【完結】悪役令嬢は折られたフラグに気が付かない〜王子たちは悪役令嬢の平穏を守れるのか!?〜【全23話+おまけ2話】

早奈恵

文字の大きさ
25 / 25
おまけ

最果ての修道院②

しおりを挟む
 不思議に思ったパナピーアはアクアを見る。
 すると彼女は後ろめたそうにパナピーアをチラッと見てすぐ目を逸らした。

「もう決まっている事ですから……避けるのは無理だと思いますわよ?」
「決まってる? でもゲームそのままのことが起こるわけじゃ無いんだし、今度はあたしがフラグ折っちゃえば良いんじゃないの?」
「それが……」

 言い淀むアクアを不思議そうに見るパナピーア。
 そして見兼ねたフィリンティアが話し出す。

「あの……今度は据え置きのゲームじゃないの」
「え? もしかしてPCパソコン?」

 アクアとフィリンティアが首を横に振る。

「じゃあ、携帯型ゲーム?」
「きっとスマホなんじゃない?」

 メロディーが口を挟んだ。
 すると、アクアが言いづらそうに……。

「漫画化されましたの。空前の大ヒットでしたのよ? ですからストーリーの分岐もありませんし、本人が話を捻じ曲げる事も難しいと思いますわ」
「はい⁉︎」

 予想外の展開に声がうわずった。

「以前この修道院にいらした女性で、漫画の主人公という方が……」
「そ、その子、どう成ったの?」
わたくしたちのように、何かを選ぶ自由はほとんど無かったそうですわ。それに変えられる所が少なく、やっと変えても結局元に戻るとおっしゃってましたし……」
「その人、パナピーアと入れ違いで、第二章のお話のためにお迎えが来て、連れていかれちゃったわよ?」
「ううう、嘘でしょう?」

 あっけらかんと言われ、パナピーアは開いた口が塞がらない。
 そこへフィリンティアが追い討ちをかける。

「あの人、ここでもフラグ折りまくってたのにダメだったんだから、きっと無理なのよ。諦めたほうが良いんじゃない?」
「いやぁ~! 嘘って言ってぇ~!」
「お察ししますわ……」
「パナピーア、かわいそう。──でも私じゃなくて良かった」

 どうにもならないと聞き、ポジティブなパナピーアもさすがにしょんぼり項垂うなだれる横で、メロディーが思わず本音を漏らす。
 パナピーアは本当にもう主人公は懲りごりだったのに……。

「あ、でも。ほら、漫画ならハッピーエンドだし、頑張れば幸せになれるんだから大丈夫じゃない? 私ならラッキーって思うかも?」
「そうよ大丈夫。わたし、漫画も読んだの。あの話はハッピーエンドよ? だから今度は幸せになれるわ。わたしが断言する」
「本当?」

 必死に励ますメロディーとフィリンティアに、ほんの少し気分の上がったパナピーア。
 二人が、パナピーアはチョロくて良かったと思った時、アクアが最後を締めようとするかのように口を開いた。

「きっと後から、楽しい思い出になると思いますわよ? 何しろ全五十二巻の大作ですもの……」
「へ? 何巻?」
「だから、番外編含めて全五十二巻ですわ」

 パナピーアの目がこれ以上ないほど見開かれる。

「ごごご、五十二巻~⁉︎」

 あまりの長さに呆然とするパナピーア。

「お話的には第四章まであったけど……パナピーアなら大丈夫。頑張れるわ、わたし信じてる!」

 フィリンティアのはなむけの言葉が耳を吹き抜け、さっきの言葉が脳裏をぎる。

 戦闘でてんこ盛りが事故って暗殺のハプニング⁉︎

 パナピーアは完全にパニクっていた……。

 むり無理ムリ!
 あたし耐えらんない!
 これからはここで慎ましくも自由に生きられると思ってたのに……。
 なんてこと!

