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修羅場
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居ても立っても居られず、娼館へと駆け込んだ。
手当たり次第に客室のドアを乱暴に叩く。
「ポーラッ! どこだ、ポーラッ!」
「おい、何なんだアンタ!」
「うるさいっ! 僕はポーラの夫だぞ!」
「だからポーラって誰だよ!?」
娼館の店主は、突然入ってきた男に困惑していた。間もなく駆け付けて来た警備の男たちが、ダミアンを取り押さえる。
「はな、放せっ! 僕を誰だと思っている!?」
「いいから大人しくしろ!」
男娼と客の女たちがドアから顔を出して、訝しそうにこちらの様子を窺っている。
まるで見世物になったような気分だ。ダミアンは屈辱感で頬を染めた。
「やだ……何でダミアン様がここにいるの?」
その声にはっと顔を上げると、愛する妻がダミアンを凝視していた。
顔半分しか見えないが、間違いない。ダミアンは「彼女が僕の妻だ!」と叫んだ。これ以上暴れられても面倒だと思った店主が、「放してやれ」と警護の男に命じる。
解放されたダミアンは、一目散にポーラがいる部屋へ走り寄った。ポーラが慌ててドアを閉めようとするが、ギリギリのところでその隙間に足を挟み込む。
大きく目を見開いた女と、目が合う。それはやはり、ダミアンの妻だった。
「ポーラ! こんなところで何をしているんだ!? 茶会に行くと言っていなかったか!?」
「あの、その……」
引き攣った笑みを浮かべながら、目を泳がせている。
ポーラは裸にシーツを巻き付けただけの、あられもない姿だった。その後ろでは、全裸の男がこちらを睨み付けている。
そして室内には、情事特有の熱気と匂いが残されていた。
「き、君、あの男と……」
「ほ、ほんの遊びですわよ」
「あそ、び?」
「ええ。私が本当に愛しているのは、ダミアン様ですもの。だけどほんの少しだけ刺激が欲しくなっちゃいましたの。ダミアン様なら、分かってくれますわよね?」
ポーラが上目遣いで理解を求めてくる。だがダミアンには、ポーラの行動が理解出来なかった。
(この状況を見られたのに、許してもらえると思っているのか? 何を考えているんだ!)
妻の裏の姿を目の当たりにし、ダミアンは愕然とする。
すると痺れを切らしたポーラが、自分の豊満な胸を押しつけてきた。
「ねぇ、後でダミアン様の好きなことを何でもして差しあげますわ。だから……許して?」
「うるさい! 僕に触るなぁっ!」
「きゃっ!」
ダミアンはポーラを勢いよく突き飛ばし、店内中に響き渡るほどの声量で宣言した。
「お前みたいな卑しい女は、僕の妻じゃない! 離婚だ、離婚してやる!!」
「ま、待ってダミアン様! 私を驚かせようとしてますのよね? 離婚なんて嘘ですわよね!?」
「男なら他にいくらでもいるだろ! 僕が知らないとでも思っているのか!?」
「そんなぁ……! だから、それは遊びで……」
顔面蒼白になりながらも、必死に言い訳をしようとする。
その時、夫婦の口論を見守っていた男娼が声を荒らげた。
「おい! 本命は俺だって言ってただろ! あれは嘘だったのかよ!?」
「え、わ、私そんなこと言ってませんわ!」
「嘘つけ! 旦那が公爵になったら使える金も増えるし、俺を使用人として雇わせるって言ってたじゃねぇか!!」
「本当なのか、ポーラ!?」
「えっと……あの……」
二人がかりで詰め寄られ、どっと冷や汗を掻くポーラ。何とか隙を見計らって部屋の外へ逃げ出すが、店の男娼たちが待ち構えていた。
彼らもポーラと関係を持っていたらしい。ポーラを取り囲み、激しい口調で詰問している。
「助けて、ダミアン様! お願いですわ!」
