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あいつに勝てない
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「大内さん!そう落ち込むことないよ!大内さんの結果も凄いんだよ?」
「そうそう!近江くんが異常なんだよ!真央の結果今まででのうちらの部ではトップだよ!」
「でも…近江君が新しいトップを塗り替えたじゃない…私の記録なんて意味ない」
「そ、そんなことないよ!じゃあ…また来週から頑張ろうね!」
そう言ってみんな腫れ物に触れるような雰囲気で会社をあとにする。
みんなは励ましてくれたけど、私は励まされたい訳じゃない。
今月だけはと、意気込んで月に絶対入れなきゃいけない休みの日に仕事運、勉強運がアップするという神社にまで行ってお祈りしたのだ。
絶対に同期のあいつに勝てますように。
しかし結果は惨敗。彼は私のことなんてライバルとも思っていないのだろう。
いい笑顔で社長賞を受賞して、いい笑顔で今月の営業実績トップは近江だ!と祝って貰っていた。
ムカつく。ムカつく。私だって努力してるのに。
わかってはいるのだ。彼は何も悪くないし凄いことも。それでも許せない。
今まで勉強も部活も何事も人より上手にできた自信はあったし、努力でどうにかなってきた。
なのに、いくら努力しても私は近江に追いつけない。
もう定時の6時が過ぎた。みんなちらほらと帰っていくのを見送る。今日は金曜だから皆がやっと金曜だーと帰っていく。
私は仕事命みたいな生き方をしているから正直その気持ちはわからない。
なんなら休みなんていらない。彼に勝てるのなら海外にだって喜んでいくだろう。
私は超がつくほどの負けず嫌いだ。
悔しくて悔しくて、すでに誰もいなくなったオフィスで1人すすりなきをしている。するとオフィスが広いからか私に気がつかなかった人が誰もいませんねーと電気を消した。
それは私に追い討ちをかけるようだった。
みんなそんな必死にならなくても!
というけどこんなに努力して優秀でも才能でそれを超える人がいるのだ。誰が落ち着いていられるか。
「んー真っ暗の中何してるの?」
オフィスに、憎いあいつが入ってきた。
しかも電気つけやがった。泣いてんのわかってるのに電気つけて話しかける!?
本当にデリカシーのない男だ。
まだいたの!?私がいるのわかってて戻ってきたのね。
ざまぁ。とでもいうつもりなのか。
今だけは冗談なんて聞けないし答えられない。
「いるから何?はやく帰れば?」
「やだ。大内が心配。」
は?意味がわからない。負けた人に優しくするの?そういうのが一番迷惑だって負けたことない人にはわからないわよね。
何の不自由もなく幸せな彼と必死でやっても一番になれない私。
その差は歴然だ。笑いたければはやく笑えばいい。
「なんでよ!!近江は私を笑いにきたんでしょ?近江にとってはなんとも思わない同僚でも私にとっては敵なのっ!話しかけてこないで!!」
彼はなぜか私よりも辛そう顔をしたように見えた。
それで私は怒りのやり場を失い何にも言えなくなってしまった。
すると彼が息を大きく吸い込んだ。
「大内、俺と付き合おう。敵って言われるのそろそろ辛い」
その一言を自然に理解するのは今の私にとって不可能だった。
「そうそう!近江くんが異常なんだよ!真央の結果今まででのうちらの部ではトップだよ!」
「でも…近江君が新しいトップを塗り替えたじゃない…私の記録なんて意味ない」
「そ、そんなことないよ!じゃあ…また来週から頑張ろうね!」
そう言ってみんな腫れ物に触れるような雰囲気で会社をあとにする。
みんなは励ましてくれたけど、私は励まされたい訳じゃない。
今月だけはと、意気込んで月に絶対入れなきゃいけない休みの日に仕事運、勉強運がアップするという神社にまで行ってお祈りしたのだ。
絶対に同期のあいつに勝てますように。
しかし結果は惨敗。彼は私のことなんてライバルとも思っていないのだろう。
いい笑顔で社長賞を受賞して、いい笑顔で今月の営業実績トップは近江だ!と祝って貰っていた。
ムカつく。ムカつく。私だって努力してるのに。
わかってはいるのだ。彼は何も悪くないし凄いことも。それでも許せない。
今まで勉強も部活も何事も人より上手にできた自信はあったし、努力でどうにかなってきた。
なのに、いくら努力しても私は近江に追いつけない。
もう定時の6時が過ぎた。みんなちらほらと帰っていくのを見送る。今日は金曜だから皆がやっと金曜だーと帰っていく。
私は仕事命みたいな生き方をしているから正直その気持ちはわからない。
なんなら休みなんていらない。彼に勝てるのなら海外にだって喜んでいくだろう。
私は超がつくほどの負けず嫌いだ。
悔しくて悔しくて、すでに誰もいなくなったオフィスで1人すすりなきをしている。するとオフィスが広いからか私に気がつかなかった人が誰もいませんねーと電気を消した。
それは私に追い討ちをかけるようだった。
みんなそんな必死にならなくても!
というけどこんなに努力して優秀でも才能でそれを超える人がいるのだ。誰が落ち着いていられるか。
「んー真っ暗の中何してるの?」
オフィスに、憎いあいつが入ってきた。
しかも電気つけやがった。泣いてんのわかってるのに電気つけて話しかける!?
本当にデリカシーのない男だ。
まだいたの!?私がいるのわかってて戻ってきたのね。
ざまぁ。とでもいうつもりなのか。
今だけは冗談なんて聞けないし答えられない。
「いるから何?はやく帰れば?」
「やだ。大内が心配。」
は?意味がわからない。負けた人に優しくするの?そういうのが一番迷惑だって負けたことない人にはわからないわよね。
何の不自由もなく幸せな彼と必死でやっても一番になれない私。
その差は歴然だ。笑いたければはやく笑えばいい。
「なんでよ!!近江は私を笑いにきたんでしょ?近江にとってはなんとも思わない同僚でも私にとっては敵なのっ!話しかけてこないで!!」
彼はなぜか私よりも辛そう顔をしたように見えた。
それで私は怒りのやり場を失い何にも言えなくなってしまった。
すると彼が息を大きく吸い込んだ。
「大内、俺と付き合おう。敵って言われるのそろそろ辛い」
その一言を自然に理解するのは今の私にとって不可能だった。
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