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②
しおりを挟む*楼炎の兄は翔と書きます
お告げをしてカラスは飛び立つ
カラス達のお告げは当たる
それを知っているからこの件についてはどうでも良くは無い
二人は言い合いが終わったのか私の方へ来る
じっと二人の方を見つめ、ふいっと視線を逸らした
翔は私の考えを察してしまったのか私の頭を撫でる
暖かく、男らしい翔の手
私はその手に擦り寄り、離れる
ふわりと制服が揺れた
それを見ていた朱音は私の右腕に抱きつくと私に擦り寄る
朱音の頭を撫でて、前を向く
(厄介、ね………)
高校に着き、私達三人は同じ溜息を吐いた
何故だろう
輝く純白に薔薇を見ると疲れるのは
仕方ないと思いながら門を潜る
中には豪華なシャンデリア
いかにも高そうなソファ
そう言うものばかり飾られていた
私はあまりの派手さに引いている
翔と朱音は溜息をついていた
入学式会場へ向かうと、色んな人達が目に映る
髪の毛が特殊な人から地味まで
化粧が派手か否か
様々な人達がいる中、私はどうでも良さそうにしていた
何故、人は人に興味を持ってもらおうとする
私はそれが不思議で仕方ない
人はすぐ目立ちたがる
よく分からない
すると翔が私の額にデコピンした
何故そんなことをするのかは納得している
私があまりにも無関心だったからだ
私は翔に連れられて席に座る
翔は前を向きつつ私の手を握っていた
どうやら逃してはくれないらしい
私は手綱を握られている
入学式が始まるのか明かりが少し暗くなった
不意に何かを感じて翔の方を見る
翔も同じらしく目が合う
(あぁ、成る程)
私と翔の目先にはある女が映っていた
一つの結論に結びつく
あの人から出る恨みや憎しみの匂いとその矛先がある先生だということ
思わずため息が出る
(どうでも良いが迷惑だ)
そう、思うだけならよかった
女は走り出すと近くの女性生徒にナイフを刺そうとする
身体が既に動いていた
赤いものが飛び散る
「キャアアアア!!!」
女性生徒は叫ぶ
だが
その赤いものは私の肩から流れているものだ
翔が青冷めながら私を呼ぶ
「月!!」
ポタリと血が垂れる
そして落ちる音が響く
私は静かに女を睨んだ
女はカタカタと震え私の目から逸らせない否、逸らせられない
「随分と楽しんだか?」
どうでも良いことだ
人にも興味はさらさらない
だがな
人を無闇に傷つけ、怖がらせる
そんな下衆共を許すほど、心は広くない
女の髪を掴み、引き寄せる
「キャア!?」
女の目をじっと覗き、見つめた
「月!止めろ!」
翔が私の身体を引き寄せる
そして
私の両眼を隠す
翔の心音が乱れていた
「ふー、ふー」
私はゆっくり息をして、目を閉じる
「ゆっくり息をしろ、大丈夫だ」
パタパタと一つの足音が聞こえた
「姉様、落ち着いて」
朱音の声がする
「少し寝ろ」
「………ん」
目を閉じたまま、私は意識を閉ざした
その後は何があったかは知らない
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