チート執事、参ります

月の蛍

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チート執事は力を使う

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御二方の通っている学園に一緒に行く事となった
桜花学園
貴族の通う学校
私は御二方の準備と支度をさせて頂き、車に乗せる
車に乗ったまま門を過ぎた
車から御二方を降ろし、車を学園の人に任せる
コツコツと後ろを着いて行くと視線を感じた
(お嬢様ですか)
私はにこりと微笑み一礼する
すると
視線を送っていたお嬢様が赤くなった
(何故?)
「「凛」」
私が御二方を見ると御二方は怯えている
目の前には女性が一人と執事が一人
「貴方がこの人達の執事?」
女性が私を見る
私は怯えも恐れもせず
「はい」
と答えた
「ランクは?」
私はバッチではなく紋章なのでそれを見せ
「Zでございます」
と高々と答える
ざわつく学園
女性自信も目を見開いていた
そして
後ろの執事も
「あの幻の…」
「そんな…女だぞ!?」
周りの執事達がボソボソと呟いて行く
女性は我に返り私を見つめる
「合格!」
「「っ」」
御二方が私に抱き着いたまま固まった
私は胸に手を当て
「ありがたき御言葉」
と頭を下げる
荷物を持ち御二方の後ろを歩いて行くと目の前に先ほど熱い視線を送っていたお嬢様が現れた
「彼方!」
「はい、真理亜様」
彼方と呼ばれた執事が私にナイフを向ける
私は無視してコツコツと歩き始めた
「何か?」
とナイフの前に止まる
彼は驚いていた
(周りの執事達は是式のことで怯えていたのか)
私はクスリと笑い
「ナイフ如きで怯えるほど舐められては困ります」
と言う
彼は苛ついたのか舌打ちをした
「おやおや、躾がなっていないようで」
私は彼を見つめる
「何だと!?」
彼は真っ赤になりナイフを増やす
「彼方!辞めなさい!」
お嬢様が止めた
私は御二方の後ろの定位置に戻る
「私は真理亜、貴方Zランクなのね?」
私を見つめるお嬢様
「左様でございます」
私は微笑み答える
「貴方は私に仕えるべきよ!」
(………はい?)
「「凛は渡さない!」」
御二方が叫ぶ
そんな御二方を見て頬が緩む
「じゃあ闘いなさい!」
(ほぉ、そう来ましたか)
「「え?」」
戸惑う御二方
「私の彼方とあんたらの凛と!」
私とさに指を指すお嬢様
私は微笑みお嬢様を見つめる
「彼方が勝ったら凛はもらう」
(ほぉ………)
「私が負けたら何でも願いを叶えるわ!」
御二方は怯えた顔を私に見せる
私は微笑み御二方を見つめ返す
「青斗様、姫華様命令を」
私は御二方にひざまづく
御二方は怯えていた目を真っ直ぐにし
「必ず」
必ず
「勝って!」
その命令を
私は
「御意」
答えてみせる
叶えてみせるのだ
「何でもありでいいですよ」
私は微笑み彼に言う
「本当だな?」
彼も彼でプライドがある
だからこそ
本気で戦いたい
「えぇ」
私も一割で戦います
ー夜
私達は格闘技場へ着き準備を始める
「さぁさぁ!Z執事の力をご覧あれ!」
青斗様と姫華様はドレスとタキシードを着て私の前を歩く
そして
「勝てるか?A執事彼方ー!」
真理亜さんを前に歩く彼
「彼方さん頑張ってー!」
女性達が各々に叫ぶ
「きゃー!」
(非常にうるさいですね)
私は微笑みそう思う
「取れ、本気だ」
カランとこちらに投げる武器
「おや、本物の剣ですね」
私は軽々と片手で持つ
「始ー!」
鐘の音が鳴る
私は一歩を動かない
「そっちが動かないならこっちだ!」
私は微笑み剣を構える
「な、」
彼は目を見開き倒れる
私は剣を収め、一礼した
「な、何と!?Z執事の勝利だ!!」
要は説明をすると
彼が動くことを私は狙っていました
そして
彼が動いて剣がこちらを刺しますね
その剣を弾き彼の執事服を切っただけです
「さぁ、もう一度やりますか?」
私は剣を向け彼を見つめる
彼は震えた
私の目を見て
怖いのか
綺麗なのか
分からない
そんな
戸惑いの匂いを漂わせて
「彼方!」
真理亜さんが彼方さんに近寄り
頬を叩こうとした
私はその手を取り
「暴力は如何かと」
と目を伏せる
真理亜さんは泣きそうな顔をして彼方さんを抱き締めた
「「凛!」」
御二方が私に近寄り抱き着く
「おやおや」
私は御二方を抱き留め微笑む
「良かった」
「怪我しなくて!」
御二方の笑顔は私にとってとても光栄なこと
私は一礼して
御二方を前にして歩き出す
すると
「待ちなさい!」
真理亜さんの声が響く
「「?」」
御二方はキョトンとする
「何でしょう?」
私が代役すると
真理亜さんは震えながら
「願いは何?」
と言った
「「特にないけど仲良くしたいかな」」
御二方はそう言い歩き出す
私は少し笑い
「だそうですよ?」
と言った
「………」
「………」
彼と真理亜さんはキョトンとしていた
私は一礼して歩き出す
部屋に戻ると御二方はすぐ寝てしまった
私は布団をかけ灯を消す
「ふぅ」
ネクタイを緩め私は自分の部屋へと戻ろうとした

目の前には彼がいた
「何でしょう?」
私はにこりと微笑み横を通り過ぎようとする
「お前、本気じゃないだろ」
ピタリと止まった
「えぇ」
平然と答える
「何でだ!」
「そうですね、何でかと言うと貴方如きにそこまでの力はなかったですかね」
彼は吃驚していた
そんなに強いのかと
私の目を見て彼は震える
「ならば!お前は今日から仲良くしてやる!そして勝つ!」
そう言い残し去る彼に
私は素直に
「やれやれ」
とため息をついた
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