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①
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ルルグレード・アーサーは毎朝の鍛錬のため朝が早い
時計だけが乗っている机に手を伸ばす
ポンとボタンを押して、私は起きる
「………スン」
雨の匂いがする匂いと音で今日の鍛錬は中だと知った
起き上がり簡単な服装にする
「ふむ、今日の予定をだいぶ狂わせてもらう雨だな」
今日の予定では
つまり晴れだったのであればだ
朝の鍛錬
洗濯を干すなど
晴れているからこそできるものばかりがあった
だが
それが雨の日だとは叶うわけもない
私は髪の毛を結びエプロンをつけた
暇な時は朝食をとりあえず取ることと母に言われている
基本食べない私だが、こういうときこそ取っているのだ
暫く本を読んでいると、雨が上がっている
「鍛錬するか」
自分より二つ上もある長い槍を片手でクルクルと回しながらそれを千回振った
中も先ほど鍛錬を行ったがやはり外が一番である
汗を拭きながら千回振り終えると拍手が聞こえた
余りの気配のなさに目を見開く
槍の矛先を向けて睨む
「何奴」
サクサクと足音が近くなる
そして出てきたのは
紅の燃えるような綺麗な三つ編みの髪の毛を揺らしている男だった
私は彼を見つめているままジリッと足を動かす
「漆黒の騎士とは君のことか?」
ピタリと動きを止める
何故、そう呼ばれていると分かった
私は静かに槍をくるくると回して地に突き刺す
「まずは貴殿から名乗れ」
どこのどいつだか知らないが
名乗りもしない奴に名乗るほど弱くはない
私の言葉に男は目を丸くするがすぐ笑った
「炎獅子」
ふむ、なるほど
「成る程、貴殿が恐れられている炎獅子と言うことか」
私は彼を見つめる
「俺の名前は一試合の後言う事にしないか?」
その目は獅子の如くギラついた獲物を捕らえた目をしていた
面白い
「良いだろう、少しの準備運動になると良いが?」
私の言葉を耳にした炎獅子はその場から消える
左からと思わせて右か
私はくるりと振り返り男を捉える
いつの間にか抜いていた槍を使い攻撃を防ぐ
あまりの衝撃の強さに後ろによろけるが私はクスリと笑い男の剣を弾き飛ばす
くるくるとそれは周り地に突き刺さった
男は目を見開く
「負けだな」
そう言いつつも気配を察知する
「………く、ハハ!!」
男は笑い飛ばす
「まだ、だよ」
後ろにある槍達を一振りで薙ぎ払う
こいつは面白い
男は片手から炎を出す
炎使いとは知らなかった
私は自分の周りに燃え盛る青い炎を見つめる
そして
微笑み
「美しいな」
そう素直に言うと炎は赤くなる
「だがな、この私に勝とうなど断じて許さん」
槍をくるくると回してそれを足に力を入れて振り回す
炎と風が巻き起こり竜巻のようになる
そして
それは一瞬でなくなった
その中央には
さも何もなかったかのようにのんびりと立っていた
その姿は
漆黒の騎士そのものだった
時計だけが乗っている机に手を伸ばす
ポンとボタンを押して、私は起きる
「………スン」
雨の匂いがする匂いと音で今日の鍛錬は中だと知った
起き上がり簡単な服装にする
「ふむ、今日の予定をだいぶ狂わせてもらう雨だな」
今日の予定では
つまり晴れだったのであればだ
朝の鍛錬
洗濯を干すなど
晴れているからこそできるものばかりがあった
だが
それが雨の日だとは叶うわけもない
私は髪の毛を結びエプロンをつけた
暇な時は朝食をとりあえず取ることと母に言われている
基本食べない私だが、こういうときこそ取っているのだ
暫く本を読んでいると、雨が上がっている
「鍛錬するか」
自分より二つ上もある長い槍を片手でクルクルと回しながらそれを千回振った
中も先ほど鍛錬を行ったがやはり外が一番である
汗を拭きながら千回振り終えると拍手が聞こえた
余りの気配のなさに目を見開く
槍の矛先を向けて睨む
「何奴」
サクサクと足音が近くなる
そして出てきたのは
紅の燃えるような綺麗な三つ編みの髪の毛を揺らしている男だった
私は彼を見つめているままジリッと足を動かす
「漆黒の騎士とは君のことか?」
ピタリと動きを止める
何故、そう呼ばれていると分かった
私は静かに槍をくるくると回して地に突き刺す
「まずは貴殿から名乗れ」
どこのどいつだか知らないが
名乗りもしない奴に名乗るほど弱くはない
私の言葉に男は目を丸くするがすぐ笑った
「炎獅子」
ふむ、なるほど
「成る程、貴殿が恐れられている炎獅子と言うことか」
私は彼を見つめる
「俺の名前は一試合の後言う事にしないか?」
その目は獅子の如くギラついた獲物を捕らえた目をしていた
面白い
「良いだろう、少しの準備運動になると良いが?」
私の言葉を耳にした炎獅子はその場から消える
左からと思わせて右か
私はくるりと振り返り男を捉える
いつの間にか抜いていた槍を使い攻撃を防ぐ
あまりの衝撃の強さに後ろによろけるが私はクスリと笑い男の剣を弾き飛ばす
くるくるとそれは周り地に突き刺さった
男は目を見開く
「負けだな」
そう言いつつも気配を察知する
「………く、ハハ!!」
男は笑い飛ばす
「まだ、だよ」
後ろにある槍達を一振りで薙ぎ払う
こいつは面白い
男は片手から炎を出す
炎使いとは知らなかった
私は自分の周りに燃え盛る青い炎を見つめる
そして
微笑み
「美しいな」
そう素直に言うと炎は赤くなる
「だがな、この私に勝とうなど断じて許さん」
槍をくるくると回してそれを足に力を入れて振り回す
炎と風が巻き起こり竜巻のようになる
そして
それは一瞬でなくなった
その中央には
さも何もなかったかのようにのんびりと立っていた
その姿は
漆黒の騎士そのものだった
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