結婚する事に決めたから

KONAN

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大物を求めて

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数日間、何もなく竹田さんとは職場で会って目が合って、LINEで話す程度な日々を過ごしていた。


二人っきりになる時がたまにある。


その度に、


私「竹田さん!今だ!チャンスです!」


って言って手を広げる。


竹田「今、絶対ムリムリー!誰か来そう!」


ハグしたいけど出来ない。


そんな焦る竹田さんを見るのが面白い。


私「あー、残念、今ならチャンスなのに~」


このやりとりがたまらない。


土曜日になり、竹田さんは休みで、美容院へ行くと言っていた。


私は業者対応がある為、休日出勤で仕事へ。


板金屋は土曜日もデイサービスがあるので、出勤していた。


デイサービスの利用者が少ないので、私と親分は土曜日は送迎がない。


業者が作業している間は暇だから、施設内をウロウロしていたら板金屋がいた。


私「グッドモーニング」


板金屋「グッドモーニングです」


私「今夜はイカ釣りっすよ」


板金屋「はいー、大物釣って竹田さんにプレゼントですね!」


この男、必ずドッキリを仕掛けてやるぞ!


私「休みの日に竹田さんに会うことなんて、ないっすよー」


板金屋「連絡すればいいんですよー」


私「きっと彼氏とデートしてますよー」


板金屋「波多野さん、そんなことでいいんですか?!」


私「え?!なにかまずいんすか?」


板金屋「竹田さん独身で同い年で、ピッタリなんだからアタックしないと!」


私「いやー竹田さんには彼氏がいるから、それはダメですよ~」


板金屋「ほんとにいるのかなぁー」


私「さぁー謎は深まるばかり」


日中は仕事をして晩にイカ釣りへ。


二人とも別々の車で海へ向かった。


防波堤に着いたが爆風だった。


私「板金屋さん風がすごいぞ!海に落ちたら痛いから気をつけるんだぞ!」


板金屋「痛いどころか行方不明になって死にますよ!」


私「確かに!俺あと一機しかないから気をつけるわ!」


板金屋「俺もあと一機しかないですよ!」


ウキ釣りでイカを釣るのと、エギングでイカを釣ることにした。


スーパーで買ったアジを餌にして、ウキ釣り開始。


時刻は19時。


私は防波堤の先端でエギングを開始した。


私「板金屋さん、ウキが沈んだら教えてください」


板金屋「わかりましたー。風がすごいですね」


私「防波堤俺らしかいないから、釣り放題だ」


板金屋「つまり、チャンスですね!竹田チャンス!」


私「なんだ、その竹田チャンスって」


板金屋「竹田さんへのプレゼントをゲットするチャンスですよ!」


私「親分の冷凍庫に入れとけば、イカ料理を竹田さんも食べれるから十分ですよ!」



板金屋「イカ釣ってカッコいいところも見せればいいんですよ!」


私「竹田さん見てないのに?!笑」


板金屋「あ!竹田チャンス来た!」


私「なに?!あ!マジだ!」


ウキが沈んだ。


板金屋「早くなんとかしないと!」


私「まだダメだ!ウキ釣りの場合、イカが手先でアジをつかんでるだけの時があって、フッキングしてもハリにかからない事がある!
だけん、かなり食べた状態まで待たないとダメだ」


板金屋「どんくらい待つんですか?」


私「だいたい3分くらいだな。そしたら、フッキングだ!」


板金屋「なら、タイマーで計りましょう!」


私「オーケー!」


3分過ぎた。


板金屋「3分過ぎました」


私「よーし、フッキングするぞ!」


フッキング!


かかった!


私「おっしゃ!きたー!」


板金屋「竹田さんキター!」


私「なんだそりゃー!お!なかなかデケぇぞ!だいぶ引っ張るわ!板金屋さんタモタモ~」


板金屋「わかりました!」


風が爆風の中、イカを引き寄せたけど、竿が長いため、防波堤の足元にイカを持って来れず、タモ入れが出来ない。


板金屋「もう少し手前に寄せれませんか?!」


私「板金屋さん、俺後ろに下がってもっと手前にイカを寄せるわ!イカが見えなくなるから、タモ入れと指示を頼むぞ!」


板金屋「わかりました!」


私は竿を持ったまま、ゆっくり後ろに下がった。


そうする事で、だんだんイカが防波堤に近づいてきた。


板金屋「もう少しさがったら、止まってください」


私「オーケー」


しばらく板金屋がタモ入れを頑張っていた。


板金屋「お!」


私「どお?!」


板金屋「入りましたよ!」


私「ナイスナイス。よーし!そのまま引き上げろー!」


板金屋「はい~釣れた~」


でっかいアオリイカが釣れた。


私&板金屋「おお~!」


私「やったな!」


板金屋「やりましたね!竹田さん大喜びですよ!」


板金屋め~、ドッキリ絶対しかけてやるぞ!


私「重さ測ってみようぜ!」


クーラーボックスに入れる前に、測りがあるから計測した。


2100gだった。


久々の大物だ。


私「2キロ越えたな」


板金屋「食べるとこめっちゃたくさんありますよ!施設の冷凍庫に入れといて、月曜日に親分に捌いでもらいましょう!」


私「親分も、すげえ!って言うぜ」


板金屋「ですね!イカってこんなデカいんだぁ」


私「アオリイカは超高級なんすよ。回転寿司なら200円皿ですよ!」


板金屋「マジっすか!」


私「マジマジ。だけん、俺はこのイカばっかり狙うに」


板金屋「じゃあ、親分の作るイカ丼は高級なんですね!」


私「そうだよ!高級なイカ丼を米代だけで食べれるなんて、日本で老健雪山ぐらいなもんだで!」


板金屋「さすがです」


私「よーし、爆風で危ないから、とっととずらかろうぜ」


板金屋「帰りましょう、帰りましょう」


本日のイカ釣りは終了。


時間にして1時間も海にいなかった。


でも、大物が釣れたからよかった。


20時には撤収して帰ることにした。


私「じゃあ、板金屋さんまた月曜日ですね!」


板金屋「めっちゃ楽しかったです、大物釣れたし」


私「施設に行って、もうこのイカ冷凍庫に入れとくわ」


板金屋「いやぁー竹田さんの反応が楽しみですねぇ」


私「果たして竹田さんが見るチャンスがあるのやら」


そう言って、施設へ行き、冷凍庫にイカをしまって家に帰った。


イカの写真を竹田さんに送った。


私「板金屋と共に釣りました」


竹田さんからLINEが来た。
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