聖獣は人を愛する

蒼葉縁

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一話:生まれ落ちるは社の中

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神々から離れ、私は目を開く
生まれ落ちたのは何処かの社の中だった
私は社から外を覗き見ると森が広がっている
聖獣の力が宿ったままの私は聖獣の姿になり、駆け出した
森の中は虫や木、花々が沢山ありとても楽しい
私は暫く遊んだ後、社へと戻る
土を洗い落とし社の中に丸くなって夢の中へと行った
夢の中では神々に頭を撫でられる
神々は口々に言う
「人を正せ」や「人を愛してやっておくれ」と
私は頷き、喉を鳴らした
神々に別れを告げて夢から覚める
夢の中へ行く前は私一人のはずが倒れる様になった姿の男の子と女の子が居た
私は寝呆けている頭を完全に覚まして二人に近付く
先に目を覚ました女の子と目が合う
「…!兄様!」
女の子は兄と呼ぶ男の子を起こし始めた
男の子はうぅ…んと唸りながら目を覚ます
そして二人は私を見つめる
(何だ?)
『貴方は神様ですか!?』
「………違う」
聖獣とは言えど喋れる私は即答した
二人はキラキラとした目のまま
『じゃあ聖獣!?』
と聞いて来る
私は頷き
「そうだ」
とだけ言った
二人は私にじりじりと近付いて来る
私は嫌な予感がして逃げ出した
「待って!」
「行かないで!」
二人は泣き出す
私は困ったように動きを止めて二人に歩き寄る
二人は私に抱き付くと擦り寄った
私はやれやれとしつつも二人の家族の元へ行く
二人を探していたであろう家族の夫婦は私を見て固まる
「二人を届けに来た」
喋った!?と吃驚していた
私は二人に降りる様に言うが二人に降りる気配はしない
「…帰りたいのだが」
『嫌!!』
二人が泣きそうになる
夫婦は困っていた
「父母が困っているぞ」
「ならば君も来たまえ」
二人に戸惑っていると二人の父がそう言った
私はキョトンとした後唸る
「本当に言っているのか?」
「あぁ!来たまえ!」
車に乗り走って行く夫婦の後を走って追い掛ける
背中に乗っている二人を落とさない様にしつつも走った
街に出ると街の人々は私を見るなり拝んでいる
私は困りつつも走った
屋敷に着くと私は足を止める
「そろそろ降りろって………」
『スー………』
(寝ているのだが…)
私は吃驚しつつも中に入った
中に入ると門が閉ざされる
二人を父母に降ろして貰い、私は帰ろうとした
が二人の父に引き留められる
「待ちたまえ」
「何だ」
私は振り返り、少し唸る
「君は聖獣だね?」
父は私を見て近付く
「だから話せるだろう」
父はふむと考えては私の頭を撫でる
「君をウチの子にしたいのだが?」
「生憎、私は社がある」
私は父の手を優しく振り払い、門へと向かう
番犬は私の大きさにビビり大人しい
すると執事達が走って来る
私は少し唸った
「何のつもりだ」
低く唸る
父は妻の肩を引き寄せて
「頑張ってくれ」
「ふふ、貴方ったら」
二人はニコニコしている
私は身体を捻り執事達を倒す
二人はあまりの早さに吃驚していた
「帰る」
「…待ちたまえってお前達!?」
私は走り出す
子供達が追い掛けて来る
門を飛び越えて行く前に二人に泣かれ止まった
「泣くなよ」
『捕まえた!!』
二人に抱き付かれ私は唸る
「よくやった、美奈、巴夢」
「良くやりましたね」
(夫婦よ、何がよくやっただ…汗)
私は子供達に抱き付かれたまま屋敷に戻った
「名前は?」
「私はそうね…二人が決めなさい?」
『んー…じゃあ桜雅で!』
(桜雅…悪くない)
私は人の姿になると皆が固まった
そして私に抱き付き
『宜しくね!桜雅!』
と家族に言われた
私は項垂れ
「おぅ…」
と言った
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