに苦労したからだよ。精神年齢なんて一度上がったら下げるのが大変だし、勝手にあがってくから別に見習わなくてもいいと思うよ? 今心配なのはグラスよグラス」

 やっぱり年齢とガタイの良さとダンディーな顔に似合わない青年のような仕草で肩をすぼめている。私なんかに見習う所を見いだす彼は素直な人なのだろう。微笑ましくなりつつも、グラスのことを話し合う為に強引に話しを切り出した。

「結局朝も目が覚めなかった、話し聞くにグラスも結構なご苦労を背負ってるからなぁ……。ああ、いやカリスティアちゃんのことじゃ……」

「私のことも負担になってるのは重々承知だから、続けて」

 私という存在が重荷になることを承知で、恋人として愛しい人として寄り添っているのだから別に言われても気にならない。続けて欲しいと変わらぬ顔で言うとドロウが今度は苦笑いをしてこちらを見た。

「……本当に強いな。男って言うのはだな。好いた女の子に弱みを見せたくない……そこまでの訓練をして守りたいと思うなら、余計にだ……だから自分を責めるだろうな」

「自分を責めて、自身の欠点を見いだして成長するのならまだしも、今回はグラスに非はないし人間として当然のこと……仲間にしばらくの猶予は貰ったから少しずつ様子見てみるよ」

 やっぱり男の人は自分が弱っている所を見られたくは無いのか……。他人の弱っている姿は堂々と見てくる癖に! なんて思ってしまうのは早計だから心の内にしまう。まだご本人が目覚めてないから言えないけれど……、けど、グラスは絶対に自分の弱っている姿見せたくない方だろうな~。

 あぁ、どうしましょーっとおちゃらけて、両腕をドロウ君に投げ出して見せると、緊張の糸が切れたようにドロウ君は机に突っ伏した。

「あぁ~!!! カリスティアちゃんっておちゃらけてる時と真面目な時の落差がありすぎて年齢がわかんねぇ」

「私のモットーは真面目にやらなければならないときは嫌でも来るけど、おちゃらけてふざけられる時は少ないから全力でふざける……よ?」

「たははは、精神面じゃカリスティアちゃんを目標について行きますかね」

 私を目標にしたら脳内自己罵倒会議が密かな特技になるから止めといたほうがいいと言いそうになるもグッと堪える。まぁ、彼から見た私を目標にするのならば止めはしない。ぶっちゃけ一度でもブラック企業にズタズタにされてから時間掛けて復帰した人生を経験したら大抵こんな性格になると思う。

 ウィーンママに報告するためにグラスの荷物からふんだくった水晶を机に置いて魔力を込める。グラスは何気なくこの水晶系の魔道具使ってるけど結構難しい。シャボン玉を潰さないように掴めと言われている並に力のコントロールが難しいから少し間違えると……。

バチン! バキッッ!

「カリスティアちゃん、ヒビ入ってるが大丈夫か?」

「やっちまったぜベイベー……。えぇ、コレどうするよ。具現化?水晶系具現化するの大分魔力使うなー……」

 大丈夫か?の問いを答える余裕はなく、両腕を頭に持って行って立ち上がって打ちひしがれた。水晶系の具現化し直す為に魔物の死骸ストックを14体くらい犠牲にしてやっと元の水晶に戻す頃には、自分で通信しようなんて馬鹿な考えを捨てました。難しすぎるんだよ魔力操作が……しかたないからグラスが目覚めた時に通信して貰おうと途方に暮れて肩を落とす。

「出来ないんだったらしかたない。俺はそのまま洗濯に行くが他に洗う予定の衣服あるかい?」

「あーやって貰っちゃってごめん、ありがとう。このインビジブルマントと……あとこの服とあれとか」

 いいっていいってと軽快に笑うドロウ君はストックから出した服や布を受け取って洗濯をしに外へでる。ウィーンママの縄張りだから魔物は出ないと思うけど一応、簡単な短剣をドロウ君に持って貰ってから行ってもらった。さて、私はグラスの様子でも見に行くかと、一度壊してから具現化でおにゅ~の水晶を片手にグラスの部屋へ向かう。一応ノックをしてみるが返事がないのでまだ目覚めて無いのかと少し残念に思いながら静かに扉を開けた。


