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異世界
俺は目の前に起きている現象が唐突過ぎて事情が飲み込めないままでいた。
俺は、確かYouTuberになったたかしの誘いで心霊スポットで閉鎖村のゲーム実況動画をみるハロウィンイベントに参加していたはずが、どうしてこうなった。
いつの間にか生首をぶら下げた血まみれのいかれたYouTuberが俺の方へ追いかけてきたかと思ったら、心霊スポットのど真ん中で何を聞かされているんだ?
元々行方不明者が出ている曰くつきの心霊スポットである旧日暮村跡地にいる恐怖。
目の前にいる血まみれで呪いの人形らしきものを体に巻き付いているひろよという異形な存在に対する恐怖。
その男の他に聞こえるけど姿が見えないまことを名乗る男の声に対する恐怖。
ふたりが話す、さっきまで俺のそばにいた悪霊に対する恐怖。
そして、ひろよの話す大血泥沼の怪談に対する恐怖。
もうずっと体が震えっぱなしになってついに俺は失禁してしまったが、そんなことを気にする余裕がなく身体が動かない。
失禁してできた黄色い液体は徐々に地面に広がっていき、ついにはひろよの履いているスニーカーまで到達した。
そんなことを気にすることなく、川瀬兄弟はずっと怪談話を淡々と話しているが、もうそんなの耳に入らなくなってきてそれどころじゃない。
ガチガチと、歯を動かして縮こまって早くこの男たちが俺の事を立ち去ってくれないかとずっと願いながらずっと震えることしかできない。
そして、俺は無意識にひとしきり南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏と唱えていた。
何十分、いや、何時間南無阿弥陀仏と唱えただろうか。気付いたときには、あのふたりがいないことに気付いた。
俺は助かったんだろうか。俺の唱えたお経が聞いたのか?
いったんあたりを見渡していなくなったのを確認してから、外へ出てみると、ひろよの姿もなければ、まことの声も聞こえない。
辺りを見渡して誰もいないのを確認してようやく安心した。 ようやく口に入った砂やらゴミやらを吐き出して背負っていた小さめのリュックの中の水筒を取り出し口をゆすいで吐いて身なりを整える。
そして、今自分がどこにいるのかを確認するために、ポケットに入っているスマホを取り出すのだが、画面のガラスフィルムが割れて地図アプリを開いても読みづらい。
ただ、時計の時刻は確認できるようで、PM9時半を表示しているのにあたりの景色は昼間の2時ごろで太陽が出ていて蒸し暑く感じる。
カナカナカナ…
ハロウィンの季節に似つかわしくないひぐらしの合唱が心霊スポットの森の中に木魂し、俺の顔に生暖かい汗と冷や汗が混ざった気持ち悪いものがつたって次第に服が染みていく。
ここは、どこだ?いや、今はいつなんだ?
場所的に、旧日暮村跡地にある森の中にいるのはなんとなくわかるが、森のどのあたりなのかはわからない。
俺はもしかして、本物の閉鎖村に迷い込んだのか?
いや、落ち着け!冷静になれ。と自分に語り掛けるも、動機が止まらない。
確か、ゲーム内の主人公篠須光一が他の友達と森の中にある廃村で肝試しをしていたが、いつの間にか異世界に連れていかれてそこから脱出するストーリーだ。
俺がもう小学校低学年の頃に発売された古いゲームだから、もうおぼろげであるが、異世界へだんだん落ちていって次第に発狂して亡者というクリーチャーになっていくのは覚えている。
篠須は閉鎖村にある森の中で
「2003年」
「昭和50年頃」
「戦時中」
「江戸時代」
「戦国時代」
とだんだん過去の時代の閉鎖村へ飛ばされていく。
そこで出会った同じ境遇のそれぞれの時代の人間と協力したり、時に敵対して元の時代に帰る方法を模索していた。
…もしもそこで元の時代に帰れなかったら、いろんな時代の遺物が混ざったごみ山のような「黄泉捨て山」という名の異世界へ混ざったところに落ちてしまってもう永遠に出られない。
だからもう元の時代に戻れなくて発狂した亡者は道連れにしようとして主人公や他の登場人物を襲ってくるのだが、もしや俺はその最初の異世界に入ってしまったのか?
