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第6話:イングリッシュガーデンの静かな噂と、貴族令嬢たちの訪問
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イングリッシュガーデンを始めてから、数日が経った。
朝に花の手入れをし、焼きたてのスコーンを並べ、ハーブティーを淹れる生活が、すっかりリリアの日常になっていた。
そして庭には、少しずつ客足が増えていた。
村の子どもたちや近所の女性たちに加え、今では隣村からわざわざ訪れる者もいる。
皆、口々に言うのは同じだった。
「この紅茶……ほかにはない香りね」
「花に囲まれて飲むお茶って、こんなに贅沢だったかしら」
「街の高級店より、ここのほうが落ち着くよ」
庭で採れたハーブをブレンドし、その日その日の天候に合わせて調合する“季節の一杯”は、他にない味わいとして評判を呼び始めていた。
そんなある午後のこと。
ふわりと甘い香水のような香りをまとった、一台の馬車が庭の前に止まった。
扉が開き、絹のドレスをまとった三人の若い令嬢たちが、華やかに姿を現した。
「まぁ、本当にお花が咲き誇ってるのね」
「ここでお茶が飲めるって聞いて、ずっと来てみたかったのよ」
「こんな場所、王都にもないわ。まるで物語の中みたい」
リリアは驚きながらも丁寧にお迎えし、テーブルへ案内した。
令嬢たちは目を輝かせながら紅茶を味わい、スコーンのやさしい味に感嘆の声を漏らす。
そして、ひとしきり堪能したあと、最も年長の令嬢——金髪を編み込みにした優雅な女性が、リリアに微笑みかけた。
「お願いがあるの。このお庭で、私たちの“お茶会”を開かせていただけないかしら?」
「……お茶会、ですか?」
「ええ。貴族のご令嬢たちだけの、ちょっとした集まりよ。もちろん、ご迷惑にならないように準備や費用はこちらで手配するわ」
「でも、うちのような小さな場所で、よろしいのでしょうか……?」
「それがいいのよ。王宮のサロンじゃ堅苦しいし、お屋敷の庭はもう見飽きたわ。この“花の隠れ家”、きっと皆、気に入るはず」
リリアは戸惑いながらも、その言葉に胸がふわっと温かくなるのを感じた。
前世では、カフェでお茶会を開くことはあっても、それはいつも商業的な予約イベントだった。
でも今、求められているのは、誰かが「ここで過ごしたい」と心から思ってくれる時間。
それは、リリアが目指していた“癒しの庭”そのものだった。
「……ありがとうございます。私でよければ、喜んでお手伝いさせていただきます」
小さく頭を下げると、令嬢たちは嬉しそうに拍手をした。
「まぁ素敵! 次は、帽子とグローブも持って来なくちゃ!」
「ドレスコードも決めましょうか。リリアさん、楽しいお茶会にしましょう」
庭に響く笑い声。華やかな時間の予感。
リリアの“花の庭”に、またひとつ新しい風が吹こうとしていた。
朝に花の手入れをし、焼きたてのスコーンを並べ、ハーブティーを淹れる生活が、すっかりリリアの日常になっていた。
そして庭には、少しずつ客足が増えていた。
村の子どもたちや近所の女性たちに加え、今では隣村からわざわざ訪れる者もいる。
皆、口々に言うのは同じだった。
「この紅茶……ほかにはない香りね」
「花に囲まれて飲むお茶って、こんなに贅沢だったかしら」
「街の高級店より、ここのほうが落ち着くよ」
庭で採れたハーブをブレンドし、その日その日の天候に合わせて調合する“季節の一杯”は、他にない味わいとして評判を呼び始めていた。
そんなある午後のこと。
ふわりと甘い香水のような香りをまとった、一台の馬車が庭の前に止まった。
扉が開き、絹のドレスをまとった三人の若い令嬢たちが、華やかに姿を現した。
「まぁ、本当にお花が咲き誇ってるのね」
「ここでお茶が飲めるって聞いて、ずっと来てみたかったのよ」
「こんな場所、王都にもないわ。まるで物語の中みたい」
リリアは驚きながらも丁寧にお迎えし、テーブルへ案内した。
令嬢たちは目を輝かせながら紅茶を味わい、スコーンのやさしい味に感嘆の声を漏らす。
そして、ひとしきり堪能したあと、最も年長の令嬢——金髪を編み込みにした優雅な女性が、リリアに微笑みかけた。
「お願いがあるの。このお庭で、私たちの“お茶会”を開かせていただけないかしら?」
「……お茶会、ですか?」
「ええ。貴族のご令嬢たちだけの、ちょっとした集まりよ。もちろん、ご迷惑にならないように準備や費用はこちらで手配するわ」
「でも、うちのような小さな場所で、よろしいのでしょうか……?」
「それがいいのよ。王宮のサロンじゃ堅苦しいし、お屋敷の庭はもう見飽きたわ。この“花の隠れ家”、きっと皆、気に入るはず」
リリアは戸惑いながらも、その言葉に胸がふわっと温かくなるのを感じた。
前世では、カフェでお茶会を開くことはあっても、それはいつも商業的な予約イベントだった。
でも今、求められているのは、誰かが「ここで過ごしたい」と心から思ってくれる時間。
それは、リリアが目指していた“癒しの庭”そのものだった。
「……ありがとうございます。私でよければ、喜んでお手伝いさせていただきます」
小さく頭を下げると、令嬢たちは嬉しそうに拍手をした。
「まぁ素敵! 次は、帽子とグローブも持って来なくちゃ!」
「ドレスコードも決めましょうか。リリアさん、楽しいお茶会にしましょう」
庭に響く笑い声。華やかな時間の予感。
リリアの“花の庭”に、またひとつ新しい風が吹こうとしていた。
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