ボクのことが嫌いな彼らは、10年後の僕を溺愛する

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現在編1

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竹内と話していると、電話がかかってきた。


ディスプレイを見て、思わず舌打ちしそうになった。



出たくないけど、今出ないと後でなにをされるかわからない。



僕はスマホを握り締めて、店の外に出た。




『遅いよアンリ。俺が電話したら三秒以内に出ろって言ったよね?』


「無理だよ。これからバイトなんだけど」


『アンリがいなくなったところで、なんの問題もないでしょ。アンリがしている仕事は、遊びみたいなもんなんだから』


「・・・なんか用なの?」


『用がなければ電話しちゃいけないの?』


いけない。用事があっても電話してくるなと思っている。でも、直接来られるよりはずっとましだ。


『用なんていくらでもあるからね。とりあえず、今週の土曜日家に来てね』


「えっ。予定があるから無理」


『どうせろくでもない女たちとおままごとをするだけでしょ。全部キャンセルしなよ。ついでに関係も絶ってね』


「関係を絶ったら、お金を返せなくなる」


『俺が全部立て替えてあげるって言っているでしょ。アンリは働く必要なんてないの。俺の部屋でじっとしているだけで、一日五十万出すよ。他のアルバイトは全部馬鹿みたいに思えるでしょ』



じっとしているだけで済むとは思えないから。


肉体的になにされるかわからないし、精神的にもきつい。



『それにさ、俺は怒ってるんだからね』


「・・・なにかしたっけ?」


『アンリがマザコンなのは理解しているから、女とのおままごとはまだ黙認していた。でも、男とのおままごとは許せない』


「パパ活はあんまりしてないよ。食事をするくらいいいじゃん」


『そうじゃない。あのロシア人、なんなの?』


「ロシア人って、ジェイのこと?ジェイは、ただの友達だよ」


『アンリに友達なんていらない』


「むちゃくちゃだよ」


『とにかく、今週の土曜日来てよね。続きはその時で。逃げたら、お友達のジェイと、バイト仲間の竹内君になにかしちゃうかもしれないから、よろしくね』



一方的に通話を切られて、僕は困惑する。


借金返済のために響とはよく顔を合わせている。


響は本気で嫌がることはしないとわかっているから、まだ安心して会いに行けた。


だけど、こいつはなにを要求してくるかわからなかった。




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