ガーディアンと鎧の天使

イケのモ

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家出王子捜索隊

6話 フリー

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 息を整えた緑の服を着たおかっぱ頭の男が王様へと報告する。
「リュウジン様が帰還しました。王様への伝言として盾の席に座る者を至急中庭の牙の席前広場へ伴ってお越し下さいと」

 バレット王子が一歩前に出る。
「盾の席となると龍神フリー様の知る所となるとディスティニー伯父様となるが今さっきサトシだったよな?名前?シールド王子?いや、ガーディアンだからさっきの鎧なんという?」

 話はいまいち分からないが、リュウジンということは恐らくガーディアンということか?身分は分からないが王様を呼び出せる程…いや、用事を頼まれていたパターン?今はエースの名前について聞いているから答える。
「エース、あの鎧はエースと言います」

 ざわつく。

 そんなエースだなんて。かの伝説の…エース。実在したなんて。そんな声が聞こえて

「えぇ、おれなんかしちゃいましたか?」

 なんてならない。



 バレット王子から
「外れくじを引いたのか」

 ホーリー?オラシオン?王子から
「あぁ~あ、うん」

 白と黒のお姫様からは
「可哀想」

 ソード姫からは
「いや、可能性はまだ…えー、でも」

 王様からは肩に手を置かれて
「エースであっても私の子たちは受け入れるよ」

 最弱だと言われたけどそこまでなの!?いや、分からないがそこまでではないと思うよ。自分は。



 王様が自分の隣で手を叩きみんなの注目を集める。
「話したいことはあるが余りフリー様を待たせるわけにはいかない。サトシ?君一緒に来てもらえるか?」

 特に断る意味もないので返事をする。
「はい」

 この部屋の自分が入ってきた所を除くとただ一つしかない両開きの大きな扉に目を向ける。
 緑の服を着たおかっぱ頭の男が入ってきたときに中途半端に開かれた隙間から見えた通路が見えない、閉じているというわけではない。
 彼が入ってきたときにはあまりにものことで扉は閉めておらず中途半端に開けっ放しである。
 問題は扉の隙間から見えるのは闇としか形容のできないものである。
 その闇に向けて無敵公爵が大きめの声を出す。
「久しいな弟」

 闇からヌッと赤紫色で金属光沢のある重装鎧が現れ、恐らくこの場にいる全員に向けてのあいさつ代わりであろうか片手を挙げる。

 王様がそれを見て優し気に語り掛ける。
「兄さん、ありがとう。兄さんに二度は見ないと思っていた光景を見れた。この子がシールドだ」

 それに対して王様から兄さんと呼ばれた赤紫のガーディアンは特に反応をせずこの闇を潜り抜けよと言うかのように横に移動する。

 明らかに王様に対しての無礼に見える行いに対して王様が優し気な声で
「ああ、フリー様を待たせるなということだなみんな行くぞ」



 一番最初にこれを潜るのは自分と王様のようだ。なぜ!?王様は自分の右手を握り背中を押すので心の準備もできないで潜る。
 暗い場所から明るい場所に突然出たので目が眩む。

 後ろから出てくる人の邪魔にならないようにもう少し王様に押されるままに前へ歩む。
 目が慣れてくるとステージとそこに鎮座する存在に目を奪われる。

 それはステージの上で丸まっているが頭を上げてこちらを見つめるそれはイモリのように顎より下はオレンジでそれ以外は黒のトカゲの頭を巨大にした頭とオレンジの線が何本か走る薄い体毛に覆われた胴。
 5、6…奥にもあるいくつもある巨大な翼竜…いや蝙蝠のような見た目の大翼、自分よりも巨大な二の腕から生える十分に大きいし太いが細い鶏のような前足、前足のちぐはぐを払拭する自分が知るどんな動物よりも立派な後ろ足。
 産毛がなく黒い光沢のあるなんでもかんでも薙ぎ払いそうな、それだけで大蛇と言えそうな尻尾。

 つまりドラゴンとしか形容の仕方がない存在が目の前にいる。

 じっと見つめていたドラゴンは皆がそろったのか声を発する。発する!?

