30 / 50
現在編4
3
しおりを挟む
全部を弟に管理される生活が始まった。
僕は最初こそ抵抗した。
無視を決め込み、用意されたご飯を食べないで、同じベッドで寝たり、一緒にお風呂に入ったりするのを拒否した。
でもすぐにお腹が空いて、床で寝ると身体が痛くなって、お風呂に入らないときついのは僕だった。
弟は僕が根をあげるのを待っているスタンスで、力づくで従わせることはなかった。
結局、僕自身の意思が弱いから、弟の言いなりになるしかない。
弟の指示に一つ従う度に、僕は自分が情けなくなるだけだった。
「兄弟がこうやって一緒にお風呂に入るのってすごく幸せな時間だよね」
弟は湯船に浸かり、浮かべていたアヒルを水没させて言う。
僕は再び浮かんでくるアヒルを見つめるだけで返事はしなかった。
僕が最後まで抵抗したのは、一緒にお風呂に入ることだった。
他のことは直ぐに諦めたのに、お風呂だけはなかなか根をあげない僕に、弟は言った。
お兄ちゃんの裸の写真なら全部俺が保管しているよと。
僕はその瞬間、すべてが馬鹿らしくなって、無駄な抵抗はやめた。
弟は僕が素直に従うようになって、ものすごく機嫌が良くなった。
痛いことはなにもしないで、基本的には僕を甘やかした。
だけど僕の気持ちが弟へ向くことはなかった。
弟と過ごす時間が長くなるほど、僕の中で死にたいという気持ちが大きくなっていた。
死にたい気持ち自体は、ずっと前から抱いていた。
響や蓮も、僕を縛り過ぎると自殺しかねないと考えていたのだろう。
なんだかんだあって、ママと住んでいた家に帰りたいという願いを認められたのは、奇跡に近かった。
そして思いがけず得たここ数年の生活を振り返ってみると、それなりに楽しかったなと思える。
だからこそ、今更こんな生活は耐えられないのだ。
「俺の友達さ、まだ母親とお風呂に入ってるんだって。それは流石におかしいと思うんだよね」
優斗のことだろうか。
母親と風呂に入っても別にいいだろという言葉は墓穴を掘りそうなので呑み込んだ。
「俺は、小4に上がる前に一緒に入るのをやめたよ」
弟の母親。僕のママ。
僕はもっと前から、一緒にいられなくなったのに。
僕が弟を睨むと、弟はようやく見てくれたと、嬉しそうに笑う。
弟はわざとママの話題を出したようだった。
「お風呂には一緒に入らないけど、今度温泉旅行にいく計画があるんだ」
だから、なんだ。
僕には、関係ない。
僕が睨むのをやめないでいると、弟が急に顔を近づけてきた。
「連れて行ってあげようか?」
耳元で言われて、身体が固まる。
僕が一緒に行けるわけがない。
あの男が許さないし、ママだって困るだろう。
一体何を考えているんだと戸惑っていたら、弟が湯船の中にある僕の手を取った。
「上手くできたら、ご褒美にね。今日は、手だけでいいよ」
弟は僕に自分の下半身を触らせて言った。
僕は気持ち悪いというおもいと、ちょっとの期待で、しばらく動けなかった。
僕は最初こそ抵抗した。
無視を決め込み、用意されたご飯を食べないで、同じベッドで寝たり、一緒にお風呂に入ったりするのを拒否した。
でもすぐにお腹が空いて、床で寝ると身体が痛くなって、お風呂に入らないときついのは僕だった。
弟は僕が根をあげるのを待っているスタンスで、力づくで従わせることはなかった。
結局、僕自身の意思が弱いから、弟の言いなりになるしかない。
弟の指示に一つ従う度に、僕は自分が情けなくなるだけだった。
「兄弟がこうやって一緒にお風呂に入るのってすごく幸せな時間だよね」
弟は湯船に浸かり、浮かべていたアヒルを水没させて言う。
僕は再び浮かんでくるアヒルを見つめるだけで返事はしなかった。
僕が最後まで抵抗したのは、一緒にお風呂に入ることだった。
他のことは直ぐに諦めたのに、お風呂だけはなかなか根をあげない僕に、弟は言った。
お兄ちゃんの裸の写真なら全部俺が保管しているよと。
僕はその瞬間、すべてが馬鹿らしくなって、無駄な抵抗はやめた。
弟は僕が素直に従うようになって、ものすごく機嫌が良くなった。
痛いことはなにもしないで、基本的には僕を甘やかした。
だけど僕の気持ちが弟へ向くことはなかった。
弟と過ごす時間が長くなるほど、僕の中で死にたいという気持ちが大きくなっていた。
死にたい気持ち自体は、ずっと前から抱いていた。
響や蓮も、僕を縛り過ぎると自殺しかねないと考えていたのだろう。
なんだかんだあって、ママと住んでいた家に帰りたいという願いを認められたのは、奇跡に近かった。
そして思いがけず得たここ数年の生活を振り返ってみると、それなりに楽しかったなと思える。
だからこそ、今更こんな生活は耐えられないのだ。
「俺の友達さ、まだ母親とお風呂に入ってるんだって。それは流石におかしいと思うんだよね」
優斗のことだろうか。
母親と風呂に入っても別にいいだろという言葉は墓穴を掘りそうなので呑み込んだ。
「俺は、小4に上がる前に一緒に入るのをやめたよ」
弟の母親。僕のママ。
僕はもっと前から、一緒にいられなくなったのに。
僕が弟を睨むと、弟はようやく見てくれたと、嬉しそうに笑う。
弟はわざとママの話題を出したようだった。
「お風呂には一緒に入らないけど、今度温泉旅行にいく計画があるんだ」
だから、なんだ。
僕には、関係ない。
僕が睨むのをやめないでいると、弟が急に顔を近づけてきた。
「連れて行ってあげようか?」
耳元で言われて、身体が固まる。
僕が一緒に行けるわけがない。
あの男が許さないし、ママだって困るだろう。
一体何を考えているんだと戸惑っていたら、弟が湯船の中にある僕の手を取った。
「上手くできたら、ご褒美にね。今日は、手だけでいいよ」
弟は僕に自分の下半身を触らせて言った。
僕は気持ち悪いというおもいと、ちょっとの期待で、しばらく動けなかった。
0
あなたにおすすめの小説
義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。
石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。
実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。
そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。
血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。
この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。
悪役令息に転生したらしいけど、何の悪役令息かわからないから好きにヤリチン生活ガンガンしよう!
ミクリ21 (新)
BL
ヤリチンの江住黒江は刺されて死んで、神を怒らせて悪役令息のクロエ・ユリアスに転生されてしまった………らしい。
らしいというのは、何の悪役令息かわからないからだ。
なので、クロエはヤリチン生活をガンガンいこうと決めたのだった。
龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜
クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。
生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。
母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。
そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。
それから〜18年後
約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。
アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。
いざ〜龍国へ出発した。
あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね??
確か双子だったよね?
もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜!
物語に登場する人物達の視点です。
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる