自分の誇りを忘れるな

蒼葉縁

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目が覚めると、消毒液特有の匂いがした
私はゆっくりと起き上がり、ベッドから降りる
(あの人はどうなったのだろうか)
最悪なことばかり頭に浮かぶ
廊下に出ると翔と朱音の声がした
私は嫌な予感がしてその声の方へと向かう
目に映るのは静かに怒る二人と女だった
私はそれを黙って見つめ、歩き出す
「翔、朱音、下がれ」
「「!?」」
二人はどうしているのかと言う様に私を見ている
私は女の方へ行き、目を合わせて見つめた
「お前は何を目的で来た」
「実は………」
女はカタカタと震えながら、本当の目的を言い始める
入学出来ずに娘はこの学校の先生の一人に馬鹿にされ自殺
女は夫と泣きながらこの日を待っていた
苦しみながら………
その話を聞いていた二人は顔を歪め、泣いていた
私は黙って立ち上がり一人の先生の前に立つ
その先生は左右に首を振り、青冷める
「そんなことで死ぬ奴が悪いでしょーーーーブボッ!!?」
男の頬を殴り飛ばす
"そんな事"?
"死ぬ奴が悪い"?
「ふざけるなよ!!」
私は怒りで叫ぶ
「貴様など教師は愚か人の風上にも置く資格などないわ!
お前などが死ぬべきだろう!!!
人の死を馬鹿にするなよ!?どれほどあの人の娘は努力していたか分かって尚言った言葉なのか貴様は!!」
私の肩の痛みなど
あの人の女の痛みや苦しみに比べれば
痛みなどないに等しい
苦しかったろう
辛かったろう
それくらい
努力したのだろう
よく頑張った
偉かったな
私の怒りの言葉に女の人は泣いた
男の先生はフルフルと震え頭を伏せる
二人は男を睨んでいる私の頭を撫でて、やんわりとその場から離した
落ち着きを取り戻して、私は欠伸をする
「久々に怒ったな………」
翔が吃驚していた
そんなにか?
「人は怒るよ」
私はけろりと言う
「姉様、傷は?」
朱音は私の肩に触れる
「傷など治った」
私は微笑み、朱音に確認してもらう
一通り確認し終わり、朱音たちは安心していた
女の人は私たちを見つけると頭を下げる
私は一礼し返し、女の人へと近づく
「娘さんはいつまでも貴方の隣にいます」
その言葉に目を見開く女の人
「えぇ、そうね」
その笑顔はとても安心している
そんな顔だった
「貴方が言う言葉はなぜかとても信じれるわ」
「さっきの言葉、とても嬉しかった」
私は微笑み、女の人にまた一礼する
「ではまた」
ふわりとその場から立ち去った
そんな私の姿を
女の人は言った
「誇らしいわね」

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