ボクのことが嫌いな彼らは、10年後の僕を溺愛する

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現在編4

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全部を弟に管理される生活が始まった。


僕は最初こそ抵抗した。


無視を決め込み、用意されたご飯を食べないで、同じベッドで寝たり、一緒にお風呂に入ったりするのを拒否した。


でもすぐにお腹が空いて、床で寝ると身体が痛くなって、お風呂に入らないときついのは僕だった。


弟は僕が根をあげるのを待っているスタンスで、力づくで従わせることはなかった。


結局、僕自身の意思が弱いから、弟の言いなりになるしかない。


弟の指示に一つ従う度に、僕は自分が情けなくなるだけだった。







「兄弟がこうやって一緒にお風呂に入るのってすごく幸せな時間だよね」


弟は湯船に浸かり、浮かべていたアヒルを水没させて言う。


僕は再び浮かんでくるアヒルを見つめるだけで返事はしなかった。




僕が最後まで抵抗したのは、一緒にお風呂に入ることだった。


他のことは直ぐに諦めたのに、お風呂だけはなかなか根をあげない僕に、弟は言った。


お兄ちゃんの裸の写真なら全部俺が保管しているよと。


僕はその瞬間、すべてが馬鹿らしくなって、無駄な抵抗はやめた。







弟は僕が素直に従うようになって、ものすごく機嫌が良くなった。


痛いことはなにもしないで、基本的には僕を甘やかした。



だけど僕の気持ちが弟へ向くことはなかった。



弟と過ごす時間が長くなるほど、僕の中で死にたいという気持ちが大きくなっていた。



死にたい気持ち自体は、ずっと前から抱いていた。




響や蓮も、僕を縛り過ぎると自殺しかねないと考えていたのだろう。


なんだかんだあって、ママと住んでいた家に帰りたいという願いを認められたのは、奇跡に近かった。


そして思いがけず得たここ数年の生活を振り返ってみると、それなりに楽しかったなと思える。



だからこそ、今更こんな生活は耐えられないのだ。






「俺の友達さ、まだ母親とお風呂に入ってるんだって。それは流石におかしいと思うんだよね」


優斗のことだろうか。


母親と風呂に入っても別にいいだろという言葉は墓穴を掘りそうなので呑み込んだ。


「俺は、小4に上がる前に一緒に入るのをやめたよ」


弟の母親。僕のママ。


僕はもっと前から、一緒にいられなくなったのに。


僕が弟を睨むと、弟はようやく見てくれたと、嬉しそうに笑う。


弟はわざとママの話題を出したようだった。


「お風呂には一緒に入らないけど、今度温泉旅行にいく計画があるんだ」


だから、なんだ。


僕には、関係ない。


僕が睨むのをやめないでいると、弟が急に顔を近づけてきた。


「連れて行ってあげようか?」


耳元で言われて、身体が固まる。


僕が一緒に行けるわけがない。


あの男が許さないし、ママだって困るだろう。


一体何を考えているんだと戸惑っていたら、弟が湯船の中にある僕の手を取った。




「上手くできたら、ご褒美にね。今日は、手だけでいいよ」



弟は僕に自分の下半身を触らせて言った。


僕は気持ち悪いというおもいと、ちょっとの期待で、しばらく動けなかった。



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