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第四章 絢爛のスクールフェスタ
第339話 みんなの祝福
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世界がこんなにも煌めいて美しく見えるのは、きっとアルフェのお陰だ。
長く僕の中で彷徨っていた想いに『愛』という名前がついた今、僕の人生はアルフェと二人のものになった。それが幸福だともう僕は知っている。幸福はおろか、愛さえ知らなかった前世の僕の人生からは恵まれ過ぎているほどの幸福だ。
「……おめでとうございます、マスター、アルフェ様。ホムは……ホムは幸せでございます」
アルフェと家族になる前提で、恋人の誓いを交わしたことを一番に伝えたのはホムだ。ホムは僕と記憶と感情を同期させていた影響か、嬉し涙を見せるほどに僕たちのことを祝福してくれた。
ホムに伝えた後、僕とアルフェは生徒会のみんなに僕たちのことを話した。皆、驚いた様子もなく、ただこの日を心から待ちわびていたかのように笑顔で受け入れてくれた。
今日改めて、アルフェの気恥ずかしそうな笑顔を見ているとなんとなくわかるが、僕たちが『特別』な想いで結ばれていたことは、皆にとっては周知の事実だったようだ。
だとしたら、アルフェは決して口にしないだろうけれど、僕は随分アルフェのことを待たせてしまったのかもしれないな。その分まで、これからアルフェとの時間を過ごせるように意識しなければ。
「……いやー、本当におめでとうだよ~! アルフェちゃん、やったね! ……あ、うち、気づいちゃったんだけど、じゃあさ、今日出かけるとしたら初デートってことじゃん!? きゃ~! お祭りって感じがする~! ねっねっ、ししょ~! なにか見て回らなくてもいいの?」
メルアが何故かエステアの肩を叩きながら、かなりの興奮を見せている。興奮のあまり息継ぎも忘れて忙しなく喋り倒しているあたりがメルアらしいな。
「そうね。来年のためにも、是非建国祭を楽しんで欲しいわ。今日はステージイベントもないし、露店エリアには安全管理の教員もいるわけだから……」
僕が遠慮しないように、エステアが言葉を選びながら提案してくれる。建国祭二日目は、学園都市に三つある大学部の出し物がメインで、今日は露店エリア以外の高等部の生徒はお客さんとして楽しむことになっているのだ。
「ひとつだけ行きたいところがあるけれど、午後からだから休憩時間と兼ねて行くよ」
露店エリアだけとは言え、生徒会として緊急時の対応は必要だ。僕だけ特別扱いしてもらうわけにもいかないが、一昨日のナイルからもらったチケットのことを思い出してそう応えた。
「いやいや、ししょー、働きすぎっしょ! いちおーうちら先輩なんだから、ここは任せて初めての建国祭を楽しんでおいでって」
「メルア先輩の言う通りだ。気にしないで行って来い」
メルアの言葉にグーテンブルク坊やとリゼルも声を揃える。
「それとも副会長補佐の私だけでは不足か? お前には、生徒会の仕事に拘るよりも建国祭で見聞を深めて来た方がこちらとしても利になるぞ」
リゼルにはっきりとそう言われたからには、ここは僕が引くべきなのだろうな。アルフェを見ると、皆の発言に目を潤ませている。アルフェも生徒会の仕事のことを気にしていたが、みんなの心遣いが嬉しくて堪らない様子だ。
「……ありがとう、リゼル。じゃあ、お言葉に甘えようか。ナイルの特別試合に誘われていることだしね」
「格納庫にも呼ばれていたわよね。是非見てきて」
「エステアさんは見なくて大丈夫?」
アルフェの問いかけにエステアとメルアは揃って頷いた。
「中継されるから、うちらは映像魔導器越しでじゅーぶん。ねっ、エステア?」
「ええ。ホムも誘われているのだし、是非現地で見てきて。ホムもそうしたいでしょ?」
「はい!」