悲痛な叫びを上げる妻を無視して、ダミアンは娼館を後にした。
手当たり次第に客室のドアを乱暴に叩く。
「ポーラッ! どこだ、ポーラッ!」
「おい、何なんだアンタ!」
「うるさいっ! 僕はポーラの夫だぞ!」
「だからポーラって誰だよ!?」
娼館の店主は、突然入ってきた男に困惑していた。間もなく駆け付けて来た警備の男たちが、ダミアンを取り押さえる。
「はな、放せっ! 僕を誰だと思っている!?」
「いいから大人しくしろ!」
男娼と客の女たちがドアから顔を出して、訝しそうにこちらの様子を窺っている。
まるで見世物になったような気分だ。ダミアンは屈辱感で頬を染めた。
「やだ……何でダミアン様がここにいるの?」
その声にはっと顔を上げると、愛する妻がダミアンを凝視していた。
顔半分しか見えないが、間違いない。ダミアンは「彼女が僕の妻だ!」と叫んだ。これ以上暴れられても面倒だと思った店主が、「放してやれ」と警護の男に命じる。
解放されたダミアンは、一目散にポーラがいる部屋へ走り寄った。ポーラが慌ててドアを閉めようとするが、ギリギリのところでその隙間に足を挟み込む。
大きく目を見開いた女と、目が合う。それはやはり、ダミアンの妻だった。
「ポーラ! こんなところで何をしているんだ!? 茶会に行くと言っていなかったか!?」
「あの、その……」
引き攣った笑みを浮かべながら、目を泳がせている。
ポーラは裸にシーツを巻き付けただけの、あられもない姿だった。その後ろでは、全裸の男がこちらを睨み付けている。
そして室内には、情事特有の熱気と匂いが残されていた。
「き、君、あの男と……」
「ほ、ほんの遊びですわよ」
「あそ、び?」
「ええ。私が本当に愛しているのは、ダミアン様ですもの。だけどほんの少しだけ刺激が欲しくなっちゃいましたの。ダミアン様なら、分かってくれますわよね?」
ポーラが上目遣いで理解を求めてくる。だがダミアンには、ポーラの行動が理解出来なかった。
(この状況を見られたのに、許してもらえると思っているのか? 何を考えているんだ!)
妻の裏の姿を目の当たりにし、ダミアンは愕然とする。
すると痺れを切らしたポーラが、自分の豊満な胸を押しつけてきた。
「ねぇ、後でダミアン様の好きなことを何でもして差しあげますわ。だから……許して?」
「うるさい! 僕に触るなぁっ!」
「きゃっ!」
ダミアンはポーラを勢いよく突き飛ばし、店内中に響き渡るほどの声量で宣言した。
「お前みたいな卑しい女は、僕の妻じゃない! 離婚だ、離婚してやる!!」
「ま、待ってダミアン様! 私を驚かせようとしてますのよね? 離婚なんて嘘ですわよね!?」
「男なら他にいくらでもいるだろ! 僕が知らないとでも思っているのか!?」
「そんなぁ……! だから、それは遊びで……」
顔面蒼白になりながらも、必死に言い訳をしようとする。
その時、夫婦の口論を見守っていた男娼が声を荒らげた。
「おい! 本命は俺だって言ってただろ! あれは嘘だったのかよ!?」
「え、わ、私そんなこと言ってませんわ!」
「嘘つけ! 旦那が公爵になったら使える金も増えるし、俺を使用人として雇わせるって言ってたじゃねぇか!!」
「本当なのか、ポーラ!?」
「えっと……あの……」
二人がかりで詰め寄られ、どっと冷や汗を掻くポーラ。何とか隙を見計らって部屋の外へ逃げ出すが、店の男娼たちが待ち構えていた。
彼らもポーラと関係を持っていたらしい。ポーラを取り囲み、激しい口調で詰問している。
「助けて、ダミアン様! お願いですわ!」
悲痛な叫びを上げる妻を無視して、ダミアンは娼館を後にした。
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