 パナピーアは涙目だ。

「私、あなたの活躍を楽しみにしてるわ」
「わたしたちは応援しか出来ないけど、頑張ってね? パナピーア」
わたくしも何かできるなら協力いたしますから、お手紙くださいましね? ……なるべく詳しくお願いしますわ」

 瞳をきらめかせるメロディーと、口許をヒクつかせるフィリンティア。
 そして慈愛と見せかけた黒い笑みで優しく声をかけるアクア。

「みんな……ありがとう?」

 パナピーアの困難はまだ始まってもいなかったらしい。 


 * * * * *

 この作品を見つけて、最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。
 そして私の拙い作品にご意見・ご感想をいただき大変感謝しています。
 少しでも楽しかった、面白かった、と思ってもらえていたら嬉しいのですが……。
 また、他にも作品を掲載しておりますので、ご興味があれば読みに来ていただけると嬉しいかぎりです。
 最後に、読んで頂いたみな様に厚く感謝いたします。ありがとうございました。

 紗奈(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾⁾


 ★お願い★
 最後にこの作品を気に入っていただけましたら、お気に入りに入れていただけると励みになります。これからも応援いただけると幸いです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾⁾
しおりを挟む
感想 37

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(37件)

田中角栄
2023.11.26 田中角栄

おまけ。
とても面白かったです。
本編より面白かったかも?w

2023.11.27 早奈恵

気に入ってくださってありがとうございます(˶ᐢᗜᐢ˶)

解除
黄美
2022.08.14 黄美

どんなに高貴な人でも、貴族社会では「許します」ではなく「謝罪をお受けします」って言う決まりがあるはずですけど

2022.08.15 早奈恵

このお話をお読みいただきまして、ありがとうございます。
数多ある小説の中から、見つけて読んでいただけるだけで、とても幸運な事だと感謝しています。

ご指摘いただいた件ですが……。
この作品の中でアデリアーナは公爵家の令嬢。
パナピーアは男爵家の庶子。
貴族階級のほぼ頂点と最下層という、トンデモない身分差があります。
私としては、そこまで身分差がある場合、身分が高い者が下の者に『敬語』は使わないと考えています。
目下の者と話す時は『丁寧語』だと思っています。

なので敬語である『お受けいたします』ではなく『受け取らせていただきます』とか『受け取る事にいたします』が妥当なのではないかと思います。

ただこの場合、謝罪を受け取るのではなく、ただ単に『謝ったのだから罰は与えないでよい』という意味なので、なおさら『お受けする』では意味が変わってしまい使えないと思いました。

『許す』ならば『相手の何らかの行為・発言・活動などを許可すること』や『相手の罪・落ち度や問題・加害行為などを赦免すること』(しゃめん=責めない・追求しない)と辞書にも書いてありますので、一番近い言葉だと思いました。

本当は貴族社会らしく『赦免いたします』とか『黙許いたします』とかにすれば雰囲気出そうだとは思いました。
ですが『読む側は大人だけではないかもしれない』や『小難しい感じになるのも嫌だなぁ』と思いまして、考え直しました。

結果として『許す』では無く『許します』としました。
これでも『許し』+『ます』なので、丁寧語です。

長くなりましたが、こういう経緯があり、あの場面では『許します』と書きましたので、申し訳ありませんが変更はしないで今後もそのまま掲載させていただこうと考えています。

このようなご意見は、読者の皆さまがしっかり読んでくださった結果、初めて生まれてくるものだと考えていまして、とても貴重でありがたいコメントだと思っています。
また次の作品も読んでいただけるよう頑張ろう思っていますので、その時にまた読みにいらしていただければ幸いです。
本当にありがとうございました(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾⁾

解除
yori
2022.06.30 yori

はじめまして😆
完結ありがとうございます😊今日初めて読んで楽しませてもらいました。
感謝感謝です。
ヒロインがすごいですね。あそこまできたらもうビックリです。

2022.08.15 早奈恵

返信が遅くなって申し訳ありませんでした。
完結まで読んでくださったようで、とても嬉しいです。

今回は主人公の悪役令嬢がいかに『何もしないか』がコンセプトでしたので、その分あまりざまぁ対象の男爵令嬢に重い罰は下せないような気がしていました。
そこで出てきたのが、パナピーアちゃんでした(^^)v
作者としてはとっても良い動きをしてくれた、非常に優秀なキャラです。

