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二刻
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ーアリーナ・アリス
私には不安なことが二つある
それは一つ目がこの国の縁談
二つ目は従者であり騎士団長の夜月シーヴァルのこと
一つ目はさほど苦では無い
だけれど
シーヴァルのことだけはどうしても不安なの
私の為にその身を酷使している
疲れていても
傷だらけでも
私の前では泣かないで笑っている
人を避けているのに
私だけは触れられる
だけど
それは触れている様で触れられていない
気を許しているわけでもない
とても
孤独な人なの
シーヴァルは
私が嫁ぐと知ったら
きっと一番辛いのはシーヴァルになってしまうわ
何故なら
私が嫁ぐと言うことは護る人が増えると言うこと
私以外の人にも忠誠を誓うと言うこと
だから言えない
シーヴァルを傷付けたくない
それでも知ってしまった
シーヴァルは私の父から言われて
それから
シーヴァルは今までよりももっと身体を酷使している
強くなろうと
護ろうと
そう感じた
「シーヴァル」
剣を振っているシーヴァルに近付く
「は、アリーナ様!」
剣を振り終えたのだろうか
シーヴァルはこちらを見て笑っていた
がその顔色は悪かった
「っ!?シーヴァル!」
目を見開く
「え?っ!?」
シーヴァルがこちらに来ようとして膝をついたからだ
近付きシーヴァルの額に手を当てる
「熱が酷いじゃない!」
吃驚していると
「あはは、面目ない」
元気なく笑うシーヴァル
私は悲しくてシーヴァルの頬を叩いた
「!?」
「どうして無理するの!貴方が辛いと私も辛いわ!」
ボロボロと涙が溢れる
違うの
本当は
泣きたいのは
貴方じゃない
シーヴァル
私はシーヴァルの身体を抱き締める
シーヴァルは離れようとしたがその手すら力が入っていない
「泣きたい時に泣けないのは辛過ぎるわよ」
「アリーナ様?」
シーヴァルは戸惑いつつも私を見つめる
私も見つめ返して医者に診てもらった
熱だけで済んだから良かったけれど
もしこれですまなかったらととても怖くなった
それからは
シーヴァルも無理はしなくなった
私が来たらたまに隠すけど………
それでも
とても顔色が良くなって安心したわ
ねぇ、シーヴァル
私は
貴方が大好きよ
友達としてね
そして
大切な家族としてね?
「シーヴァル!!」
「わ!?アリーナ様!?」
この大きな背中に護られて私はとても安心するわ!
それにしても
暗殺者の言っていた
第三王子から縁談が来ているのだけれど…
シーヴァルには言えないわね………
「アリーナ様、もしかして」
あら、バレていたわね
「消し炭にしてくれる!」
「落ち着いて!シーヴァル!」
このままだと本当に行けないわ
シーヴァルも私も気を引き締めましょう
私には不安なことが二つある
それは一つ目がこの国の縁談
二つ目は従者であり騎士団長の夜月シーヴァルのこと
一つ目はさほど苦では無い
だけれど
シーヴァルのことだけはどうしても不安なの
私の為にその身を酷使している
疲れていても
傷だらけでも
私の前では泣かないで笑っている
人を避けているのに
私だけは触れられる
だけど
それは触れている様で触れられていない
気を許しているわけでもない
とても
孤独な人なの
シーヴァルは
私が嫁ぐと知ったら
きっと一番辛いのはシーヴァルになってしまうわ
何故なら
私が嫁ぐと言うことは護る人が増えると言うこと
私以外の人にも忠誠を誓うと言うこと
だから言えない
シーヴァルを傷付けたくない
それでも知ってしまった
シーヴァルは私の父から言われて
それから
シーヴァルは今までよりももっと身体を酷使している
強くなろうと
護ろうと
そう感じた
「シーヴァル」
剣を振っているシーヴァルに近付く
「は、アリーナ様!」
剣を振り終えたのだろうか
シーヴァルはこちらを見て笑っていた
がその顔色は悪かった
「っ!?シーヴァル!」
目を見開く
「え?っ!?」
シーヴァルがこちらに来ようとして膝をついたからだ
近付きシーヴァルの額に手を当てる
「熱が酷いじゃない!」
吃驚していると
「あはは、面目ない」
元気なく笑うシーヴァル
私は悲しくてシーヴァルの頬を叩いた
「!?」
「どうして無理するの!貴方が辛いと私も辛いわ!」
ボロボロと涙が溢れる
違うの
本当は
泣きたいのは
貴方じゃない
シーヴァル
私はシーヴァルの身体を抱き締める
シーヴァルは離れようとしたがその手すら力が入っていない
「泣きたい時に泣けないのは辛過ぎるわよ」
「アリーナ様?」
シーヴァルは戸惑いつつも私を見つめる
私も見つめ返して医者に診てもらった
熱だけで済んだから良かったけれど
もしこれですまなかったらととても怖くなった
それからは
シーヴァルも無理はしなくなった
私が来たらたまに隠すけど………
それでも
とても顔色が良くなって安心したわ
ねぇ、シーヴァル
私は
貴方が大好きよ
友達としてね
そして
大切な家族としてね?
「シーヴァル!!」
「わ!?アリーナ様!?」
この大きな背中に護られて私はとても安心するわ!
それにしても
暗殺者の言っていた
第三王子から縁談が来ているのだけれど…
シーヴァルには言えないわね………
「アリーナ様、もしかして」
あら、バレていたわね
「消し炭にしてくれる!」
「落ち着いて!シーヴァル!」
このままだと本当に行けないわ
シーヴァルも私も気を引き締めましょう
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