世界の花嫁と世界の王

蒼葉縁

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3.愛する者と愛さない者

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「貴様らはどうも好きになれんな!!」
「ルカ!!!」
ーーーー遡り

いつも通り、私は庭園から子供らの元へ向かっていた
その時、子供らの泣き声がする
また怪我をしたのかと思い、私は溜息を吐いた
子供らのとは元へ行く
そこに居たのは、私の最も嫌いとする
子供を物としか見ていない様な人間共だった
「何をしている!」
子供らの前に立つと、その男は言う
「子供が必要になった」
「お金が貰える」
私は怒りで頭が爆発しそうだった
院長殿は私の声に走ってくる
「すみませんが、お引き取りを」
院長殿の言葉は正しい
なのに、下らん男の行動と言動こそ、私の中の何かを切った
「お前に用はない!邪魔だ!」
そう言って、私の尊敬する院長殿を殴る
子供らは怯えていた
トラウマになるだろう
「レオ」
「おいで、子供ら」
レオの元へ子供らを非難させる
「おい!待て!」
男の腕を引き戻し、突き放す
「な!?テメェ!」
「何すんのっつ!?」
「大人しく出て行け」
私の低い声に二人はビクッと震えた
だがくだらないプライドの高い二人は私に歯向かう
「何よ!子供なんて作ればいい!」
「要らねぇよ!こんな奴ら!」
「もう一度言ってみろ」
二人は青ざめる
「あ、あぁ!言ってやるよ!」
「こんな奴ーーーープベ!?」
男が吹き飛ぶ
「貴様らはどうも好きになれんな!!!」
女はカタカタと震えてその場にヘタレ込む
男は吹き飛ぶと言っても近くにだったため、意識はある
「その顔、覚えたぞ」
「「っ!?」」
私は指を二人に向けた
「お前らはこれから先、二度と、この世界に生きることはできなくしようか?」
「「そ、そんな!?」」
あぁ、怒りでどうにかなりそうだ
この際、この二人を壊してしまおうか
「ルカ!!!」
強く抱き締められる
私は目を見開いた
「………な、れ、?」
「ルカ、大丈夫だ」
強く、優しく抱き締められる
私の怒りさえ、包まれた
「ごめん、眠れ」
パチンと指を鳴らされ、意識が閉ざされる
その時のレオの顔は今まで見たことないくらい、怒りの色で染まっていた

ーーーーーーーーレオ
完全に意識を失った愛しいルカを抱き寄せて、俺は二人を睨んだ
二人は怯えている
「お前達に聞く」
「「っ!?」」
俺は二人を見つめながら、問う
「世界の花嫁と王」
二人は暫く考えて、震えた
当たり前のことだろう
俺達、世界政府さえ頭を下げる様な者に汚れた発言をしたのだ
万死に値する
「お許しを!!」
「どうか!!命だけは!!」
「………今回だけだ、許すのは」
ルカが暴れそうだがな
俺はそっとルカの頬を撫でる
二人は逃げる様に去って行った
俺は寄りかかっているルカを抱き上げると、子供らの方へ行く
「ルカねぇ?」
子供らはトラウマはなかった
だが不安そうにしている
「お前達は愛されている」
「「………」」
子供らは涙を我慢していた
「お前達は俺たちが愛している」
子供らは泣き始める
大きな声で泣いていた
だと言うのに、ルカは起きない
「………院長殿」
「君はルカのことを考えればいいよ」
俺の気持ちを分かってくれた院長殿
ありがとう
その気持ちを込めて、俺は頭を下げた
ーーーーーーーーーレオ
目を覚ますと、レオの部屋だと分かった
あいつらは、処罰を与えねばと私はベットから動く
「ルカ、子供らは無事だ」
「………だから何だ、あの愚かな人間を許せと言うのか!!」
私はレオに叫んだ
レオは黙っている
「尊敬する者を、愛しい子供らを侮辱さえしたあいつらを!!」
私はベットから降りて、扉を開けようとした
その扉を開けない様に押さえるレオ
「開けろ!!その手を退けろ!」
「怒りを抑えろ」
「ふざけるな!!!!」
レオにそう叫ぶ
ビリビリとした殺気が出る
その時
「許せ、ルカ」
「何っ!!!!ああうぅぅ!!!?」
ミチリと、首に埋まる牙
私の身体に走る電流に身体が熱くなる
「カ、ハ」
「フー、フー」
世界の王が花嫁の首を噛む
その行為は俗に言う欲情をさせたりするための急所でもある
「分かっ、た、」
苦しさと、痛みと、電流に耐えられない
私は怒りを忘れ、レオの腕を掴む
「レオっ」
「…ルカ」
ペロリと首を舐められる
「あぅ!?」
ビクンとする身体に思考が追いつかない
嫌だ、怖いと震える
「ルカ、大丈夫」
レオの声がした
私は思考も落ち着き、レオを見る
「なぁ、ルカ」
「っ、」
レオは申し訳なさそうに私を抱き締めた
「俺も不安」
「………わかってる」
レオは怖かったんだ
私を失うのが怖いから必死に繋ぎ止めようとしたのだろう
けど理性を取り戻してる
「………すまない」
「………ん」
レオは私に擦り寄ると、優しく微笑んだ
「甘えん坊め」
「嫌?」
「嫌じゃない」
私はレオに微笑むと、目を閉じる
レオはそんな私を強く抱き締めた
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