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第二章
第13話 決戦前夜
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その後、俺は一度宿へと戻っていた。
「ひとまず、ミレイユの一つ目の危機は回避できたか」
さて、俺の目的はシンプルだ。
一つ目はアイリスをオルトの魔の手から守ることだ。
これについてはボーマンの加護を奪って、手段を無くしてやった。
だが、オルトが強攻策に出る可能性もあるので安心は出来ない。
そして二つ目はミレイユの身を守ることだ。
一つ目の事件については阻止することはできたが、まだ安心できない。
しかしこの後、〝加護なし〟の反乱が起これば、彼女はエルドリアの市民に攫われ再び危機に陥る。
そして、今のクライドはそんな彼女を守りはしない。
さっきも結局、クライドが現れることはなかった。
「本当にあいつはどうしてしまったんだ」
「ジーク……様?」
すると、今朝寝かしつけたリヴィエラが目を覚ました。
「リヴィエラ、もう起きて大丈夫なのか?」
「はい。ゆっくりと休ませていただきましたから。それよりもジーク様、収穫はありましたか?」
リヴィエラが言っているのは、昨晩の情報収集の話だろう。
俺は昨日集めた情報と、今日起こった出来事について説明する。
「〝加護なし〟の方がそんな事件を起こすなんて」
「間違いなくオルトの差し金だ。だが、本当に重大なのはこれからだ」
「これから、何が起こるんですか?」
「〝加護なし〟の所業に怒った伯爵は、これまでの施策を撤廃するだろう。奴隷売買や〝加護なし〟への暴力の禁止、そういったものを全部だ」
そして、あの広場で〝加護なし〟に暴力を振るった冒険者や、それをただ見ていた人達のような差別意識に満ちた者達は、すぐにでも〝加護なし〟への虐待を始めるだろう。
「そんな……」
「そうなれば〝加護なし〟も抵抗を始めるだろう。オルトはきっと、そんな〝加護なし〟を焚きつけ、武器を支給したりするかもしれない」
「〝加護なし〟の方と、エルドリアの人達で争いが起こるなんてにわかに信じられません。しかも、それを扇動するなんて」
「だが、オルトはそれぐらいの事は平気でしでかす男だ」
「何とか止めることは出来ないでしょうか?」
「そうだな……」
これから起こる出来事はこの街での転機となる。
〝加護なし〟が反抗すると言っても、加護を持つ者を相手取れば、勝ち目はない。
いずれは一方的な虐殺に発展するだろう。
原作において、ラフィリア伯爵は住民の暴行を受けて瀕死の重傷を負う。
そしてボーマンは全てを手に入れようとしてミレイユを襲おうとするが、それがクライドに阻止され、犯行の瞬間を回復した伯爵に見られてしまう。
そして、ボーマンの所業は明るみに出て、事態は一応収束する。
しかし、それでも両者の互いに対する敵意は燻り続けるという流れだ。
「だが、オルトとミレイユが俺の思った通りの人物なら、これからの展開は違った面を見せるはずだ」
さて、この計画にはオルトの目論見とはまるで異なる状況が生まれている。
その一つが、ボーマンから加護が失われたという点だ。そのため、オルトは計画を変更せざるを得なくなるはずだ。
「あいつの性格と志向を考えれば、恐らくあいつは期待通りに動いてくれるはずだ」
俺はこの世界において誰よりも、ひょっとしたら本人よりもオルトのことを理解しているだろう。
だからこそ、ある意味でオルトを信頼していた。
まずオルトの目的をまとめよう。あいつの最大の目的はアイリスだ。
オルトは、自分の思い通りにならないアイリスを屈服させようと策を巡らせている。
そして、今回はボーマンを利用することにした。
どうして奴はそんな回りくどい手段を取ったのか?