じゃなきゃ、こんな蒸し暑い昼間の森にいる理由がつかない。
いや、まさかゲームで起きた出来事がこうして現実で起きるなんて思いたくもなかった。
これは夢だと思いたかったが、このカンカン照りの太陽の光が俺の肌を刺し続けていることから現実で起きていることを突き付ける。
それでも、俺は信じたくはなかった。
あのゲームで起きていることが実際に起きているとしたら、脱出するのがもう不可能に近いような気がする。
もう俺の記憶があいまいだったが、ゲームの内容や結末、当時のプレイしたときの記憶が一気に流し込まれていく。
主人公篠須を含むゲームの登場人物のほとんどがそれぞれ異世界へ飛ばされるたびに何らかの形で犠牲になっていたのは覚えている。
生き残ったのはたしか、15人中確か半分くらいだった気がする。
仮に生き残ったとしても、どれも救いようもないバッドエンドだった気がする。
俺が覚えている閉鎖村の異世界から生還した人の結末は
篠須は住んでいた元の時代に帰れなくなって昭和58年?くらいに飛ばされるが、また閉鎖村に訪れて元の2003年の時代へ帰ろうと訪れようとして土砂崩れに巻き込まれて死亡。
終盤に主人公を助けたオカルト研究部の中学生は元の時代に戻れたものの、既に精神が錯乱した状態で旧日本軍から奪った銃を乱射して土砂崩れの救助隊を数人殺害して逮捕される。
他にも生還者は悲惨な人生をたどっていた気がするけどもう覚えていない。
……俺は元の時代に戻ったら発狂するのか?発狂したってことになって強制入院されるのか?それともここで死を迎えるのか?
もう、蒸し暑さによる汗なのかも冷や汗なのかもわからない汗がブワッっと噴き出していて頭がクラクラし始めてきた。
いやだ、いやだ。絶対に生き残って元の世界に戻りたい!
俺は汚れた長袖のシャツの袖で汗を拭いて考えているが、何も良い案が思い浮かばない。
俺はいったん、木の下にできた黒くて大きな影の方へ移動し涼んでから考えることにしたのだが、俺を呼ぶ声がかすかに聞こえてくる。
誰だ?もしや、知っている人か?
「おい!誰かいるのか?俺はこっちだ!もう誰でもいいから助けてくれよ。どこだよ!ま、待ってくれ!!」
俺は藁をすがる思いで声のする方向へ叫びながら勢いよく走って向かっていたのだが、途中で何かに引っかかって盛大に転んで頭と両肘をぶつけてしまった。
ものすごく痛い!特に膝を擦りむいたどころじゃないような、激痛が走っており、長袖のシャツの袖からは血が滲んでいるのが見える。
くそ、なんでこんな目に合わないといけないんだ?こんなことになるんだったらくるんじゃなかった!
しばらく、手がしびれてまともに動かせない。
それでも動かして立とうととすると、長袖が肌にこすっただけでも神経を刺激して激痛が走る。
これはまずいと思って左側の長袖をまくって確認すると、皮膚の表面が浅くえぐれていてただの擦り傷じゃないことが分かった。
その傷跡を見た俺は思わず嗚咽するも、近くに包帯や絆創膏がなかったのでまくった長袖を元に戻して手で押さえた。
俺は頭と肘の痛みに耐えながらも体を起こし、ゾンビのように身体をふらつかせながら声のする方向へ向かったが、いつの間にか元の神社に戻ってしまったはずだが。
その神社は俺がさっきまで隠れていた神社じゃなかった。 さっきあのいかれたYouTuberから隠れた時は立派な神社だったのに、もう寂れて誰も手入れのしていない廃神社が目の前で朽ちている。
俺は、確かYouTuberになったたかしの誘いで心霊スポットで閉鎖村のゲーム実況動画をみるハロウィンイベントに参加していたはずが、どうしてこうなった。
いつの間にか生首をぶら下げた血まみれのいかれたYouTuberが俺の方へ追いかけてきたかと思ったら、心霊スポットのど真ん中で何を聞かされているんだ?
元々行方不明者が出ている曰くつきの心霊スポットである旧日暮村跡地にいる恐怖。
目の前にいる血まみれで呪いの人形らしきものを体に巻き付いているひろよという異形な存在に対する恐怖。
その男の他に聞こえるけど姿が見えないまことを名乗る男の声に対する恐怖。
ふたりが話す、さっきまで俺のそばにいた悪霊に対する恐怖。
そして、ひろよの話す大血泥沼の怪談に対する恐怖。
もうずっと体が震えっぱなしになってついに俺は失禁してしまったが、そんなことを気にする余裕がなく身体が動かない。
失禁してできた黄色い液体は徐々に地面に広がっていき、ついにはひろよの履いているスニーカーまで到達した。
そんなことを気にすることなく、川瀬兄弟はずっと怪談話を淡々と話しているが、もうそんなの耳に入らなくなってきてそれどころじゃない。
ガチガチと、歯を動かして縮こまって早くこの男たちが俺の事を立ち去ってくれないかとずっと願いながらずっと震えることしかできない。
そして、俺は無意識にひとしきり南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏と唱えていた。
何十分、いや、何時間南無阿弥陀仏と唱えただろうか。気付いたときには、あのふたりがいないことに気付いた。
俺は助かったんだろうか。俺の唱えたお経が聞いたのか?
いったんあたりを見渡していなくなったのを確認してから、外へ出てみると、ひろよの姿もなければ、まことの声も聞こえない。
辺りを見渡して誰もいないのを確認してようやく安心した。 ようやく口に入った砂やらゴミやらを吐き出して背負っていた小さめのリュックの中の水筒を取り出し口をゆすいで吐いて身なりを整える。
そして、今自分がどこにいるのかを確認するために、ポケットに入っているスマホを取り出すのだが、画面のガラスフィルムが割れて地図アプリを開いても読みづらい。
ただ、時計の時刻は確認できるようで、PM9時半を表示しているのにあたりの景色は昼間の2時ごろで太陽が出ていて蒸し暑く感じる。
カナカナカナ…
ハロウィンの季節に似つかわしくないひぐらしの合唱が心霊スポットの森の中に木魂し、俺の顔に生暖かい汗と冷や汗が混ざった気持ち悪いものがつたって次第に服が染みていく。
ここは、どこだ?いや、今はいつなんだ?
場所的に、旧日暮村跡地にある森の中にいるのはなんとなくわかるが、森のどのあたりなのかはわからない。
俺はもしかして、本物の閉鎖村に迷い込んだのか?
いや、落ち着け!冷静になれ。と自分に語り掛けるも、動機が止まらない。
確か、ゲーム内の主人公篠須光一が他の友達と森の中にある廃村で肝試しをしていたが、いつの間にか異世界に連れていかれてそこから脱出するストーリーだ。
俺がもう小学校低学年の頃に発売された古いゲームだから、もうおぼろげであるが、異世界へだんだん落ちていって次第に発狂して亡者というクリーチャーになっていくのは覚えている。
篠須は閉鎖村にある森の中で
「2003年」
「昭和50年頃」
「戦時中」
「江戸時代」
「戦国時代」
とだんだん過去の時代の閉鎖村へ飛ばされていく。
そこで出会った同じ境遇のそれぞれの時代の人間と協力したり、時に敵対して元の時代に帰る方法を模索していた。
…もしもそこで元の時代に帰れなかったら、いろんな時代の遺物が混ざったごみ山のような「黄泉捨て山」という名の異世界へ混ざったところに落ちてしまってもう永遠に出られない。
だからもう元の時代に戻れなくて発狂した亡者は道連れにしようとして主人公や他の登場人物を襲ってくるのだが、もしや俺はその最初の異世界に入ってしまったのか?