また面白いと感じてもらえるようなお話を書きたいと思っていますので、ぜひ読みにいらしてくださいますよう、お願いいたします(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾⁾

解除

あなたにおすすめの小説

婚約破棄されたのでファンシーショップ始めました。 ― 元婚約者が、お人形さんを側室にしようとして大恥をかきました ―

鷹 綾
恋愛
隣国の王子から「政略的にも個人的にも魅力を感じない」と婚約破棄された、ファンタジア王国第三女王タナー。 泣きも怒りもせず、彼女が考えたのは――「いつか王宮の庇護がなくなっても困らない生き方」だった。 まだ八歳。 それでも先を見据え、タナーは王都の片隅で小さなファンシーショップを開くことを決意する。 並ぶのは、かわいい雑貨。 そして、かわいい魔法の雑貨。 お茶を淹れてくれるクマのぬいぐるみ店員《テイデイ・バトラー》、 冷めないティーカップ、 時間になると小鳥が飛び出すアンティーク時計――。 静かに広がる評判の裏で、 かつての元婚約者は「お人形さんを側室にしようとして」赤っ恥をかくことに。 ざまぁは控えめ、日常はやさしく。 かわいいものに囲まれながら、女王は今日も穏やかにお店を開けています。 --- この文面は ✔ アルファポリス向け文字数 ✔ 女子読者に刺さるワード配置 ✔ ネタバレしすぎない ✔ ほのぼの感キープ を全部満たしています。 次は 👉 タグ案 👉 ランキング用超短縮あらすじ(100字) どちらにしますか?

聖女はもうのんびりしたいんです【完結】

Lynx🐈‍⬛
恋愛
魔法の国オルレアン。この国には古代より聖女伝説があり、初代聖女エレノアは生きとし生ける者から愛され従わせる事が出来、万物の声が聞こえた。 オルレアンを建国し、初代女王となったエレノアの没後、1000年経っても恩恵を受け、繁栄した国だった。 しかし、甘い汁に慣れきった、恩恵に味を占めた国民達が増え、衰退していって100年。再び聖女を祀れ、とオルレアン国民が声を挙げると、忽ち我が聖女、とその地位を争う様になる。 そんな中、初代聖女エレノアはその1000年を生まれ変わりながら、オルレアン国を見つめて来ていた1人。彼女は1人嘆き悲しむが、エレノアに頼る事だけを考えては駄目だと教えて来たつもりだったが、堕落した国民には届く事は無かった。 そして、再びオルレアン国に生を受けたエレノアは………

破滅フラグから逃げたくて引きこもり聖女になったのに「たぶんこれも破滅ルートですよね?」

氷雨そら
恋愛
「どうしてよりによって、18歳で破滅する悪役令嬢に生まれてしまったのかしら」  こうなったら引きこもってフラグ回避に全力を尽くす!  そう決意したリアナは、聖女候補という肩書きを使って世界樹の塔に引きこもっていた。そしていつしか、聖女と呼ばれるように……。  うまくいっていると思っていたのに、呪いに倒れた聖騎士様を見過ごすことができなくて肩代わりしたのは「18歳までしか生きられない呪い」  これまさか、悪役令嬢の隠し破滅フラグ?!  18歳の破滅ルートに足を踏み入れてしまった悪役令嬢が聖騎士と攻略対象のはずの兄に溺愛されるところから物語は動き出す。 小説家になろうにも掲載しています。

[完結]7回も人生やってたら無双になるって

紅月
恋愛
「またですか」 アリッサは望まないのに7回目の人生の巻き戻りにため息を吐いた。 驚く事に今までの人生で身に付けた技術、知識はそのままだから有能だけど、いつ巻き戻るか分からないから結婚とかはすっかり諦めていた。 だけど今回は違う。 強力な仲間が居る。 アリッサは今度こそ自分の人生をまっとうしようと前を向く事にした。

