Trade Secret R ~ やがて、あの約束へ ~

あたか

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第4幕 無駄なアナログ感は正確に伝わるだろう

第5章 平安貴族の屋敷でサーベル③

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一方、サルヴァトーレと早馬はやまは――

大の男達数人を負傷させて、畳の上にひれ伏せさせていた。

部屋の空気は、まだ戦いの余韻を引きずり、静まり返っている。


「残るはお前だけだ、覚悟しろ」


サーベルを突きつけ、鋭い視線を向けるサルヴァトーレ。


「流石に、財閥家でも犯罪は駄目だろ。殺人未遂で刑務所行きだ」


早馬も冷静な表情のまま告げる。


「はぁ……ま、今回はこれくらいでいいでしょう」


しかし、目を伏せた使用人女性は、作務衣の袖に手を入れると、次の瞬間、女性は不穏な笑みを浮かべた。


「は?」


「どういう意味だ?」


怪訝けげんそうな表情の二人の問いには答えず、彼女は最後に一言だけ残す。


「それについては、侑斗様ゆきとさまご自身にお確かめくださいませ」


ボトッ――、畳になにか小さくて丸いものが転がり落ちた。

今度は、黒い煙が部屋に充満した。


「?!」


サルヴァトーレの声が鋭く響く。


早馬はやま、部屋を出るぞ! 早くしろ!」


得体の知れない煙が立ち上り、あっという間に視界を覆う。

二人は瞬時に部屋を飛び出した。

やがて煙が晴れた頃、部屋には煙を発生させた丸い物体の痕跡はなかった。

深手を負わせたはずの男達も、本家の使用人女性も、跡形もなく消えていた。

まるで、はじめからそこにいなかったかのように。

畳の上に、侑斗ゆきと血痕けっこんだけが、生々しく残されている――

それが、唯一、現実を物語っていた。
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