じゃなきゃ、こんな蒸し暑い昼間の森にいる理由がつかない。
いや、まさかゲームで起きた出来事がこうして現実で起きるなんて思いたくもなかった。
これは夢だと思いたかったが、このカンカン照りの太陽の光が俺の肌を刺し続けていることから現実で起きていることを突き付ける。
それでも、俺は信じたくはなかった。
あのゲームで起きていることが実際に起きているとしたら、脱出するのがもう不可能に近いような気がする。
もう俺の記憶があいまいだったが、ゲームの内容や結末、当時のプレイしたときの記憶が一気に流し込まれていく。
主人公篠須を含むゲームの登場人物のほとんどがそれぞれ異世界へ飛ばされるたびに何らかの形で犠牲になっていたのは覚えている。
生き残ったのはたしか、15人中確か半分くらいだった気がする。
仮に生き残ったとしても、どれも救いようもないバッドエンドだった気がする。
俺が覚えている閉鎖村の異世界から生還した人の結末は
篠須は住んでいた元の時代に帰れなくなって昭和58年?くらいに飛ばされるが、また閉鎖村に訪れて元の2003年の時代へ帰ろうと訪れようとして土砂崩れに巻き込まれて死亡。
終盤に主人公を助けたオカルト研究部の中学生は元の時代に戻れたものの、既に精神が錯乱した状態で旧日本軍から奪った銃を乱射して土砂崩れの救助隊を数人殺害して逮捕される。
他にも生還者は悲惨な人生をたどっていた気がするけどもう覚えていない。
……俺は元の時代に戻ったら発狂するのか?発狂したってことになって強制入院されるのか?それともここで死を迎えるのか?
もう、蒸し暑さによる汗なのかも冷や汗なのかもわからない汗がブワッっと噴き出していて頭がクラクラし始めてきた。
いやだ、いやだ。絶対に生き残って元の世界に戻りたい!
俺は汚れた長袖のシャツの袖で汗を拭いて考えているが、何も良い案が思い浮かばない。
俺はいったん、木の下にできた黒くて大きな影の方へ移動し涼んでから考えることにしたのだが、俺を呼ぶ声がかすかに聞こえてくる。
誰だ?もしや、知っている人か?
「おい!誰かいるのか?俺はこっちだ!もう誰でもいいから助けてくれよ。どこだよ!ま、待ってくれ!!」
俺は藁をすがる思いで声のする方向へ叫びながら勢いよく走って向かっていたのだが、途中で何かに引っかかって盛大に転んで頭と両肘をぶつけてしまった。
ものすごく痛い!特に膝を擦りむいたどころじゃないような、激痛が走っており、長袖のシャツの袖からは血が滲んでいるのが見える。
くそ、なんでこんな目に合わないといけないんだ?こんなことになるんだったらくるんじゃなかった!
しばらく、手がしびれてまともに動かせない。
それでも動かして立とうととすると、長袖が肌にこすっただけでも神経を刺激して激痛が走る。
これはまずいと思って左側の長袖をまくって確認すると、皮膚の表面が浅くえぐれていてただの擦り傷じゃないことが分かった。
その傷跡を見た俺は思わず嗚咽するも、近くに包帯や絆創膏がなかったのでまくった長袖を元に戻して手で押さえた。
俺は頭と肘の痛みに耐えながらも体を起こし、ゾンビのように身体をふらつかせながら声のする方向へ向かったが、いつの間にか元の神社に戻ってしまったはずだが。
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