ボクのことが嫌いな彼らは、10年後の僕を溺愛する

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現在編3

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しばらくして復活した蓮は、偉そうに僕のベッドを占拠した。


僕は蓮の血がシーツにつかないように、慌てて傷の手当てを始める。


蓮は僕の行動が当たり前みたいな顔をしていたのでちょっとイラっとした。



「そういえば、この間撮ったアンリの写真、親父に奪われた」


「は?最悪なんだけど!?」


「な」


「な、じゃないよ。あの人が僕の写真を持ってて何の得があるんだよ」


「面白がってるんだよ。あの写真を奏さんと菫さんが目にした時の反応が見たいんじゃないの」


「菫さんは今更僕になんて興味がないだろうけど、高宮奏はどんな行動に出るかわからないから怖いな。あの人は僕の存在自体に怒ってるから、無様な姿を晒しやがってって、今度こそ殺されるかも」


「それは大丈夫だよ。高宮家は殺しに手を染めるほどには狂ってない」


「他のすべての犯罪には手を染めてそうだよね」


「できれば関わりたくないよな」


「蓮も一員だからね」


「アンリだって関係者だよ。だからいつも、見張られてる。竹内君とは縁を切ったみたいだね。それだけは褒めてあげる。次はジェイ。なるべく早めにね」


ご褒美とでも言いたげに、蓮は僕のおでこにキスを落とした。

僕は何様だという言葉をのみ込んだ。


「竹内は結果的に変な関係になっちゃったけど、ジェイは本当にただの友達だから」


「アンリはそう思ってるかもしれないけど、向こうはわからないよ。ジェイのこと、ちょっと調べてみたんだけど、元傭兵らしい」


「なにそれ。格好いい。だからあんなにムキムキなんだ」


「どうしてジェイがムキムキなのを知ってるの?」


「えっと、いや、服越しでもわかるじゃん。筋肉が筋肉だよって主張してる」


「ふーん」


蓮は白けた視線を僕に向けた。


「傭兵になるまでの経歴は調べ切れなかった。今は違うルートで探ってる。ということで、怪しいから気をつけるんだよ」


「気をつけろって言われてもなぁ」


「あと、奏さんにも気をつけて」


「気をつけろもなにも、高宮家の災難から逃げる術はないよ」


「そこを頑張れ」


「蓮が盾になってくれればいいんじゃないの?」


「親父1人にさえ敵わないクソ弱者な俺にそんな機能がないことはわかってるだろ。とにかく、いつも警戒してろ。今のアンリ、ヤバイよ。杏奈さんと、そっくりだ。だからたぶん、杏奈さんのことが好きすぎる奏さんはアンリを殴りこそしないと思う。だけど、性的に杏奈さんの代わりを求めてくるかもしれない」


蓮は僕のシャツの中に手を突っ込んで、無遠慮に胸からお腹にかけての傷跡を撫で回した。


「……代わりって、考えすぎだよ。仮に変な気持ちになったとしても、僕の身体を見た瞬間、正気に戻るよ。そもそも、僕と同じ空間にいたくもないだろうし」


「かもしれないけど、油断はするな。捕まった時点で終わりだと思って過ごすんだよ」



蓮は結局助けを求めて来たんだと思っていた。


でも、本当は、ただ忠告をしに来たのかもしれなかった。

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