漆黒の獣は吠える

蒼葉縁

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私は両手に持っていたプレゼントの箱を落とす
落ちた箱からは沢山の本やアクセサリーが転がる
「な、ぜ」
目の前に広がる光景は
赤に染まった壁
そして
目の前に広がる家族の亡骸
私はむせ返るような血の匂いに顔を顰める
そして優しく亡骸の前に座り
「嘘だと言ってはくれまいか」
ボロボロと涙を流した
勝手に流れていく涙は床を湿らせていく
しばらく泣き、落ち着くと私は自分の物を一つの力を使って自分の首輪にする
そして獣の姿になり自分の愛しい人たちと家を見つめ、走り出した
森に走っていくと鳥達が私の事を見つめる
「何しに来た」

「暫くはここにいなさい」
鳥達は私の行く手を阻む
だから私は諦めてこの場所に止まることにした
くるりと身体を丸くして眠ろうとするが一向に寝れない
散歩をしようとしていると人の匂いがした
「何だ」
私はじっとそれを見つめると人は人に向けて銃口を向ける
(駄目だ)
考えるより身体が動いた
私は銃口を向けた男の腕に噛みつく
男の銃口は空へと向き撃たれる
「ガウゥ」
男は気絶してグッタリとしていた
もう一人の方は私を見ている
ボタボタと男の腕から牙を抜き、振り向く
「人の血は旨くない」
血を吐き捨て、歩き出した
走って来る音がする
私は走り出そうとしたが
「行かないでくれ」
何かを恐れ、弱々しい声を聞いた
私は止まり男を受け止める
「助けてくれてありがとう」
男は震え泣きながらそう言った
「………お前を助けたわけではない」
私はこの森にいる
だから
この森の迷惑は避けたかった
だからお前のためなどではない
「君は人だろう?」
その言葉に驚きつつも
「!………分かっていてよく抱き付いたな」
そう言った
私は身をよじり、男から逃げようとする
だが男は一向に離れようとしない
「君の旅に連れて行ってくれ」
(何を言っているこの男は)
「断る」
私は溜息を吐きながらそう言うが男の目に負けた
真っ直ぐな何も知らないような無垢な瞳
再度私は溜息を吐いた
「勝手について来るが良い」
私は欠伸をしてその場に丸くなる
「ありがとう!」
男はどこで寝るのか思っているとまさかの何も羽織らず寝ようとしていた
私は呆れ反面溜息を吐き、男を包む
男はびっくりはしていたものの私の毛並みを撫でて微笑んだ
その手つきがあまりにも優しくて眠りにはすぐ落ちる
目を覚ますと男が寝息を立てていた
私は欠伸をして身体を動かすと男が目を覚ます
「おはよう」
と言われれば
「おはよう」
と答える
私はこの森から旅立つ事を鳥達に言うと鳥達は泣きそうな声で
「気をつけて」
まるで
「また来なさい」
親のように言ってくれた
「ありがとう」
私は微笑み、男と共に去ろうとする
男は疲れていた
だから背中に乗せて走り出す
「落ちるなよ」
私は後ろを見ると
「ありがとう」
男は優しく笑っていた
「………ふん」
(そう言えば)
「お前の名前は」
私の問いに男は嬉しそうに
「レイン・コルバだ」
(レイン・コルバな………)
「コルバ、宜しく」
私は前を向き走り出す
男は頷き
私の背中に顔を埋めた
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