「遅いぞ、クラウンよ」
 しゃべれるのにも驚きだが、その声は隣居にいる王様よりも威厳のあるものだ。
 それに対して王様が答える。

「はは、すみませんフリー様。実はこの者が席に選ばれまして」

 自分のことだよな?選ばれた?何に?と思っているとフリーと言うらしいドラゴンが
「智だろ。山本智」

「は!?えっ…なん…で?」
 なんで自分の名前を知ってんだこのドラゴンは!?

 多分自分をじっと見ているフリーは答える。
「神様だ。竜神様からお告げがあった。皆が言う龍神リュウジン様は龍神官である我のことを指すが、我の言う竜神様は神を指す。今はまだ理解しなくていい」

 困惑していると威厳のありそうなおじいさんの声と何人かが近づく音が聞こえる。
「アルバス王と王太子ただいま参上いたしました」

 緑の服のおかっぱ頭の隣に黒い何かを用意したと思われる赤紫のガーディアン、後ろにエルフのような特徴を持ったおっさんエルフとおじいちゃんエルフがいた。
 そちらのお方はどちら様でと王様に聞こうとしたらフリーが立ち上がり皆の注目を集める。
「急な呼び出しでよく集まった。ガーディアン・フリー・ディスティニーその力で皆を集めてくれたことを感謝する」

 何も言わずに軽くお辞儀をするのをフリーは見届けて話を続ける。
「久方ぶりに神様が私の元へ来てくださって新たな盾の席に選ばれた者について頼まれた。この者はアルバス王国のように異界でフリー王国がある世界とは異なる場所から来た。この者がどのよう成長するかで一つの答えを得ると」

 えっ?どゆこと?
「えー何を聞けば?その、なんで自分」

 フリーが答える。
「私は知らん。大体なんで私ではなくお前なんだ私は常日頃からかのお方を思いに思っているのに…。」

 アルバス王と思われるエルフのおじいちゃんが話に入る。
「では彼を、フリー家、アルバス家のつまり我々の養子にということですか?」

 フリーが頷く。
「あぁ、そのように。それと槍の席に認められた者についても言及があった。盾の席に認められた者を連れて行けと、連れていくことでその力への理解が広がるであろうと」

 アルバス王がつぶやく
「力?」

 王様、クラウン王が答える
「ガーディアンの鎧のことだと。お久しぶりです。アルバス王よ」

 アルバス王が返事をする。
「ふむ久しいな、フリー王よ。その名は何かね」

 クラウン王は一度自分のほうを見ると答える。
「あー、ふむ。エースだ…。エース」

 王太子が一歩前に出る。
「今なんと?エースと聞こえたような気がしましたが聞き間違えですね」

 いや、そこまでではない…ナビゲートさんがいれば。
 ここでみんなの視線に気が付く。
 中庭で王様達が勢ぞろいしているわけだし多くの兵士やお城で働く人達が集まっている。
 王様達は(その他のガヤは除く)黙っている。

 なる。

「リンク、エース」
 光に包まれて銀騎士が現れる。

 ガヤの方からおぉ~という声が聞こえる。

 エースが聞こえなかったのだろう。聞こえていたらどんな反応をされるのだろうか?多分、泣くな。
 王太子が憐みの帯びた視線を向ける。
 
 フリーが自分とそれ以外の鎧を纏うガーディアン達に向ける。
「エース?という鎧の力を見たい試合を」

 フリーが話をしようとしたのでガヤも黙りエースだと気が付いたのだろう。
 王子、王女達が息ぴったりに言う。

「「それは可哀想です」」

 フリーは目を丸くする。少し間を置く。

「はっ!?イヤ、弱いとは噂で知っているが弱い弱いと言われるその力帰って気になるであろう。彼が智が断るならばそこは諦めるが…そこまでなのか?」

 みんな頷く。
 よろしいそのイメージを払拭してやる。
 となるのが普通かもしれないが普通のガーディアンとエースとの差が気になる。
「自分は武術は習った事などはないですが、普通のガーディアンはどれくらい強いのか気になります。試合のルールなどは全く知らないですが戦ってみたいです」
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感想 1

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みんなの感想(1件)

スパークノークス

おもしろい!
お気に入りに登録しました~

2021.08.30 イケのモ

 読んでくれてありがとうございます。

解除

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