「一番はその方が面白いからだ」
ずっと本物のジークだと思い込まされていた人物が、全くの別人であった。
そんな相手に身体を捧げていたと気付いた時のアイリスの反応が見たいのだ。
無理矢理襲うのでは無く、《魅了》という方法を選んだのはそれが一番の理由だろう。
そう、あいつは精神が破綻しているのだ。
幸せの絶頂にある人間を絶望させるのを何よりも好んでいる。
では、そんな精神の破綻したオルトが、自身の計画を邪魔された今、どの様に動くか。
「折角の計画だったのに、俺に邪魔をされた。あいつは心底、面白くないだろうな」
ボーマンは加護を抜かれてダメにされ、襲われるはずのミレイユも無事だった。
念入りに準備をしてきた計画に綻びが生じた状態だ。
「あいつはそういう不確定要素を嫌い、全力で潰しに掛かる男だ」
つまり、俺という邪魔者の存在を何としても炙り出そうとするはずだ。
「そして、恐らくミレイユに探りを入れ始めるだろうな」
そこで、俺が仕込んだエサに飛びつくはずだ。
「俺が生きていると知ったオルトがそれを利用しないはずがない。オルトは、俺こそが腹違いの弟のオルトだと吹聴するはずだ」
目的はただ一つ。
俺の味方がいなくなったという事実を、俺にまざまざと知らしめるためだ。
「計画を邪魔されたことへの恨みを晴らし、俺をもう一度地獄にたたき落とすために、オルトは俺を表舞台に引きずり出そうとするはずだ」
舞台は整いつつある。
出だしこそ完全に出遅れた。危うくミレイユも襲われるところだった。
しかし、俺の抵抗によって、オルトの目論見が外れていることも確かだ。
「これであいつが俺に気付いてさえくれれば、この事件は俺とオルトの直接対決になるはずだ」
あとはオルトの思考を読み誤らないように、気を抜かずに行こう。
「ジーク様、考えはまとまりましたか?」
「ああ。確証はないが明日、多分オルトとの決着を付けることになる」
「あの、私に何か手伝えることは……?」
原作の流れで行けば明日、ラフィリア伯は二人の〝加護なし〟の処刑を発表し、同時にオルトに扇動された〝加護なし〟たちが一斉に蜂起するだろう。
当然、オルトの目論見通りにさせない。内紛は阻止し、オルトと決着を付ける。
そのための手はいくらあっても足りないぐらいだ。
「リヴィエラ……手伝ってくれるか?」
「はい。どんなことでも。私はジーク様のためならどんなことでもする覚悟です」
「ありがとう、よろしく頼む」
俺はそっとリヴィエラの頭を撫でる。
明日はきっと長い一日になるだろう。
「ちょっと待てぇえええええ!!」
その時、騒がしい声と共に、三人組の大男が入り込んできた。
「鍵が開いていたので、失礼ながら入らせていただきました!!」
「ノックもしないでごめんなさいね!!」
「不法侵入だぞ……」
俺は三人組からリヴィエラをかばうように立ちはだかる。
「他意はねえんだ!! ただ、俺達は命の恩人であるハル様の力になりたくてここに来たんだ!!」
「命の恩人……?」
思い出した。
この三人は、蜂蜜狩りの時に遭遇した冒険者達だ。
てっきり蜂に殺されたものだと思っていたが、奇跡的に生き延びていたので治療したのだった。
「俺の名前はゴンザレス」
「僕の名前はローレンス」
「アタシの名前はエリザベスよ」
「「「何だかよく分からないけど、命を助けていただいたお礼をさせてください!!!」」」
大層、立派な名前の三人組が仲間になってしまった。
「ひとまず、ミレイユの一つ目の危機は回避できたか」
さて、俺の目的はシンプルだ。
一つ目はアイリスをオルトの魔の手から守ることだ。
これについてはボーマンの加護を奪って、手段を無くしてやった。
だが、オルトが強攻策に出る可能性もあるので安心は出来ない。
そして二つ目はミレイユの身を守ることだ。
一つ目の事件については阻止することはできたが、まだ安心できない。
しかしこの後、〝加護なし〟の反乱が起これば、彼女はエルドリアの市民に攫われ再び危機に陥る。
そして、今のクライドはそんな彼女を守りはしない。
さっきも結局、クライドが現れることはなかった。
「本当にあいつはどうしてしまったんだ」
「ジーク……様?」
すると、今朝寝かしつけたリヴィエラが目を覚ました。
「リヴィエラ、もう起きて大丈夫なのか?」
「はい。ゆっくりと休ませていただきましたから。それよりもジーク様、収穫はありましたか?」
リヴィエラが言っているのは、昨晩の情報収集の話だろう。
俺は昨日集めた情報と、今日起こった出来事について説明する。
「〝加護なし〟の方がそんな事件を起こすなんて」
「間違いなくオルトの差し金だ。だが、本当に重大なのはこれからだ」
「これから、何が起こるんですか?」
「〝加護なし〟の所業に怒った伯爵は、これまでの施策を撤廃するだろう。奴隷売買や〝加護なし〟への暴力の禁止、そういったものを全部だ」
そして、あの広場で〝加護なし〟に暴力を振るった冒険者や、それをただ見ていた人達のような差別意識に満ちた者達は、すぐにでも〝加護なし〟への虐待を始めるだろう。
「そんな……」
「そうなれば〝加護なし〟も抵抗を始めるだろう。オルトはきっと、そんな〝加護なし〟を焚きつけ、武器を支給したりするかもしれない」
「〝加護なし〟の方と、エルドリアの人達で争いが起こるなんてにわかに信じられません。しかも、それを扇動するなんて」
「だが、オルトはそれぐらいの事は平気でしでかす男だ」
「何とか止めることは出来ないでしょうか?」
「そうだな……」
これから起こる出来事はこの街での転機となる。
〝加護なし〟が反抗すると言っても、加護を持つ者を相手取れば、勝ち目はない。
いずれは一方的な虐殺に発展するだろう。
原作において、ラフィリア伯爵は住民の暴行を受けて瀕死の重傷を負う。
そしてボーマンは全てを手に入れようとしてミレイユを襲おうとするが、それがクライドに阻止され、犯行の瞬間を回復した伯爵に見られてしまう。
そして、ボーマンの所業は明るみに出て、事態は一応収束する。
しかし、それでも両者の互いに対する敵意は燻り続けるという流れだ。
「だが、オルトとミレイユが俺の思った通りの人物なら、これからの展開は違った面を見せるはずだ」
さて、この計画にはオルトの目論見とはまるで異なる状況が生まれている。
その一つが、ボーマンから加護が失われたという点だ。そのため、オルトは計画を変更せざるを得なくなるはずだ。
「あいつの性格と志向を考えれば、恐らくあいつは期待通りに動いてくれるはずだ」
俺はこの世界において誰よりも、ひょっとしたら本人よりもオルトのことを理解しているだろう。
だからこそ、ある意味でオルトを信頼していた。
まずオルトの目的をまとめよう。あいつの最大の目的はアイリスだ。
オルトは、自分の思い通りにならないアイリスを屈服させようと策を巡らせている。
そして、今回はボーマンを利用することにした。
どうして奴はそんな回りくどい手段を取ったのか?