婚活をがんばる枯葉令嬢は薔薇狼の執着にきづかない~なんで溺愛されてるの!?~

白井
恋愛
「我が伯爵家に貴様は相応しくない! 婚約は解消させてもらう」  枯葉のような地味な容姿が原因で家族から疎まれ、婚約者を姉に奪われたステラ。  土下座を強要され自分が悪いと納得しようとしたその時、謎の美形が跪いて手に口づけをする。  「美しき我が光……。やっと、お会いできましたね」  あなた誰!?  やたら綺麗な怪しい男から逃げようとするが、彼の執着は枯葉令嬢ステラの想像以上だった!  虐げられていた令嬢が男の正体を知り、幸せになる話。

冷酷騎士団長に『出来損ない』と捨てられましたが、どうやら私の力が覚醒したらしく、ヤンデレ化した彼に執着されています

放浪人
恋愛
平凡な毎日を送っていたはずの私、橘 莉奈(たちばな りな)は、突然、眩い光に包まれ異世界『エルドラ』に召喚されてしまう。 伝説の『聖女』として迎えられたのも束の間、魔力測定で「魔力ゼロ」と判定され、『出来損ない』の烙印を押されてしまった。 希望を失った私を引き取ったのは、氷のように冷たい瞳を持つ、この国の騎士団長カイン・アシュフォード。 「お前はここで、俺の命令だけを聞いていればいい」 物置のような部屋に押し込められ、彼から向けられるのは侮蔑の視線と冷たい言葉だけ。 元の世界に帰ることもできず、絶望的な日々が続くと思っていた。 ──しかし、ある出来事をきっかけに、私の中に眠っていた〝本当の力〟が目覚め始める。 その瞬間から、私を見るカインの目が変わり始めた。 「リリア、お前は俺だけのものだ」 「どこへも行かせない。永遠に、俺のそばにいろ」 かつての冷酷さはどこへやら、彼は私に異常なまでの執着を見せ、甘く、そして狂気的な愛情で私を束縛しようとしてくる。 これは本当に愛情なの? それともただの執着? 優しい第二王子エリアスは私に手を差し伸べてくれるけれど、カインの嫉妬の炎は燃え盛るばかり。 逃げ場のない城の中、歪んだ愛の檻に、私は囚われていく──。

目覚めたら魔法の国で、令嬢の中の人でした

エス
恋愛
転生JK×イケメン公爵様の異世界スローラブ 女子高生・高野みつきは、ある日突然、異世界のお嬢様シャルロットになっていた。 過保護すぎる伯爵パパに泣かれ、無愛想なイケメン公爵レオンといきなりお見合いさせられ……あれよあれよとレオンの婚約者に。 公爵家のクセ強ファミリーに囲まれて、能天気王太子リオに振り回されながらも、みつきは少しずつ異世界での居場所を見つけていく。 けれど心の奥では、「本当にシャルロットとして生きていいのか」と悩む日々。そんな彼女の夢に現れた“本物のシャルロット”が、みつきに大切なメッセージを託す──。 これは、異世界でシャルロットとして生きることを託された1人の少女の、葛藤と成長の物語。 イケメン公爵様とのラブも……気づけばちゃんと育ってます(たぶん) ※他サイトに投稿していたものを、改稿しています。 ※他サイトにも投稿しています。

二周目聖女は恋愛小説家! ~探されてますが、前世で断罪されたのでもう名乗り出ません~

今川幸乃
恋愛
下級貴族令嬢のイリスは聖女として国のために祈りを捧げていたが、陰謀により婚約者でもあった王子アレクセイに偽聖女であると断罪されて死んだ。 こんなことなら聖女に名乗り出なければ良かった、と思ったイリスは突如、聖女に名乗り出る直前に巻き戻ってしまう。 「絶対に名乗り出ない」と思うイリスは部屋に籠り、怪しまれないよう恋愛小説を書いているという嘘をついてしまう。 が、嘘をごまかすために仕方なく書き始めた恋愛小説はなぜかどんどん人気になっていく。 「恥ずかしいからむしろ誰にも読まれないで欲しいんだけど……」 一方そのころ、本物の聖女が現れないため王子アレクセイらは必死で聖女を探していた。 ※序盤の断罪以外はギャグ寄り。だいぶ前に書いたもののリメイク版です

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。