今朝ナイルの特別試合の話をしたこともあり、きっと楽しみにしていたのだろう。ホムの弾んだ声に、エステアは顔を綻ばせた。
長く僕の中で彷徨っていた想いに『愛』という名前がついた今、僕の人生はアルフェと二人のものになった。それが幸福だともう僕は知っている。幸福はおろか、愛さえ知らなかった前世の僕の人生からは恵まれ過ぎているほどの幸福だ。
「……おめでとうございます、マスター、アルフェ様。ホムは……ホムは幸せでございます」
アルフェと家族になる前提で、恋人の誓いを交わしたことを一番に伝えたのはホムだ。ホムは僕と記憶と感情を同期させていた影響か、嬉し涙を見せるほどに僕たちのことを祝福してくれた。
ホムに伝えた後、僕とアルフェは生徒会のみんなに僕たちのことを話した。皆、驚いた様子もなく、ただこの日を心から待ちわびていたかのように笑顔で受け入れてくれた。
今日改めて、アルフェの気恥ずかしそうな笑顔を見ているとなんとなくわかるが、僕たちが『特別』な想いで結ばれていたことは、皆にとっては周知の事実だったようだ。
だとしたら、アルフェは決して口にしないだろうけれど、僕は随分アルフェのことを待たせてしまったのかもしれないな。その分まで、これからアルフェとの時間を過ごせるように意識しなければ。
「……いやー、本当におめでとうだよ~! アルフェちゃん、やったね! ……あ、うち、気づいちゃったんだけど、じゃあさ、今日出かけるとしたら初デートってことじゃん!? きゃ~! お祭りって感じがする~! ねっねっ、ししょ~! なにか見て回らなくてもいいの?」
メルアが何故かエステアの肩を叩きながら、かなりの興奮を見せている。興奮のあまり息継ぎも忘れて忙しなく喋り倒しているあたりがメルアらしいな。
「そうね。来年のためにも、是非建国祭を楽しんで欲しいわ。今日はステージイベントもないし、露店エリアには安全管理の教員もいるわけだから……」
僕が遠慮しないように、エステアが言葉を選びながら提案してくれる。建国祭二日目は、学園都市に三つある大学部の出し物がメインで、今日は露店エリア以外の高等部の生徒はお客さんとして楽しむことになっているのだ。
「ひとつだけ行きたいところがあるけれど、午後からだから休憩時間と兼ねて行くよ」
露店エリアだけとは言え、生徒会として緊急時の対応は必要だ。僕だけ特別扱いしてもらうわけにもいかないが、一昨日のナイルからもらったチケットのことを思い出してそう応えた。
「いやいや、ししょー、働きすぎっしょ! いちおーうちら先輩なんだから、ここは任せて初めての建国祭を楽しんでおいでって」
「メルア先輩の言う通りだ。気にしないで行って来い」
メルアの言葉にグーテンブルク坊やとリゼルも声を揃える。
「それとも副会長補佐の私だけでは不足か? お前には、生徒会の仕事に拘るよりも建国祭で見聞を深めて来た方がこちらとしても利になるぞ」
リゼルにはっきりとそう言われたからには、ここは僕が引くべきなのだろうな。アルフェを見ると、皆の発言に目を潤ませている。アルフェも生徒会の仕事のことを気にしていたが、みんなの心遣いが嬉しくて堪らない様子だ。
「……ありがとう、リゼル。じゃあ、お言葉に甘えようか。ナイルの特別試合に誘われていることだしね」
「格納庫にも呼ばれていたわよね。是非見てきて」
「エステアさんは見なくて大丈夫?」
アルフェの問いかけにエステアとメルアは揃って頷いた。
「中継されるから、うちらは映像魔導器越しでじゅーぶん。ねっ、エステア?」
「ええ。ホムも誘われているのだし、是非現地で見てきて。ホムもそうしたいでしょ?」
「はい!」
今朝ナイルの特別試合の話をしたこともあり、きっと楽しみにしていたのだろう。ホムの弾んだ声に、エステアは顔を綻ばせた。
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