「一番はその方が面白いからだ」
ずっと本物のジークだと思い込まされていた人物が、全くの別人であった。
そんな相手に身体を捧げていたと気付いた時のアイリスの反応が見たいのだ。
無理矢理襲うのでは無く、《魅了》という方法を選んだのはそれが一番の理由だろう。
そう、あいつは精神が破綻しているのだ。
幸せの絶頂にある人間を絶望させるのを何よりも好んでいる。
では、そんな精神の破綻したオルトが、自身の計画を邪魔された今、どの様に動くか。
「折角の計画だったのに、俺に邪魔をされた。あいつは心底、面白くないだろうな」
ボーマンは加護を抜かれてダメにされ、襲われるはずのミレイユも無事だった。
念入りに準備をしてきた計画に綻びが生じた状態だ。
「あいつはそういう不確定要素を嫌い、全力で潰しに掛かる男だ」
つまり、俺という邪魔者の存在を何としても炙り出そうとするはずだ。
「そして、恐らくミレイユに探りを入れ始めるだろうな」
そこで、俺が仕込んだエサに飛びつくはずだ。
「俺が生きていると知ったオルトがそれを利用しないはずがない。オルトは、俺こそが腹違いの弟のオルトだと吹聴するはずだ」
目的はただ一つ。
俺の味方がいなくなったという事実を、俺にまざまざと知らしめるためだ。
「計画を邪魔されたことへの恨みを晴らし、俺をもう一度地獄にたたき落とすために、オルトは俺を表舞台に引きずり出そうとするはずだ」
舞台は整いつつある。
出だしこそ完全に出遅れた。危うくミレイユも襲われるところだった。
しかし、俺の抵抗によって、オルトの目論見が外れていることも確かだ。
「これであいつが俺に気付いてさえくれれば、この事件は俺とオルトの直接対決になるはずだ」
あとはオルトの思考を読み誤らないように、気を抜かずに行こう。
「ジーク様、考えはまとまりましたか?」
「ああ。確証はないが明日、多分オルトとの決着を付けることになる」
「あの、私に何か手伝えることは……?」
原作の流れで行けば明日、ラフィリア伯は二人の〝加護なし〟の処刑を発表し、同時にオルトに扇動された〝加護なし〟たちが一斉に蜂起するだろう。
当然、オルトの目論見通りにさせない。内紛は阻止し、オルトと決着を付ける。
そのための手はいくらあっても足りないぐらいだ。
「リヴィエラ……手伝ってくれるか?」
「はい。どんなことでも。私はジーク様のためならどんなことでもする覚悟です」
「ありがとう、よろしく頼む」
俺はそっとリヴィエラの頭を撫でる。
明日はきっと長い一日になるだろう。
「ちょっと待てぇえええええ!!」
その時、騒がしい声と共に、三人組の大男が入り込んできた。
「鍵が開いていたので、失礼ながら入らせていただきました!!」
「ノックもしないでごめんなさいね!!」
「不法侵入だぞ……」
俺は三人組からリヴィエラをかばうように立ちはだかる。
「他意はねえんだ!! ただ、俺達は命の恩人であるハル様の力になりたくてここに来たんだ!!」
「命の恩人……?」
思い出した。
この三人は、蜂蜜狩りの時に遭遇した冒険者達だ。
てっきり蜂に殺されたものだと思っていたが、奇跡的に生き延びていたので治療したのだった。
「俺の名前はゴンザレス」
「僕の名前はローレンス」
「アタシの名前はエリザベスよ」
「「「何だかよく分からないけど、命を助けていただいたお礼をさせてください!!!」」」
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