7 / 50
現在編1
6
しおりを挟む竹内と話していると、電話がかかってきた。
ディスプレイを見て、思わず舌打ちしそうになった。
出たくないけど、今出ないと後でなにをされるかわからない。
僕はスマホを握り締めて、店の外に出た。
『遅いよアンリ。俺が電話したら三秒以内に出ろって言ったよね?』
「無理だよ。これからバイトなんだけど」
『アンリがいなくなったところで、なんの問題もないでしょ。アンリがしている仕事は、遊びみたいなもんなんだから』
「・・・なんか用なの?」
『用がなければ電話しちゃいけないの?』
いけない。用事があっても電話してくるなと思っている。でも、直接来られるよりはずっとましだ。
『用なんていくらでもあるからね。とりあえず、今週の土曜日家に来てね』
「えっ。予定があるから無理」
『どうせろくでもない女たちとおままごとをするだけでしょ。全部キャンセルしなよ。ついでに関係も絶ってね』
「関係を絶ったら、お金を返せなくなる」
『俺が全部立て替えてあげるって言っているでしょ。アンリは働く必要なんてないの。俺の部屋でじっとしているだけで、一日五十万出すよ。他のアルバイトは全部馬鹿みたいに思えるでしょ』
じっとしているだけで済むとは思えないから。
肉体的になにされるかわからないし、精神的にもきつい。
『それにさ、俺は怒ってるんだからね』
「・・・なにかしたっけ?」
『アンリがマザコンなのは理解しているから、女とのおままごとはまだ黙認していた。でも、男とのおままごとは許せない』
「パパ活はあんまりしてないよ。食事をするくらいいいじゃん」
『そうじゃない。あのロシア人、なんなの?』
「ロシア人って、ジェイのこと?ジェイは、ただの友達だよ」
『アンリに友達なんていらない』
「むちゃくちゃだよ」
『とにかく、今週の土曜日来てよね。続きはその時で。逃げたら、お友達のジェイと、バイト仲間の竹内君になにかしちゃうかもしれないから、よろしくね』
一方的に通話を切られて、僕は困惑する。
借金返済のために響とはよく顔を合わせている。
響は本気で嫌がることはしないとわかっているから、まだ安心して会いに行けた。
だけど、こいつはなにを要求してくるかわからなかった。
1
あなたにおすすめの小説
義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。
石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。
実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。
そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。
血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。
この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。
悪役令息に転生したらしいけど、何の悪役令息かわからないから好きにヤリチン生活ガンガンしよう!
ミクリ21 (新)
BL
ヤリチンの江住黒江は刺されて死んで、神を怒らせて悪役令息のクロエ・ユリアスに転生されてしまった………らしい。
らしいというのは、何の悪役令息かわからないからだ。
なので、クロエはヤリチン生活をガンガンいこうと決めたのだった。
龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜
クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。
生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。
母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。
そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。
それから〜18年後
約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。
アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。
いざ〜龍国へ出発した。
あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね??
確か双子だったよね?
もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜!
物語に登場する人物達の視点です。
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる