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番外編
※R18 恋は人を変える
しおりを挟むなぜか全体的に甘いのだ。
甘くてこちらの身体も心も蕩けてしまい
そうなほどに。
熱い目で見つめてくるし、いつも以上に密着してくる。
いったいどうしたのだと、菜奈はドキドキしながら目を白黒させていた。
何故なら喧嘩したから。やつは飲み会に行くと言って口紅の跡をシャツにつけて家に帰ってきやがったのである。そりゃあ怒るに決まってる。
許すとは言ったけど未だに怒りが消えていないのは皆さまもわかりますよね?
「なに??……え??ん?」
そう首を傾げた途端、今度は橙里に抱き上げられてしまう。軽々しく、まるでお姫様のように横抱きにしてきたのだ。
いよいよ菜奈の混乱は極まった。
驚いたやら恥ずかしいやらで、今にも泣いてしまいそうだ。
「喧嘩したあとは、二人で甘いひとときを過ごすのがいいんだそうだ。できればベッドの上で」
「はぁ~??」
「って、俺の親友が言っていた。……俺もそうすべきだと思う。いや、そうしたい」
彼の親友のお節介に思わず顔を顰めた。
だが、それより何より驚いたのが、親友の助言を受けたからといっても、このクズ男こと、橙里がついにそういう行為をしようとしているからだ。
「..…実はずっとタイミングを窺ってた。そのさ…あの高校の時の挽回を。だけど、また菜奈のこと傷つけて、自分本位にしちゃうんじゃないかってなかなか踏み切れなかったんだ。菜奈に大人になってからって言ったのは大事にしたかったのもあったけど本当は嫌われるのが怖かった。それと飲み会のやつは本当事故だし、俺にはもう菜奈しかいないってわかってるでしょ?」
情けなさそうな顔でそう言う橙里は、そのままベッドへと足を進める。
私達はあの後大学に進学し別々の大学だからと近くに住む事にした。あのクズ男が真面目になったと高校中を話題にしてからかなりのいい大学に進みまたも話題を提供していた。
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