「何してんの!!!」

「カリスティ…!」
 
 凄いフラフラしながら着替えているグラスを無理矢理止めてベットに縫い付ける。顔も身体も熱いし氷雪適応体質でも病気の寒気はどうにもできないらしくガタガタと身体が震えている。この若造め、大人しく休めと有無も言わさずほぼボタンを解かれた、寝間着(多分ドロウ君が着せてくれたのでしょう)のボタンを私は締め直す。ゲームならご褒美なのだけど、現実でされるとどれだけ心臓に悪い行動かは子育てしたことある人ならば少しはわかってくれるとは思う。

 最後のボタンを締め終わる頃にグラスは私の腕をよろよろと掴んだ。肩で息をしている状態で必死に水分のない声で「大丈夫で……すから」っと潤んでぼんやりとした瞳で見られるものだから、微妙にいたたまれなくなってくる。何も言わずに腕の力を解くと、私が受け取った大丈夫の意味が違ったようでせっかく戻したボタンをまた解き始めた……こりゃダメだ。

「そこの顔面永久凍土止まれ、フリーズ」

「大丈夫です」

「はいはい、大丈夫なら寝ましょうねー」

 グラスの力の無い腕を振り払い、解いたボタンをまた締め直す。グラスの大丈夫を受け止めながらも完全にボタンを閉める。グラスに水を飲ませてドロウ君の作ってくれたスープを持って戻るとまた着替えようとしていたグラスを止めて寝かせる。大分汗でびっしょりだったからドロウ君の洗濯が終わったら着替えさせてくれるように頼みながら適度にグラスを監視しながら作業を進める。今回の事は予想出来てたために自動魔力障壁の指輪の修理やそのた諸々の旦那さんとの戦いで壊れた物の修理など、監視しながらやれる作業を容易しててよかった。

「カリスティア……急がないと」

「今は急いだ方が遅れるよ、ドロウ君とかも休まないといけないし」

 ドロウ君を使ってやっとグラスは大人しくなった。今回はグラスだったけれどあんなハードスケジュールなんてこなしたら普通の人は体調不良になる。私は慣れているから悪化しないまま少しずつ回復する方法を取れるけど二人は違う……無茶すぎる。

(ブラックってサバイバルや戦争訓練並にキツいような気がしてきた今の状況見ると)

 極限状態の疲労でできるだけ体調を崩さないように立ち回る方法はブラックに務めていたおかげで身についたスキル。

・眠れないなら眠れないなりに目を瞑って何も考えないこと、それだけで脳が休んでくれる。

・疲労して眠いときだからこそ目をできるだけ擦るな。目でも風邪とインフルエンザは感染することがわかってる

・キーンという耳鳴りがしたら、すぐにその作業を数分でもいいから中断すること、自律神経がおかしくなってる兆候

・寝不足の極限になると夏だろうが、スキーウェア着ていようが、寒くてガタガタ勝手に身体が震えるようになるのですぐにねること……過労です。

 寝不足で勝手に身体がガタガタ震えるようになった時は流石に死を身近に感じたな……二度と経験したくない。真夏にスキーウェア着てその中にチャンチャンコと湯たんぽを抱いても寒かったな……。私はこんな経験をグラスには絶対に経験して欲しくはない。

 グラスの額に置かれたタオルが乾いているのを確認して氷水に浸して絞って乗せる。何度言っても逃がしてくれないことを流石に察したグラスはもうされるがままだった。けれど心配なので一応釘は刺しておこう。

「次に無理して起き上がったら、グラスの身ぐるみ剥いで身体拭いてあげるよ」

「…………わかりました」

 






「愛しき神よ……! 我が国を救う黒い神よ我らを憐れみ救いたまへ!!!」

 その一時すらも事態は止まらず動いているのだ。

 


 


 

 






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